基礎問題集
数学A 整数問題「整数問題」の問題95 解説
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解説
方針・初手
$9$ で割った余りを考える問題なので、$n$ を $9$ で割った余りによって分類する。すなわち、$n \equiv r \pmod{9}$ とおき、$r=0,1,\ldots,8$ のそれぞれについて $r^3$ の余りを調べればよい。
解法1
$n$ を正の整数とする。$n$ を $9$ で割った余りを $r$ とすると、
$$ n \equiv r \pmod{9}
$$
ただし、
$$ r=0,1,2,3,4,5,6,7,8
$$
である。
このとき、合同式の性質より、
$$ n^3 \equiv r^3 \pmod{9}
$$
が成り立つ。したがって、$r^3$ を $9$ で割った余りを調べればよい。
各場合を計算すると、
$$ \begin{aligned} 0^3 &\equiv 0 \pmod{9},\\ 1^3 &\equiv 1 \pmod{9},\\ 2^3=8 &\equiv 8 \pmod{9},\\ 3^3=27 &\equiv 0 \pmod{9},\\ 4^3=64 &\equiv 1 \pmod{9},\\ 5^3=125 &\equiv 8 \pmod{9},\\ 6^3=216 &\equiv 0 \pmod{9},\\ 7^3=343 &\equiv 1 \pmod{9},\\ 8^3=512 &\equiv 8 \pmod{9}. \end{aligned}
$$
よって、$r^3$ を $9$ で割った余りは、いずれの場合も $0,1,8$ のどれかである。
したがって、$n^3$ を $9$ で割った余りも $0,1,8$ のいずれかである。
解法2
$n$ を $3$ で割った余りによって分類する。
**(i)**
$n \equiv 0 \pmod{3}$ のとき
$n=3k$ とおける。このとき、
$$ n^3=(3k)^3=27k^3=9\cdot 3k^3
$$
であるから、$n^3$ は $9$ で割り切れる。よって余りは $0$ である。
**(ii)**
$n \equiv 1 \pmod{3}$ のとき
$n=3k+1$ とおける。このとき、
$$ \begin{aligned} n^3 &=(3k+1)^3\\ &=27k^3+27k^2+9k+1\\ &=9(3k^3+3k^2+k)+1 \end{aligned}
$$
である。よって、$n^3$ を $9$ で割った余りは $1$ である。
**(iii)**
$n \equiv 2 \pmod{3}$ のとき
$n=3k+2$ とおける。このとき、
$$ \begin{aligned} n^3 &=(3k+2)^3\\ &=27k^3+54k^2+36k+8\\ &=9(3k^3+6k^2+4k)+8 \end{aligned}
$$
である。よって、$n^3$ を $9$ で割った余りは $8$ である。
以上より、$n^3$ を $9$ で割った余りは、$0,1,8$ のいずれかである。
解説
この問題は、合同式による余りの分類が基本である。$9$ で割った余りを直接調べる解法1は最も確実で、計算ミスさえなければそのまま証明になる。
一方、解法2では $3$ で割った余りだけに注目している。これは、$n=3k,3k+1,3k+2$ と表すと、立方したときに $9$ の倍数部分と余りがきれいに分かれるためである。
特に、$n \equiv 2 \pmod{3}$ の場合の余りは $2$ ではなく $8$ になる点に注意する。
答え
$n$ を正の整数とすると、$n^3$ を $9$ で割った余りは必ず
$$ 0,\ 1,\ 8
$$
のいずれかである。