基礎問題集
数学A 整数問題「ユークリッドの互除法」の問題2 解説
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解説
方針・初手
$P(x)=x^3-6x^2+11x-6$ は因数分解できる形である。まず $P(x)$ の根を確認し、$P(x)$ を一次因子の積に直す。
その後、$Q(x)$ の各割り算の余りから、$Q(1),Q(2),Q(3)$ の値を読み取る。$P(x)$ で割った余りは高々2次式なので、3点の値から余りを決定する。
解法1
まず
$$ P(x)=x^3-6x^2+11x-6
$$
を因数分解すると、
$$ P(x)=(x-1)(x-2)(x-3)
$$
である。したがって、方程式 $P(x)=0$ の3つの解は $1,2,3$ であり、その和は
$$ 1+2+3=6
$$
である。
よって、アは
$$ 6
$$
である。
次に、$Q(x)$ を $x^2-3x+2$ で割ると余りが $8x+2$ である。
ここで
$$ x^2-3x+2=(x-1)(x-2)
$$
だから、$x=1,2$ のとき $Q(x)$ の値は余り $8x+2$ と一致する。よって
$$ Q(1)=8\cdot 1+2=10
$$
$$ Q(2)=8\cdot 2+2=18
$$
である。
また、$Q(x)$ を $x^2-5x+6$ で割ると余りが $10x+k$ である。
$$ x^2-5x+6=(x-2)(x-3)
$$
なので、$x=2,3$ のとき $Q(x)$ の値は余り $10x+k$ と一致する。特に $x=2$ で比較すると、
$$ Q(2)=10\cdot 2+k=20+k
$$
である。一方で、先ほど $Q(2)=18$ と分かっているから、
$$ 20+k=18
$$
より
$$ k=-2
$$
である。
したがって、イは
$$ -2
$$
である。
このとき、$Q(x)$ を $P(x)$ で割った余りを $R(x)$ とする。$P(x)$ は3次式なので、$R(x)$ は高々2次式である。
$$ Q(x)=P(x)S(x)+R(x)
$$
とおける。$P(1)=P(2)=P(3)=0$ だから、
$$ R(1)=Q(1),\quad R(2)=Q(2),\quad R(3)=Q(3)
$$
である。
すでに
$$ Q(1)=10,\quad Q(2)=18
$$
である。また $k=-2$ より、$x=3$ では
$$ Q(3)=10\cdot 3-2=28
$$
である。
よって、$R(x)$ は
$$ R(1)=10,\quad R(2)=18,\quad R(3)=28
$$
を満たす高々2次式である。$R(x)=ax^2+bx+c$ とおくと、
$$ \begin{cases} a+b+c=10\\ 4a+2b+c=18\\ 9a+3b+c=28 \end{cases}
$$
である。上から順に引くと、
$$ 3a+b=8
$$
$$ 5a+b=10
$$
となる。これらを引いて
$$ 2a=2
$$
より
$$ a=1
$$
である。したがって
$$ 3+b=8
$$
より
$$ b=5
$$
さらに
$$ 1+5+c=10
$$
より
$$ c=4
$$
である。
よって
$$ R(x)=x^2+5x+4
$$
である。
したがって、ウは
$$ x^2+5x+4
$$
である。
最後に、$P(10)$ と $Q(10)$ の最大公約数を求める。
まず
$$ P(10)=10^3-6\cdot 10^2+11\cdot 10-6
$$
より
$$ P(10)=1000-600+110-6=504
$$
である。
また、$Q(x)$ を $P(x)$ で割った余りが $R(x)=x^2+5x+4$ なので、
$$ Q(10)=P(10)S(10)+R(10)
$$
である。したがって
$$ \gcd(P(10),Q(10))=\gcd(P(10),R(10))
$$
である。
ここで
$$ R(10)=10^2+5\cdot 10+4=154
$$
だから、
$$ \gcd(P(10),Q(10))=\gcd(504,154)
$$
である。ユークリッドの互除法より、
$$ 504=154\cdot 3+42
$$
$$ 154=42\cdot 3+28
$$
$$ 42=28\cdot 1+14
$$
$$ 28=14\cdot 2
$$
したがって最大公約数は
$$ 14
$$
である。
よって、エは
$$ 14
$$
である。
解説
この問題の中心は、割り算の余りから特定の点での $Q(x)$ の値を読み取ることである。
$Q(x)$ を $(x-a)$ を因子にもつ式で割ったとき、その余りは $x=a$ で $Q(a)$ と同じ値をとる。今回は
$$ x^2-3x+2=(x-1)(x-2)
$$
$$ x^2-5x+6=(x-2)(x-3)
$$
であり、共通する $x=2$ の値を比較することで $k$ が決まる。
また、$P(x)=(x-1)(x-2)(x-3)$ であるため、$Q(x)$ を $P(x)$ で割った余りは、$x=1,2,3$ における値から一意に決まる。ここを「余りは高々2次式」と見抜けるかが重要である。
最大公約数の計算では、$Q(10)$ を直接求める必要はない。$Q(10)$ と余り $R(10)$ は $P(10)$ の倍数だけ異なるので、
$$ \gcd(P(10),Q(10))=\gcd(P(10),R(10))
$$
として計算できる。
答え
ア:
$$ 6
$$
イ:
$$ -2
$$
ウ:
$$ x^2+5x+4
$$
エ:
$$ 14
$$