基礎問題集
数学A 整数問題「整数問題」の問題27 解説
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解説
方針・初手
条件
$$ x^2+y^2+z^2=xyz,\qquad x\leqq y\leqq z
$$
は、$z$ について見ると二次方程式になる。また、(2) では $(a,b,c)$ が解なら、$b,c$ を固定した二次方程式のもう一つの解を利用するのが自然である。
解法1
**(1)**
$y\leqq 3$ であり、$x\leqq y$ だから、$y=1,2,3$ の場合に分ければよい。
**(i) $y=1$ のとき**
$x\leqq y=1$ かつ $x$ は正の整数なので、$x=1$ である。したがって
$$ 1^2+1^2+z^2=z
$$
より
$$ z^2-z+2=0
$$
となる。この判別式は
$$ 1-8=-7<0
$$
であるから、正の整数解は存在しない。
**(ii) $y=2$ のとき**
$x=1,2$ である。
$x=1$ のとき、
$$ 1^2+2^2+z^2=2z
$$
より
$$ z^2-2z+5=0
$$
であり、判別式は
$$ 4-20=-16<0
$$
であるから解はない。
$x=2$ のとき、
$$ 2^2+2^2+z^2=4z
$$
より
$$ z^2-4z+8=0
$$
であり、判別式は
$$ 16-32=-16<0
$$
であるから解はない。
**(iii) $y=3$ のとき**
$x=1,2,3$ である。
$x=1$ のとき、
$$ 1^2+3^2+z^2=3z
$$
より
$$ z^2-3z+10=0
$$
であり、判別式は
$$ 9-40=-31<0
$$
であるから解はない。
$x=2$ のとき、
$$ 2^2+3^2+z^2=6z
$$
より
$$ z^2-6z+13=0
$$
であり、判別式は
$$ 36-52=-16<0
$$
であるから解はない。
$x=3$ のとき、
$$ 3^2+3^2+z^2=9z
$$
より
$$ z^2-9z+18=0
$$
となる。これを解くと
$$ (z-3)(z-6)=0
$$
であるから、
$$ z=3,6
$$
を得る。いずれも $3\leqq z$ を満たす。
よって、$y\leqq 3$ となる組は
$$ (3,3,3),\ (3,3,6)
$$
である。
**(2)**
$(a,b,c)$ が条件(A)を満たすとする。すなわち
$$ a^2+b^2+c^2=abc,\qquad a\leqq b\leqq c
$$
である。
$b,c$ を固定し、$t$ についての二次方程式
$$ t^2-bct+b^2+c^2=0
$$
を考える。$t=a$ はこの方程式の解である。したがって、もう一つの解を $x$ とおくと、解と係数の関係より
$$ a+x=bc
$$
であるから、
$$ x=bc-a
$$
である。よって $x$ は整数である。
また、二次方程式のもう一つの解であるから、
$$ x^2-bcx+b^2+c^2=0
$$
すなわち
$$ x^2+b^2+c^2=bcx
$$
が成り立つ。したがって、組 $(b,c,x)$ は方程式を満たす。
あとは $b\leqq c\leqq x$ を示せばよい。まず $b=1$ とすると、$a\leqq b=1$ より $a=1$ である。このとき
$$ 1^2+1^2+c^2=c
$$
となるが、これは
$$ c^2-c+2=0
$$
であり、正の整数解をもたない。よって $b\geqq 2$ である。
$a\leqq b$ より
$$ x=bc-a\geqq bc-b=b(c-1)
$$
である。ここで $b\geqq 2$ かつ $c\geqq b$ だから、
$$ b(c-1)\geqq c
$$
が成り立つ。実際、
$$ b(c-1)-c=(b-1)c-b\geqq c-b\geqq 0
$$
である。
したがって
$$ x\geqq c
$$
であり、もともと $b\leqq c$ だから、組 $(b,c,x)$ は条件(A)を満たす。
**(3)**
(1)より、
$$ (3,3,3)
$$
は条件(A)を満たす。
(2)を用いると、条件(A)を満たす組 $(a,b,c)$ から、再び条件(A)を満たす組
$$ (b,c,bc-a)
$$
を作ることができる。
さらに、この操作で得られる第3成分はもとの第3成分より大きいことを示す。
(2)と同様に $b\geqq 2$ であり、
$$ bc-a\geqq bc-b=b(c-1)
$$
である。もし $bc-a=c$ ならば、
$$ a=c(b-1)
$$
である。ところが $a\leqq c$ なので
$$ c(b-1)\leqq c
$$
より $b\leqq 2$ である。$b\geqq 2$ と合わせて $b=2$ である。
このとき $a=c$ となるが、$a\leqq b\leqq c$ より
$$ a=b=c=2
$$
でなければならない。しかし
$$ 2^2+2^2+2^2=12,\qquad 2\cdot2\cdot2=8
$$
であり、条件(A)を満たさない。したがって
$$ bc-a>c
$$
である。
よって、$(3,3,3)$ から始めて
$$ (a,b,c)\mapsto (b,c,bc-a)
$$
を繰り返すと、条件(A)を満たす組が次々に得られ、しかも第3成分は毎回真に大きくなる。例えば
$$ (3,3,3)\mapsto (3,3,6)\mapsto (3,6,15)\mapsto (6,15,87)\mapsto \cdots
$$
である。
第3成分が真に増加するので、これらの組はすべて相異なる。したがって、条件(A)を満たす組 $(a,b,c)$ は無数に存在する。
解説
この問題の中心は、方程式を一つの文字について二次方程式と見ることである。
特に (2) では、$(a,b,c)$ が解であることを利用して、$b,c$ を固定した二次方程式
$$ t^2-bct+b^2+c^2=0
$$
のもう一つの解を考える。この操作は、整数解を別の整数解へ移す典型的な方法である。
(3) では、単に新しい解を作れるだけでなく、得られる第3成分が真に大きくなることを確認する必要がある。これにより、同じ解を繰り返しているだけではなく、無限個の異なる解が得られることが保証される。
答え
**(1)**
$$ (3,3,3),\ (3,3,6)
$$
**(2)**
$(a,b,c)$ が条件(A)を満たすとき、
$$ x=bc-a
$$
とおけば、組 $(b,c,x)$ は条件(A)を満たす。
**(3)**
$(3,3,3)$ から始めて
$$ (a,b,c)\mapsto (b,c,bc-a)
$$
を繰り返すことで、条件(A)を満たす相異なる組が無限個得られる。したがって、条件(A)を満たす組 $(a,b,c)$ は無数に存在する。