基礎問題集
数学A 整数問題「整数問題」の問題109 解説
数学Aの整数問題「整数問題」にある問題109の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
格子点を数える問題なので、各点を座標 $(x,y)$ で表し、整数条件を式に落とす。
(1) では線分 $OA$ 上の点を直接数える。
(2) では各整数 $x$ に対して取り得る整数 $y$ の個数を足し上げる。
(3) では $\triangle OCD$ 内の格子点が
$$ x \geqq 0,\quad y \geqq 0,\quad x+y \leqq n
$$
を満たす整数点であることを使い、和を計算する。
解法1
(1)
線分 $OA$ は $O(0,0)$ と $A(18,12)$ を結ぶので、その傾きは
$$ \frac{12}{18}=\frac{2}{3}
$$
である。したがって、線分 $OA$ 上の点は
$$ y=\frac{2}{3}x
$$
を満たす。
格子点であるためには $x,y$ がともに整数でなければならない。$x$ が整数のとき、$y=\frac{2}{3}x$ が整数となるには、$x$ が $3$ の倍数であればよい。
線分上では $0\leqq x\leqq 18$ だから、
$$ x=0,3,6,9,12,15,18
$$
である。これに対応して $y$ も整数になる。
よって、線分 $OA$ 上の格子点の個数は
$$ 7
$$
である。
(2)
$\triangle OAB$ は
$$ O(0,0),\quad A(18,12),\quad B(18,0)
$$
を頂点とする三角形である。
線分 $OA$ は
$$ y=\frac{2}{3}x
$$
であり、三角形の周または内部にある格子点は、整数 $x$ に対して
$$ 0\leqq x\leqq 18,\quad 0\leqq y\leqq \frac{2}{3}x
$$
を満たす整数点である。
したがって、各整数 $x$ に対して取り得る $y$ の個数は
$$ \left\lfloor \frac{2x}{3}\right\rfloor+1
$$
である。よって求める個数は
$$ \sum_{x=0}^{18}\left(\left\lfloor \frac{2x}{3}\right\rfloor+1\right)
$$
である。
ここで $x=3q,3q+1,3q+2$ に分けると、
$$ \left\lfloor \frac{2(3q)}{3}\right\rfloor=2q,\quad \left\lfloor \frac{2(3q+1)}{3}\right\rfloor=2q,\quad \left\lfloor \frac{2(3q+2)}{3}\right\rfloor=2q+1
$$
である。
$x=0$ から $17$ までは $q=0,1,\dots,5$ の $3$ 個ずつに分けられ、最後に $x=18$ が残る。
したがって、
$$ \begin{aligned} \sum_{x=0}^{18}\left\lfloor \frac{2x}{3}\right\rfloor &=\sum_{q=0}^{5}{2q+2q+(2q+1)}+12\\ &=\sum_{q=0}^{5}(6q+1)+12\\ &=6\cdot \frac{5\cdot 6}{2}+6+12\\ &=108 \end{aligned}
$$
である。よって格子点の総数は
$$ 108+19=127
$$
である。
(3)
$\triangle OCD$ の周または内部にある格子点を $P=(x,y)$ とする。このとき
$$ x,y\in \mathbb{Z},\quad x\geqq 0,\quad y\geqq 0,\quad x+y\leqq n
$$
である。
$m_1$ の計算
$x$ を固定すると、$y$ は
$$ 0,1,2,\dots,n-x
$$
を取り得る。したがって、同じ $x$ に対して格子点は $n-x+1$ 個ある。
よって、$P_x$ の総和 $m_1$ は
$$ m_1=\sum_{x=0}^{n}x(n-x+1)
$$
である。これを計算すると、
$$ \begin{aligned} m_1 &=\sum_{x=0}^{n}{x(n+1)-x^2}\\ &=(n+1)\sum_{x=0}^{n}x-\sum_{x=0}^{n}x^2\\ &=(n+1)\cdot \frac{n(n+1)}{2}-\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}\\ &=\frac{n(n+1)(n+2)}{6} \end{aligned}
$$
である。降べきの順に整理すると、
$$ m_1=\frac{1}{6}n^3+\frac{1}{2}n^2+\frac{1}{3}n
$$
である。
$|P_x-P_y|$ の総和
次に
$$ |P_x-P_y|=|x-y|
$$
の総和を求める。
$x+y=t$ とおく。$t$ は
$$ 0,1,2,\dots,n
$$
を動く。
固定した $t$ に対して、格子点は
$$ (x,y)=(0,t),(1,t-1),\dots,(t,0)
$$
である。このとき
$$ |x-y|=|x-(t-x)|=|2x-t|
$$
となる。
まず $t=2r$ のとき、
$$ \sum_{x=0}^{2r}|2x-2r| =2\sum_{x=0}^{2r}|x-r| =2r(r+1)
$$
である。
次に $t=2r+1$ のとき、
$$ \sum_{x=0}^{2r+1}|2x-(2r+1)| =2{1+3+\cdots+(2r+1)} =2(r+1)^2
$$
である。
$n$ が偶数のとき
$n=2q$ とおく。
このとき、$t$ が偶数の場合は $t=0,2,\dots,2q$、奇数の場合は $t=1,3,\dots,2q-1$ である。よって
$$ \begin{aligned} m_2 &=\sum_{r=0}^{q}2r(r+1)+\sum_{r=0}^{q-1}2(r+1)^2\\ &=2\sum_{r=0}^{q}(r^2+r)+2\sum_{s=1}^{q}s^2\\ &=4\sum_{r=1}^{q}r^2+2\sum_{r=1}^{q}r\\ &=4\cdot \frac{q(q+1)(2q+1)}{6}+2\cdot \frac{q(q+1)}{2}\\ &=\frac{q(q+1)(4q+5)}{3} \end{aligned}
$$
である。
$n=2q$、すなわち $q=\frac{n}{2}$ を代入すると、
$$ m_2=\frac{n(n+2)(2n+5)}{12}
$$
である。降べきの順に整理して、
$$ m_2=\frac{1}{6}n^3+\frac{3}{4}n^2+\frac{5}{6}n
$$
である。
$n$ が奇数のとき
$n=2q+1$ とおく。
このとき、$t$ が偶数の場合は $t=0,2,\dots,2q$、奇数の場合は $t=1,3,\dots,2q+1$ である。よって
$$ \begin{aligned} m_3 &=\sum_{r=0}^{q}2r(r+1)+\sum_{r=0}^{q}2(r+1)^2\\ &=2\sum_{r=0}^{q}(r^2+r)+2\sum_{s=1}^{q+1}s^2\\ &=\frac{q(q+1)(2q+1)}{3}+q(q+1)+\frac{(q+1)(q+2)(2q+3)}{3}\\ &=\frac{(q+1)(q+2)(4q+3)}{3} \end{aligned}
$$
である。
$n=2q+1$、すなわち $q=\frac{n-1}{2}$ を代入すると、
$$ m_3=\frac{(n+1)(n+3)(2n+1)}{12}
$$
である。降べきの順に整理して、
$$ m_3=\frac{1}{6}n^3+\frac{3}{4}n^2+\frac{5}{6}n+\frac{1}{4}
$$
である。
解説
格子点の個数は、座標を整数として扱い、範囲条件を不等式で表すのが基本である。
(1) は線分の傾きから $y=\frac{2}{3}x$ とし、$y$ が整数になる $x$ を数えればよい。
(2) は三角形の内部を $x$ ごとに縦に切って数える。各 $x$ に対して $y$ の範囲が $0\leqq y\leqq \frac{2}{3}x$ となるため、床関数を使って個数を足し上げる。
(3) は $x+y\leqq n$ という条件に直すのが重要である。$m_1$ は $x$ を固定して数えると自然に求まる。一方、$|x-y|$ は $x+y=t$ でまとめると、同じ斜めの列ごとに処理できる。$t$ の偶奇によって和の形が変わるため、最後に $n$ の偶奇で場合分けする必要がある。
答え
**(1)**
$$ 7
$$
**(2)**
$$ 127
$$
**(3)**
$$ m_1=\frac{1}{6}n^3+\frac{1}{2}n^2+\frac{1}{3}n
$$
$n$ が偶数のとき、
$$ m_2=\frac{1}{6}n^3+\frac{3}{4}n^2+\frac{5}{6}n
$$
$n$ が奇数のとき、
$$ m_3=\frac{1}{6}n^3+\frac{3}{4}n^2+\frac{5}{6}n+\frac{1}{4}
$$