基礎問題集
数学A 図形の性質「オイラーの多面体定理」の問題1 解説
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解説
方針・初手
凸多面体ではオイラーの多面体定理
$$ v-e+f=2
$$
が使える。また、各面が正方形または正六角形であることから、辺や頂点を「面の側から数える」方針が有効である。
特に $K'$ については、正方形の面の数を $s$、正六角形の面の数を $h$ とおくと、辺数や頂点数を $s,h$ で表せる。さらに、頂点まわりの角度和が $360^\circ$ 未満であることを使う。
解法1
まず $K$ について考える。
$K$ は凸多面体であり、頂点の数が $v=24$、辺の数が $e=36$ である。オイラーの多面体定理より、
$$ v-e+f=2
$$
であるから、
$$ 24-36+f=2
$$
となる。よって、
$$ f=14
$$
である。
したがって、$K$ の面の数は $14$ である。
次に $K'$ について考える。
$K'$ の任意の頂点に集まる面の数を考える。凸多面体の各頂点には少なくとも $3$ 個の面が集まる。
一方、正方形の内角は $90^\circ$、正六角形の内角は $120^\circ$ である。もしある頂点に $4$ 個以上の面が集まるなら、その頂点における面角の和は少なくとも
$$ 4\cdot 90^\circ=360^\circ
$$
となる。
しかし、凸多面体の頂点では、そこに集まる面角の和は $360^\circ$ より小さい。したがって、$4$ 個以上の面が集まることはない。
よって、各頂点に集まる面の数はちょうど $3$ である。
次に、$K'$ の正方形の面の数を求める。$K'$ の正方形の面の数を $s$、正六角形の面の数を $h$ とする。
面の辺の数を全体で数えると、正方形は $4$ 本、正六角形は $6$ 本の辺をもつ。ただし各辺は $2$ つの面に共有されるので、
$$ 2e'=4s+6h
$$
である。したがって、
$$ e'=2s+3h
$$
である。
また、各頂点にはちょうど $3$ 個の面が集まるので、頂点と面の接し方を数えると、
$$ 3v'=4s+6h
$$
である。よって、
$$ v'=\frac{4s+6h}{3}
$$
である。
これらをオイラーの多面体定理
$$ v'-e'+f'=2
$$
に代入する。ただし $f'=s+h$ であるから、
$$ \frac{4s+6h}{3}-(2s+3h)+(s+h)=2
$$
となる。
左辺を整理すると、
$$ \frac{4s+6h-6s-9h+3s+3h}{3}=2
$$
すなわち、
$$ \frac{s}{3}=2
$$
である。したがって、
$$ s=6
$$
となる。
よって、$K'$ について、正方形である面の数は $6$ である。
最後に、$f\geqq f'$ を示す。
すでに $K$ について
$$ f=14
$$
である。また、$K'$ について正方形の面の数は $6$ だから、
$$ f'=6+h
$$
である。
ここで、$K'$ の各頂点には $3$ 個の面が集まるが、正六角形 $3$ 個が同じ頂点に集まることはできない。なぜなら、正六角形の内角は $120^\circ$ なので、$3$ 個集まると角度和が
$$ 3\cdot 120^\circ=360^\circ
$$
となり、凸多面体の頂点における角度和が $360^\circ$ 未満であることに反するからである。
したがって、$K'$ の各頂点には少なくとも $1$ つの正方形の面が集まる。
一方、正方形の面は $6$ 個であり、各正方形には $4$ 個の頂点があるので、正方形の面に現れる頂点の延べ数は
$$ 6\cdot 4=24
$$
である。
各頂点が少なくとも $1$ 回はこの延べ数に数えられるため、
$$ v'\leqq 24
$$
である。
また、
$$ 3v'=4s+6h
$$
に $s=6$ を代入すると、
$$ 3v'=24+6h
$$
であり、
$$ v'=8+2h
$$
となる。
したがって、
$$ 8+2h\leqq 24
$$
より、
$$ h\leqq 8
$$
である。
ゆえに、
$$ f'=6+h\leqq 6+8=14
$$
となる。$K$ について $f=14$ であったから、
$$ f\geqq f'
$$
が示された。
解説
この問題の中心は、面の種類が正方形と正六角形に限られていることを、辺数・頂点数の数え上げに変換する点である。
特に重要なのは、凸多面体の頂点では面角の和が $360^\circ$ 未満になることである。これにより、各頂点に集まる面の数が $3$ であること、さらに正六角形だけが $3$ 個集まることはないことが分かる。
正方形の個数が $6$ と決まるところは、オイラーの多面体定理と二重カウントを組み合わせる典型的な処理である。また、最後の $f'\leqq 14$ は、各頂点に少なくとも $1$ つの正方形が集まることから $v'\leqq 24$ を導くのが要点である。
答え
**(1)**
$$ f=14
$$
**(2)**
$K'$ の各頂点に集まる面の数は $3$ である。
**(3)**
$K'$ について、正方形である面の数は $6$ である。
**(4)**
$K'$ の正六角形の面の数を $h$ とすると、$h\leqq 8$ であり、
$$ f'=6+h\leqq 14=f
$$
となる。したがって、
$$ f\geqq f'
$$
である。