基礎問題集
数学A 整数問題「整数問題」の問題94 解説
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解説
方針・初手
$f(x)$ は
$$ f(x)=a_0+a_1x+\frac{a_2}{2}x(x-1)
$$
という形で書かれている。ここで重要なのは、整数 $n$ に対して $n(n-1)$ は連続する2整数の積なので必ず偶数であること、また連続する3つの値から差分を取ると $a_2,a_1,a_0$ を順に取り出せることである。
解法1
(1) を示す。
$a_0,a_1,a_2$ が整数であるとする。任意の整数 $n$ に対して、$n$ と $n-1$ は連続する2整数であるから、その一方は偶数である。したがって
$$ \frac{n(n-1)}{2}
$$
は整数である。
よって
$$ f(n)=a_0+a_1n+a_2\frac{n(n-1)}{2}
$$
において、$a_0,a_1,a_2,n,\dfrac{n(n-1)}{2}$ はすべて整数である。したがって $f(n)$ は整数である。
以上より、任意の整数 $n$ に対して $f(n)$ は整数である。
(2) を示す。
ある整数 $n$ に対して、$f(n),f(n+1),f(n+2)$ がすべて整数であるとする。
まず差分を計算する。任意の $x$ に対して
$$ \begin{aligned} f(x+1)-f(x) &=\left\{a_0+a_1(x+1)+\frac{a_2}{2}(x+1)x\right\} \\ &\quad-\left\{a_0+a_1x+\frac{a_2}{2}x(x-1)\right\} \\ &=a_1+\frac{a_2}{2}{x(x+1)-x(x-1)} \\ &=a_1+a_2x \end{aligned}
$$
である。
したがって
$$ f(n+1)-f(n)=a_1+a_2n
$$
また
$$ f(n+2)-f(n+1)=a_1+a_2(n+1)
$$
である。
この2式の差をとると
$$ \begin{aligned} {f(n+2)-f(n+1)}-{f(n+1)-f(n)} &=a_2 \end{aligned}
$$
すなわち
$$ a_2=f(n+2)-2f(n+1)+f(n)
$$
である。
仮定より $f(n),f(n+1),f(n+2)$ は整数なので、右辺は整数である。よって
$$ a_2\in\mathbb{Z}
$$
である。
次に
$$ a_1+a_2n=f(n+1)-f(n)
$$
であり、右辺は整数である。また $a_2$ と $n$ は整数だから $a_2n$ も整数である。したがって
$$ a_1={f(n+1)-f(n)}-a_2n
$$
は整数である。
最後に、$f(n)$ の式から
$$ a_0=f(n)-a_1n-a_2\frac{n(n-1)}{2}
$$
である。
すでに $a_1,a_2,n$ は整数であり、さらに $\dfrac{n(n-1)}{2}$ も整数である。仮定より $f(n)$ も整数なので、右辺は整数である。よって
$$ a_0\in\mathbb{Z}
$$
である。
以上より、
$$ a_0,a_1,a_2
$$
はいずれも整数である。
解説
この問題の本質は、通常の多項式
$$ a_0+a_1x+a_2x^2
$$
ではなく、
$$ a_0+a_1x+\frac{a_2}{2}x(x-1)
$$
という形で与えられている点にある。
整数 $n$ に対して $\dfrac{n(n-1)}{2}$ が整数になるため、$a_0,a_1,a_2$ が整数なら $f(n)$ も整数になる。
逆向きでは、連続する3点の値から差分を取ることで、まず2階差分として $a_2$ が取り出せる。次に1階差分から $a_1$ が取り出せ、最後に $f(n)$ の式から $a_0$ が取り出せる。この順番で示すと、条件漏れなく証明できる。
答え
**(1)**
$a_0,a_1,a_2$ が整数ならば、任意の整数 $n$ に対して $f(n)$ は整数である。
**(2)**
ある整数 $n$ に対して $f(n),f(n+1),f(n+2)$ が整数ならば、$a_0,a_1,a_2$ はすべて整数である。