基礎問題集
数学A 整数問題「整数問題」の問題57 解説
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解説
方針・初手
平方数を $3$ で割った余りは $0,1$ に限られる。この性質を使うと、ピタゴラス型の式 $a^2+b^2=c^2$ に対して、$3$ の倍数になる文字が必ず存在することを示せる。
最後の問題では、
$$ a^2+b^2=225=15^2
$$
であるから、平方数の候補を絞る。特に $3$ で割った余りを使うと、$a,b$ がともに $3$ の倍数であることが分かる。
解法1
まず、任意の整数 $a$ を $3$ で割った余りで分類する。
$a$ を $3$ で割った余りは $0,1,2$ のいずれかである。
**(i)**
$a\equiv 0\pmod 3$ のとき
$$ a^2\equiv 0^2\equiv 0\pmod 3
$$
である。
**(ii)**
$a\equiv 1\pmod 3$ のとき
$$ a^2\equiv 1^2\equiv 1\pmod 3
$$
である。
**(iii)**
$a\equiv 2\pmod 3$ のとき
$$ a^2\equiv 2^2=4\equiv 1\pmod 3
$$
である。
したがって、$a^2$ を $3$ で割った余りは $0$ または $1$ である。
次に、
$$ a^2+b^2=c^2
$$
を満たすとする。
もし $a,b,c$ がすべて $3$ の倍数でないと仮定すると、(1)より
$$ a^2\equiv b^2\equiv c^2\equiv 1\pmod 3
$$
となる。
このとき左辺は
$$ a^2+b^2\equiv 1+1\equiv 2\pmod 3
$$
であり、右辺は
$$ c^2\equiv 1\pmod 3
$$
である。
これは
$$ a^2+b^2=c^2
$$
に矛盾する。
よって、$a,b,c$ の少なくとも1つは $3$ の倍数である。したがって、積 $abc$ は $3$ の倍数である。
最後に、
$$ a^2+b^2=225
$$
を解く。
ここで
$$ 225\equiv 0\pmod 3
$$
である。また、(1)より $a^2,b^2$ を $3$ で割った余りはそれぞれ $0$ または $1$ である。
$$ a^2+b^2\equiv 0\pmod 3
$$
となるためには、
$$ a^2\equiv 0\pmod 3,\qquad b^2\equiv 0\pmod 3
$$
でなければならない。よって $a,b$ はともに $3$ の倍数である。
そこで
$$ a=3x,\qquad b=3y
$$
とおく。ただし $x,y$ は正の整数である。
これを代入すると、
$$ 9x^2+9y^2=225
$$
より、
$$ x^2+y^2=25
$$
を得る。
$x,y$ は正の整数なので、$x^2,y^2$ は $25$ 未満の平方数である。候補は
$$ 1,\ 4,\ 9,\ 16
$$
である。
このうち和が $25$ になる組は
$$ 9+16=25
$$
だけである。
したがって、
$$ {x,y}={3,4}
$$
である。
よって
$$ {a,b}={9,12}
$$
となる。
したがって、求める正の整数の組は
$$ (a,b)=(9,12),\ (12,9)
$$
である。
解説
平方数の余りを考える問題では、まず法を固定して、整数を余りごとに分類するのが基本である。
(2)では、$a,b,c$ がすべて $3$ の倍数でないと仮定すると、すべての平方が $1$ に合同になる。その結果、左辺 $a^2+b^2$ は $2$ に合同、右辺 $c^2$ は $1$ に合同となり、等式に反する。この矛盾の作り方が要点である。
(3)では、単に平方数を列挙しても解けるが、$3$ で割った余りを使うと $a,b$ がともに $3$ の倍数だと分かり、計算量を大きく減らせる。
答え
**(1)**
$a^2$ を $3$ で割った余りは $0$ または $1$ である。
**(2)**
$a^2+b^2=c^2$ ならば、$a,b,c$ の少なくとも1つは $3$ の倍数である。したがって、$abc$ は $3$ の倍数である。
**(3)**
$$ (a,b)=(9,12),\ (12,9)
$$