基礎問題集
数学B 確率分布・統計的推測「検定」の問題2 解説
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解説
注意
画像内では「次の結果を得た」とあるが、10匹の測定値が確認できない。以下は、10匹の測定値を $x_1,x_2,\ldots,x_{10}$ として、検定の手順を示す解答解説である。数値的な結論を出すには、標本平均 $\overline{x}$ の値が必要である。
方針・初手
母集団は平均 $65$ g、標準偏差 $4.8$ g の正規分布に従うとされている。特別な飼料によって「異常な変化」があったかを調べるので、平均が $65$ g から変化したかどうかを両側検定で判定する。
母標準偏差 $4.8$ g が既知として与えられているため、標本平均を用いた正規検定を行う。
解法1
帰無仮説と対立仮説を
$$ H_0:\mu=65,\qquad H_1:\mu\ne 65
$$
とおく。
ここで $\mu$ は、特別な飼料で飼養した場合の3か月後の平均体重である。
標本数は $n=10$ であり、母標準偏差は $\sigma=4.8$ である。標本平均を
$$ \overline{x}=\frac{x_1+x_2+\cdots+x_{10}}{10}
$$
とすると、帰無仮説 $H_0$ のもとで
$$ Z=\frac{\overline{x}-65}{4.8/\sqrt{10}}
$$
は標準正規分布 $N(0,1)$ に従う。
有意水準 $5%$ の両側検定なので、棄却域は
$$ |Z|>1.96
$$
である。
したがって、
$$ \left|\frac{\overline{x}-65}{4.8/\sqrt{10}}\right|>1.96
$$
ならば、帰無仮説 $H_0$ を棄却する。
これを標本平均の条件に直すと、
$$ |\overline{x}-65|>1.96\cdot \frac{4.8}{\sqrt{10}}
$$
である。
右辺を計算すると、
$$ 1.96\cdot \frac{4.8}{\sqrt{10}} \fallingdotseq 2.98
$$
であるから、棄却域は
$$ |\overline{x}-65|>2.98
$$
すなわち
$$ \overline{x}<62.02\quad \text{または}\quad \overline{x}>67.98
$$
である。
よって、10匹の測定値から求めた標本平均 $\overline{x}$ がこの範囲に入れば、特別な飼料によって体重に有意な変化があったと判断する。
一方、
$$ 62.02\leqq \overline{x}\leqq 67.98
$$
であれば、帰無仮説は棄却されず、有意水準 $5%$ では特別な飼料によって体重に異常な変化があったとはいえない。
解説
この問題では「異常な変化」とあるため、体重が増えたか減ったかのどちらか一方だけを見るのではなく、平均が $65$ g からずれたかどうかを見る両側検定を行う。
また、標準偏差 $4.8$ g が既知の母集団標準偏差として与えられているので、$t$ 検定ではなく正規分布による検定を用いる。標本数が $10$ と小さくても、母集団が正規分布であり、母標準偏差が既知であるため、標本平均を標準化して正規検定を行える。
この画像では10匹の具体的な測定値が確認できないため、最終的な棄却・採択の判定はできない。必要なのは、10匹の体重から標本平均 $\overline{x}$ を計算し、それが $62.02$ g 未満または $67.98$ g 超であるかを調べることである。
答え
10匹の標本平均を $\overline{x}$ g とすると、有意水準 $5%$ の両側検定の棄却域は
$$ \overline{x}<62.02\quad \text{または}\quad \overline{x}>67.98
$$
である。
したがって、標本平均がこの範囲に入れば、この飼料はねずみの体重に異常な変化を与えたと考えられる。
ただし、画像内では10匹の測定値が確認できないため、具体的な結論は判定不能である。