基礎問題集
数学B 確率分布・統計的推測「検定」の問題3 解説
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解説
方針・初手
まず、仮説が正しいとしたときの「完全な商品である確率」を求める。商品は $A$ を $3$ 個、$B$ を $2$ 個、$C$ を $1$ 個まとめたものなので、それぞれが不良品でない確率を掛け合わせればよい。
次に、$960$ 個中の完全な商品の個数を二項分布で考え、正規近似によって両側検定を行う。
解法1
仮説のもとでは、$A,B,C$ の不良品でない確率はそれぞれ
$$ 1-\frac{1}{16}=\frac{15}{16},\qquad 1-\frac{1}{9}=\frac{8}{9},\qquad 1-\frac{1}{25}=\frac{24}{25}
$$
である。
商品 $1$ 個は $A$ を $3$ 個、$B$ を $2$ 個、$C$ を $1$ 個含むので、それが完全な商品である確率を $p$ とすると、
$$ p=\left(\frac{15}{16}\right)^3\left(\frac{8}{9}\right)^2\left(\frac{24}{25}\right)
$$
である。これを計算すると、
$$ \begin{aligned} p &=\frac{15^3}{16^3}\cdot \frac{8^2}{9^2}\cdot \frac{24}{25} \\ &=\frac{3375}{4096}\cdot \frac{64}{81}\cdot \frac{24}{25} \\ &=\frac{5}{8} \end{aligned}
$$
となる。
したがって、(1) の答えは
$$ \frac{5}{8}
$$
である。
次に、(2) を考える。仮説が正しいとすると、$960$ 個の商品を抽出したときの完全な商品の個数 $X$ は
$$ X\sim B\left(960,\frac{5}{8}\right)
$$
に従う。
このとき、平均と分散は
$$ E(X)=960\cdot \frac{5}{8}=600
$$
$$ V(X)=960\cdot \frac{5}{8}\cdot \frac{3}{8}=225
$$
である。したがって、標準偏差は
$$ \sqrt{225}=15
$$
である。
実際には完全な商品が $640$ 個であったので、標準化すると
$$ Z=\frac{640-600}{15}=\frac{40}{15}=\frac{8}{3}
$$
となる。
有意水準 $5%$ の両側検定では、標準正規分布の棄却域は
$$ |Z|\geq 1.96
$$
である。
ここで
$$ \frac{8}{3}=2.666\cdots>1.96
$$
であるから、観測値は棄却域に入る。よって、仮説は有意水準 $5%$ で棄却される。
したがって、(1) の仮説は正しいと判断してよいとはいえない。
解説
この問題では、まず「完全な商品である確率」を正確に作ることが重要である。商品 $1$ 個は $A,B,C$ をそれぞれ複数個含むので、単に $A,B,C$ の良品率を足したり平均したりしてはいけない。
$A$ が $3$ 個、$B$ が $2$ 個、$C$ が $1$ 個すべて良品でなければ完全な商品にならないため、
$$ \left(\frac{15}{16}\right)^3\left(\frac{8}{9}\right)^2\left(\frac{24}{25}\right)
$$
と掛け合わせる。
検定では、仮説のもとでの完全品の割合が $5/8$ であることから、$960$ 個中の完全品数の平均は $600$ 個になる。実際の $640$ 個は平均より $40$ 個多く、標準偏差 $15$ 個で割ると $2.666\cdots$ となる。これは両側 $5%$ 検定の基準である $1.96$ を超えるため、偶然の変動としては大きすぎると判断する。
答え
**(1)**
$$ \frac{5}{8}
$$
**(2)**
仮説のもとで
$$ X\sim B\left(960,\frac{5}{8}\right)
$$
とすると、
$$ E(X)=600,\qquad V(X)=225
$$
である。観測値 $X=640$ を標準化すると
$$ Z=\frac{640-600}{15}=\frac{8}{3}
$$
であり、
$$ \left|\frac{8}{3}\right|>1.96
$$
だから、有意水準 $5%$ の両側検定で仮説は棄却される。
よって、**(1) の仮説は正しいと判断してよいとはいえない**。