基礎問題集
数学A 整数問題「整数問題」の問題72 解説
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解説
方針・初手
$f(x)$ を一次式 $g(x)$ で割った余りを $r$ とおく。条件より、正の整数 $n$ に対して商の値は整数である。一方、余りが $0$ でない場合でも、その影響は $\dfrac{r}{dn+e}$ の形で $n$ が大きくなると $0$ に近づく。したがって、整数列の差や極限を用いて、余りが $0$ でなければならないことを示す。
解法1
$g(x)=dx+e$ は一次式であり、$d>0$ だから、$f(x)$ を $g(x)$ で割ると、ある実数 $p,q,r$ を用いて
$$ f(x)=(px+q)g(x)+r
$$
と表せる。
ここで、正の整数 $n$ に対して
$$ M_n=\frac{f(n)}{g(n)}
$$
とおく。仮定より、すべての正の整数 $n$ について $M_n$ は整数である。
上の割り算の式に $x=n$ を代入すると、
$$ M_n=pn+q+\frac{r}{dn+e}
$$
である。
まず、隣り合う差を考える。
$$ \begin{aligned} M_{n+1}-M_n &=p+r\left(\frac{1}{d(n+1)+e}-\frac{1}{dn+e}\right)\\ &=p-\frac{rd}{(dn+d+e)(dn+e)} \end{aligned}
$$
ここで $M_{n+1}-M_n$ は整数である。また、
$$ -\frac{rd}{(dn+d+e)(dn+e)} \to 0 \quad (n\to\infty)
$$
であるから、
$$ M_{n+1}-M_n \to p
$$
となる。
整数列 $M_{n+1}-M_n$ が実数 $p$ に収束するので、十分大きい $n$ では一定の整数になる。したがって、ある整数 $k$ が存在して、十分大きい $n$ に対して
$$ M_{n+1}-M_n=k
$$
となる。このとき極限をとれば $p=k$ である。よって $p$ は整数である。
次に、
$$ M_n-pn=q+\frac{r}{dn+e}
$$
を考える。$M_n$ も $pn$ も整数であるから、$M_n-pn$ は整数である。また、
$$ q+\frac{r}{dn+e}\to q \quad (n\to\infty)
$$
である。
したがって、整数列 $M_n-pn$ は実数 $q$ に収束するので、十分大きい $n$ では一定の整数になる。すなわち、ある整数 $\ell$ が存在して、十分大きい $n$ に対して
$$ M_n-pn=\ell
$$
となる。
よって、十分大きい $n$ に対して
$$ q+\frac{r}{dn+e}=\ell
$$
が成り立つ。両辺から $q$ を引いて
$$ \frac{r}{dn+e}=\ell-q
$$
である。
左辺は $n$ によって変化するが、右辺は定数である。したがって、この等式が無限に多くの $n$ で成り立つためには
$$ r=0
$$
でなければならない。
よって
$$ f(x)=(px+q)g(x)
$$
となるから、$f(x)$ は $g(x)$ で割り切れる。
解説
この問題の核心は、「すべての正の整数 $n$ で整数になる」という条件を、整数列の性質として扱う点である。
$f(x)$ を $g(x)$ で割ると、余りは定数 $r$ になる。もし $r\ne 0$ なら、
$$ \frac{f(n)}{g(n)}
$$
には $\dfrac{r}{dn+e}$ という小さくなっていく誤差が残る。しかし、値は常に整数でなければならないため、このような連続的に小さくなる誤差は許されない。
特に重要なのは、整数列がある実数に収束するなら、十分先では一定になるという事実である。これにより、商の一次部分の係数を整数として確定させ、最後に余りが $0$ であることを導く。
答え
$f(x)$ を $g(x)$ で割った余りを $r$ とすると、条件から $r=0$ が従う。
したがって、
$$ f(x)=(px+q)g(x)
$$
となる実数 $p,q$ が存在するので、$f(x)$ は $g(x)$ で割り切れる。