基礎問題集
数学A 確率「数列・確率(数B)」の問題48 解説
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解説
方針・初手
グラフは
$$ {A,C,D}\quad \text{と}\quad {B,E}
$$
を交互に移動する二部構造になっている。したがって、$P_1=A$ から出発すると、奇数番目には $A,C,D$ のいずれか、偶数番目には $B,E$ のいずれかにいる。
また、$C$ と $D$ は移動規則上まったく同じ役割をもつので、$C,D$ をまとめて扱う。
解法1
(1) $p_n$ の計算
奇数番目と偶数番目に分ける。$m=1,2,\dots$ に対して
$$ u_m=\Pr(P_{2m-1}=A),\qquad v_m=\Pr(P_{2m}=B)
$$
とおく。
奇数番目では $P_{2m-1}$ は $A,C,D$ のいずれかであるから、$P_{2m}$ が $B$ となる確率は
$$ v_m=u_m+\frac12(1-u_m)=\frac{1+u_m}{2}
$$
である。ここで、$A$ からは必ず $B$ へ移り、$C,D$ からは確率 $\frac12$ で $B$ へ移ることを用いた。
また、$P_{2m+1}=A$ となるには、$P_{2m}=B$ から線分 $BA$ を選ぶ必要がある。$B$ から出る線分は $BA,BC,BD$ の3本なので、
$$ u_{m+1}=\frac13v_m=\frac{1+u_m}{6}
$$
である。初期値は $u_1=1$ である。
この漸化式を解くために定数解を求めると、
$$ u=\frac{1+u}{6}
$$
より
$$ u=\frac15
$$
である。したがって
$$ u_{m+1}-\frac15=\frac16\left(u_m-\frac15\right)
$$
となるから、
$$ u_m=\frac15+\frac45\left(\frac16\right)^{m-1}
$$
である。
よって
$$ v_m=\frac{1+u_m}{2} =\frac35+\frac25\left(\frac16\right)^{m-1}
$$
である。
奇数番目では $P_n$ が $A$ または $B$ であることは $P_n=A$ であることと同値であり、偶数番目では $P_n=B$ であることと同値である。したがって
$$ p_{2m-1}=\frac15+\frac45\left(\frac16\right)^{m-1}
$$
$$ p_{2m}=\frac35+\frac25\left(\frac16\right)^{m-1}
$$
である。
(2) $q_n$ の計算
$H_n$ を
$$ H_n={k=1,2,\dots,n\text{ のいずれに対しても }P_k\ne E}
$$
とおく。求める条件付き確率は
$$ q_n=\Pr(H_n\mid P_n=A\text{ または }B)
$$
である。
奇数番目と偶数番目に分けて、$m=1,2,\dots$ に対して
$$ \alpha_m=\Pr(H_{2m-1}\cap{P_{2m-1}=A})
$$
$$ \beta_m=\Pr(H_{2m}\cap{P_{2m}=B})
$$
$$ \gamma_m=\Pr(H_{2m-1}\cap{P_{2m-1}=C\text{ または }D})
$$
とおく。
初期値は
$$ \alpha_1=1,\qquad \gamma_1=0
$$
である。
$P_{2m-1}=A$ なら次は必ず $B$ に移る。また、$P_{2m-1}=C$ または $D$ なら、$B$ に移る確率は $\frac12$、$E$ に移る確率は $\frac12$ である。$E$ に移った場合は $H_{2m}$ を満たさないので、
$$ \beta_m=\alpha_m+\frac12\gamma_m
$$
である。
また、$P_{2m}=B$ からは $A,C,D$ の3方向へ等確率に移るから、
$$ \alpha_{m+1}=\frac13\beta_m,\qquad \gamma_{m+1}=\frac23\beta_m
$$
である。
$m\geqq 2$ では
$$ \alpha_m=\frac13\beta_{m-1},\qquad \gamma_m=\frac23\beta_{m-1}
$$
より
$$ \gamma_m=2\alpha_m
$$
である。したがって、$m\geqq 2$ では
$$ \beta_m=\alpha_m+\frac12\gamma_m=2\alpha_m
$$
となる。さらに
$$ \alpha_{m+1}=\frac13\beta_m=\frac23\alpha_m
$$
である。
また、
$$ \alpha_2=\frac13\beta_1=\frac13
$$
だから、$m\geqq 2$ に対して
$$ \alpha_m=\frac13\left(\frac23\right)^{m-2}
$$
である。したがって
$$ \beta_m=2\alpha_m=\left(\frac23\right)^{m-1}\qquad (m\geqq 2)
$$
である。なお、$\beta_1=1$ なので、この式は $m=1$ に対しても成り立つ。
よって、偶数番目については
$$ \begin{aligned} q_{2m} &= \frac{\beta_m}{p_{2m}} \\ \frac{\left(\frac23\right)^{m-1}} {\frac35+\frac25\left(\frac16\right)^{m-1}} \qquad (m=1,2,\dots) \end{aligned} $$
である。
奇数番目については、$q_1=1$ であり、$m\geqq 2$ に対して
$$ \begin{aligned} q_{2m-1} &= \frac{\alpha_m}{p_{2m-1}} \\ \frac{\frac13\left(\frac23\right)^{m-2}} {\frac15+\frac45\left(\frac16\right)^{m-1}} \end{aligned} $$
である。
解説
この問題では、$A$ または $B$ にいる確率だけを直接追うと、$C,D,E$ の区別が残るため漸化式が閉じにくい。まず、グラフが二部構造をもつことに注目し、奇数番目と偶数番目を分けるのが重要である。
また、$C$ と $D$ は完全に対称なので、まとめて「$C$ または $D$」として扱える。ただし、$E$ は $C,D$ と違って $A,B$ に戻るまでの構造が異なるため、(1) では単純に $A,B$ とそれ以外の2状態にまとめるだけでは不十分である。
(2) では、「$E$ を通らない」という条件を付けた確率を、正規化された条件付きの移動として扱ってはいけない。あくまで元の確率のまま、$E$ に行く経路を除いて数える必要がある。
答え
**(1)**
$m=1,2,\dots$ とすると、
$$ \begin{aligned} p_{2m-1} &= \frac15+\frac45\left(\frac16\right)^{m-1} \end{aligned} $$
$$ \begin{aligned} p_{2m} &= \frac35+\frac25\left(\frac16\right)^{m-1} \end{aligned} $$
である。
**(2)**
$$ q_1=1
$$
であり、$m\geqq 2$ に対して
$$ \begin{aligned} q_{2m-1} &= \frac{\frac13\left(\frac23\right)^{m-2}} {\frac15+\frac45\left(\frac16\right)^{m-1}} \end{aligned} $$
である。また、$m=1,2,\dots$ に対して
$$ \begin{aligned} q_{2m} &= \frac{\left(\frac23\right)^{m-1}} {\frac35+\frac25\left(\frac16\right)^{m-1}} \end{aligned} $$
である。