基礎問題集
数学A 整数問題「無限降下法」の問題3 解説
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解説
方針・初手
右辺が $4z^n$ で $4$ の倍数であることに注目し、まず $x,y,z$ の偶奇を調べる。
合同式により $x,y,z$ がすべて偶数であることを示せれば、両辺を適切に割ることで、元の方程式と同じ形の方程式が得られる。これを繰り返すと、非零解が存在するなら $x,y,z$ は何度でも $2$ で割り切れることになり、不可能である。したがって無限降下法で示す。
解法1
整数 $x,y,z$ が
$$ x^n+2y^n=4z^n
$$
を満たすとする。ただし $n$ は $3$ 以上の整数である。
まず両辺を $2$ で割った余りで見る。右辺 $4z^n$ は偶数であり、$2y^n$ も偶数であるから、
$$ x^n \equiv 0 \pmod{2}
$$
である。よって $x$ は偶数である。
次に、$x$ が偶数であり $n\geqq 3$ であるから、$x^n$ は $8$ の倍数、特に $4$ の倍数である。したがって元の式を $4$ で割った余りで見ると、
$$ 2y^n \equiv 0 \pmod{4}
$$
となる。これは $y^n$ が偶数であることを意味するから、$y$ は偶数である。
よって $x=2X,\ y=2Y$ とおける。このとき元の式に代入すると、
$$ (2X)^n+2(2Y)^n=4z^n
$$
であるから、
$$ 2^nX^n+2^{n+1}Y^n=4z^n
$$
となる。左辺は $2^n$ でくくれて、
$$ 2^n(X^n+2Y^n)=4z^n
$$
である。$n\geqq 3$ より $2^n$ は $8$ の倍数であるから、左辺は $8$ の倍数である。したがって右辺 $4z^n$ も $8$ の倍数であり、
$$ z^n \equiv 0 \pmod{2}
$$
となる。よって $z$ も偶数である。
したがって $z=2Z$ とおける。$x=2X,\ y=2Y,\ z=2Z$ を元の式に代入すると、
$$ (2X)^n+2(2Y)^n=4(2Z)^n
$$
である。すなわち
$$ 2^nX^n+2^{n+1}Y^n=2^{n+2}Z^n
$$
となる。両辺を $2^n$ で割ると、
$$ X^n+2Y^n=4Z^n
$$
を得る。
これは、$(x,y,z)$ が解ならば、$\left(\dfrac{x}{2},\dfrac{y}{2},\dfrac{z}{2}\right)$ もまた整数解であることを意味する。
もし $(x,y,z)\ne(0,0,0)$ である整数解が存在するとする。このとき上の議論を繰り返すことで、任意の正の整数 $k$ に対して $x,y,z$ はすべて $2^k$ で割り切れることになる。
しかし、$0$ でない整数は、任意に大きい $2^k$ で割り切れることはない。したがって、非零の整数解は存在しない。
よって、整数解は
$$ x=y=z=0
$$
に限られる。
解説
この問題の核心は、合同式によって「解が存在すれば全変数が偶数になる」ことを示す点にある。
特に、$x$ の偶数性は法 $2$ で直ちに分かる。次に $x^n$ が $4$ の倍数であることを使って $y$ の偶数性を導く。さらに $n\geqq 3$ により $2^n$ が十分大きな $2$ の冪を含むため、$z$ の偶数性も導ける。
その後、$x,y,z$ をすべて $2$ で割っても同じ形の方程式が残る。ここで無限降下法を用いることで、非零解は存在しないと結論できる。
答え
$3$ 以上の整数 $n$ に対して、
$$ x^n+2y^n=4z^n
$$
を満たす整数 $x,y,z$ は
$$ x=y=z=0
$$
以外に存在しない。