基礎問題集
数学A 整数問題「ユークリッドの互除法」の問題4 解説
数学Aの整数問題「ユークリッドの互除法」にある問題4の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
最大公約数 $D_n$ を直接求めるより、ユークリッドの互除法で $a_n$ と $b_n$ の共通約数が取り得る値を絞る。
特に $b_n=3n+24$ を使って $a_n$ から $n b_n$ を引くと、次数が下がる。そこから $D_n$ が $6$ の約数であることが分かるため、あとは $2$ と $3$ の倍数性を調べればよい。
解法1
$n$ は自然数とする。
$$ a_n=3n^2+28n+30,\qquad b_n=3n+24
$$
である。$D_n=\gcd(a_n,b_n)$ とおく。
まず、$a_n$ から $n b_n$ を引くと、
$$ \begin{aligned} a_n-nb_n &= (3n^2+28n+30)-n(3n+24) \\ 4n+30 \end{aligned} $$
である。したがって、$D_n$ は $b_n$ と $4n+30$ の公約数である。
さらに、
$$ \begin{aligned} 3(4n+30)-4(3n+24) &= 12n+90-12n-96 \\ -6 \end{aligned} $$
より、$D_n$ は $6$ の約数である。よって
$$ D_n\in{1,2,3,6}
$$
である。
次に、$2$ と $3$ の因数を持つ条件を調べる。
まず $2$ について、$b_n=3n+24$ は $n$ が偶数のとき偶数であり、$n$ が奇数のとき奇数である。また、
$$ a_n=3n^2+28n+30
$$
について、$28n+30$ は常に偶数なので、$a_n$ の偶奇は $3n^2$、すなわち $n$ の偶奇と一致する。したがって、$D_n$ が $2$ を因数にもつのは、$n$ が偶数のときに限る。
次に $3$ について、$b_n=3n+24$ は常に $3$ の倍数である。一方、
$$ a_n=3n^2+28n+30\equiv n \pmod{3}
$$
であるから、$a_n$ が $3$ の倍数となるのは $n$ が $3$ の倍数のときである。したがって、$D_n$ が $3$ を因数にもつのは、$n$ が $3$ の倍数のときに限る。
よって、
$$ D_n= \begin{cases} 6 & (n\text{ が }6\text{ の倍数})\\ 2 & (n\text{ が偶数で、}3\text{ の倍数でない})\\ 3 & (n\text{ が }3\text{ の倍数で、偶数でない})\\ 1 & (n\text{ が }2\text{ の倍数でも }3\text{ の倍数でもない}) \end{cases}
$$
である。これは
$$ D_n=\gcd(n,6)
$$
とまとめられる。
したがって、$D_n$ は周期 $6$ で
$$ \begin{aligned} D_1,D_2,D_3,D_4,D_5,D_6 &= 1,2,3,2,1,6 \end{aligned} $$
を繰り返す。
よって、
$$ D_1=1,\qquad D_2=2,\qquad D_3=3,\qquad D_6=6
$$
である。
また、1周期分の和は
$$ 1+2+3+2+1+6=15
$$
である。
したがって、
$$ S_{12}=2\cdot 15=30
$$
である。
また、$20=6\cdot 3+2$ より、
$$ S_{20}=3\cdot 15+(D_{19}+D_{20})
$$
である。$D_{19}=D_1=1,\ D_{20}=D_2=2$ だから、
$$ S_{20}=45+1+2=48
$$
である。
次に、$S_n$ が $60$ の倍数となる $100$ 以下の自然数 $n$ を求める。
$n=6q+r$ とおく。ただし、$q$ は $0$ 以上の整数、$r=0,1,2,3,4,5$ とする。
周期 $6$ の和が $15$ であるから、
$$ S_n=15q+P_r
$$
と表せる。ただし、
$$ P_0=0,\quad P_1=1,\quad P_2=3,\quad P_3=6,\quad P_4=8,\quad P_5=9
$$
である。
$S_n$ が $60$ の倍数であるためには、
$$ 15q+P_r\equiv 0 \pmod{60}
$$
でなければならない。
ここで $15q$ は $60$ を法として
$$ 0,\ 15,\ 30,\ 45
$$
のいずれかである。一方、$P_r$ は
$$ 0,\ 1,\ 3,\ 6,\ 8,\ 9
$$
のいずれかである。したがって、$15q+P_r$ が $60$ の倍数になるには $P_r=0$ でなければならない。
よって $r=0$、すなわち $n$ は $6$ の倍数である。このとき
$$ S_n=15q
$$
であり、これが $60$ の倍数となる条件は
$$ 15q\equiv 0 \pmod{60}
$$
すなわち
$$ q\equiv 0 \pmod{4}
$$
である。
したがって、
$$ q=4m
$$
と書けるので、
$$ n=6q=24m
$$
である。
$100$ 以下の自然数だから、
$$ 24m\le 100
$$
より、
$$ m=1,2,3,4
$$
である。
よって求める $n$ は
$$ 24,\ 48,\ 72,\ 96
$$
である。
解説
この問題の中心は、$D_n$ を直接計算するのではなく、ユークリッドの互除法によって $D_n$ の候補を $6$ の約数に絞ることである。
$$ a_n-nb_n=4n+30
$$
からさらに $b_n$ と組み合わせて定数 $-6$ を作ることで、$D_n$ が $6$ の約数であることが分かる。ここまで来れば、$2$ で割れる条件と $3$ で割れる条件を調べるだけで
$$ D_n=\gcd(n,6)
$$
が得られる。
その後は、$D_n$ が
$$ 1,2,3,2,1,6
$$
を周期的に繰り返すことを利用する。周期和が $15$ であるため、$S_n$ の $60$ による割り切れは、$4$ 周期ごと、すなわち $24$ ごとに起こる。
答え
**(1)**
$$ D_1=1,\qquad D_2=2,\qquad D_3=3,\qquad D_6=6
$$
**(2)**
$$ S_{12}=30,\qquad S_{20}=48
$$
**(3)**
$$ n=24,\ 48,\ 72,\ 96
$$