基礎問題集
数学A 確率「数列・確率(数B)」の問題44 解説
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解説
方針・初手
Aの持つ硬貨の枚数だけに注目する。
全体の硬貨は常に3枚なので,ゲームが続いている途中の状態は,Aの硬貨が1枚または2枚のどちらかである。初期状態はAが2枚である。
したがって,状態
$$ A=1,\quad A=2
$$
の間の推移確率と,そこから終了状態
$$ A=0,\quad A=3
$$
へ移る確率を求めればよい。
解法1
まず,Aが2枚,Bが1枚持っている状態から考える。
Aが投げた2枚のうち表の枚数を $X$,Bが投げた1枚のうち表の枚数を $Y$ とする。このとき
$$ X\sim \mathrm{Bin}(2,\frac12),\qquad Y\sim \mathrm{Bin}(1,\frac12)
$$
である。
Aが3枚になって終了するのは,Aの表の枚数の方が多く,BがAに1枚渡すときである。つまり $X>Y$ のときである。
$$ \begin{aligned} P(X>Y) &=P(Y=0,\ X=1\text{ または }2)+P(Y=1,\ X=2)\\ &=\frac12\cdot\frac34+\frac12\cdot\frac14\\ &=\frac38+\frac18\\ &=\frac12 \end{aligned}
$$
よって
$$ p_1=\frac12
$$
である。
次に,Aが2枚の状態から1回操作した後,ゲームが続く場合の推移を整理する。
Aが2枚の状態から,
$$ P(2\to 3)=\frac12
$$
である。また,Aが1枚になるのは $X<Y$ のときであり,これは $Y=1,\ X=0$ の場合だけなので,
$$ P(2\to 1)=\frac12\cdot\frac14=\frac18
$$
である。残りは枚数の変化がない場合だから,
$$ P(2\to 2)=1-\frac12-\frac18=\frac38
$$
となる。
したがって,2回目の操作でAが3枚となって終了するには,1回目に $2\to2$ でゲームが続き,2回目に $2\to3$ となればよい。
ゆえに
$$ p_2=P(2\to2)P(2\to3)=\frac38\cdot\frac12=\frac{3}{16}
$$
である。
次に $p_3$ を求める。
Aが1枚,Bが2枚の状態からの推移も求めておく。Aが投げた1枚のうち表の枚数を $U$,Bが投げた2枚のうち表の枚数を $V$ とする。
Aが2枚に増えるのは $U>V$ のときである。これは $U=1,\ V=0$ の場合だけなので,
$$ P(1\to2)=\frac12\cdot\frac14=\frac18
$$
である。
また,表の枚数が等しければ硬貨のやり取りはないので,Aが1枚のまま残る確率は
$$ P(1\to1)=\frac38
$$
である。
3回目の操作でAが3枚となって終了するには,2回目の操作後にAが2枚であり,なおかつゲームがまだ終了していなければよい。
初期状態はAが2枚である。2回操作した後にAが2枚でゲームが続いている経路は,次の2通りである。
**(i)**
$2\to2\to2$
この確率は
$$ \frac38\cdot\frac38=\frac{9}{64}
$$
である。
**(ii)**
$2\to1\to2$
この確率は
$$ \frac18\cdot\frac18=\frac{1}{64}
$$
である。
したがって,2回目の操作後にAが2枚でゲームが続いている確率は
$$ \frac{9}{64}+\frac{1}{64}=\frac{10}{64}=\frac{5}{32}
$$
である。
この状態から3回目の操作でAが3枚になる確率は $\frac12$ だから,
$$ p_3=\frac{5}{32}\cdot\frac12=\frac{5}{64}
$$
である。
解説
この問題では,それぞれの硬貨を区別して追う必要はない。Aが持っている硬貨の枚数だけを状態として見れば十分である。
ゲームが続く状態は $A=1$ と $A=2$ の2つだけであり,$A=0$ または $A=3$ になった時点で終了する。このため,吸収状態をもつ確率過程として考えると整理しやすい。
注意すべき点は,$p_n$ は「$n$ 回目の操作でAが3枚となって終了する確率」であり,それ以前に終了した場合は含めないことである。したがって $p_2$ や $p_3$ では,途中でゲームが終了しない経路だけを数える必要がある。
答え
**(1)**
$$ p_1=\frac12
$$
**(2)**
$$ p_2=\frac{3}{16}
$$
**(3)**
$$ p_3=\frac{5}{64}
$$