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数学B 確率分布・統計的推測「確率分布」の問題8 解説
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解説
方針・初手
$X_i$ は「事象 $A$ が起きたかどうか」だけで値が決まる2値の確率変数である。したがって、まず $X_i$ をベルヌーイ型の確率変数として扱う。
また、$Y=X_1+\cdots+X_n$ は独立な確率変数の和であるから、平均と分散はそれぞれ和として計算できる。$W$ については、$Z=100n-Y$ とおけば $W$ を $Y$ だけの式に直してから平均を求める。
解法1
各 $X_i$ は、事象 $A$ が起きたとき $100$、起きなかったとき $50$ をとる。よって確率分布は次の通りである。
| $X_i$ | $50$ | $100$ | | ----- | ----: | ----: | | 確率 | $1-p$ | $p$ |
したがって、$X_i$ の平均は
$$ E(X_i)=50(1-p)+100p=50(1+p)
$$
である。
また、$X_i=50+50B_i$ とおくと、$B_i$ は成功確率 $p$ のベルヌーイ型確率変数である。したがって
$$ V(X_i)=50^2V(B_i)=2500p(1-p)
$$
である。
次に
$$ Y=X_1+X_2+\cdots+X_n
$$
であり、反復試行より $X_1,\ldots,X_n$ は独立である。したがって
$$ E(Y)=\sum_{i=1}^n E(X_i)=50n(1+p)
$$
である。
また、独立性より分散も和になるので
$$ V(Y)=\sum_{i=1}^n V(X_i)=2500np(1-p)
$$
である。
さらに
$$ Z=100n-(X_1+\cdots+X_n)=100n-Y
$$
であるから、
$$ W=YZ=Y(100n-Y)
$$
である。したがって、$W$ を $Y$ の関数として表すと
$$ W=-Y^2+100nY
$$
である。
ここで
$$ E(W)=E(-Y^2+100nY)=-E(Y^2)+100nE(Y)
$$
である。また
$$ E(Y^2)=V(Y)+{E(Y)}^2
$$
より、
$$ E(Y^2)=2500np(1-p)+{50n(1+p)}^2
$$
である。
よって
$$ \begin{aligned} E(W) &=100n\cdot 50n(1+p)-\left\{2500np(1-p)+2500n^2(1+p)^2\right\} \\ &=2500\left\{2n^2(1+p)-np(1-p)-n^2(1+p)^2\right\} \\ &=2500\left\{n^2-np(1-p)-n^2p^2\right\} \\ &=2500\left\{n^2-np-n(n-1)p^2\right\}. \end{aligned}
$$
ここで
$$ f(p)=n^2-np-n(n-1)p^2
$$
とおく。$0\leqq p\leqq 1$ において考える。
$n=1$ のとき、
$$ f(p)=1-p
$$
であるから、最大となるのは $p=0$ のときである。
$n\geqq 2$ のとき、
$$ f'(p)=-n-2n(n-1)p
$$
であり、$0\leqq p\leqq 1$ では常に
$$ f'(p)<0
$$
である。したがって $f(p)$ は $0\leqq p\leqq 1$ で単調減少するので、最大となるのは $p=0$ のときである。
このとき
$$ E(W)=2500n^2
$$
である。
解説
この問題では、$X_i$ を直接扱うよりも、事象 $A$ が起きたかどうかを表すベルヌーイ型確率変数に変換すると見通しがよい。
$X_i=50+50B_i$ と見れば、平均と分散はすぐに求まる。また、$Y$ は $X_i$ の和であるため、独立性を用いて平均と分散を計算するのが基本である。
$W$ については、$Z=100n-Y$ であることに気づけば、
$$ W=Y(100n-Y)
$$
と表せる。あとは $E(Y)$ と $V(Y)$ から $E(Y^2)$ を求めればよい。
最大化では、$E(W)$ が $p$ の2次式になる。定義域 $0\leqq p\leqq 1$ を必ず確認し、端点も含めて判断することが重要である。
答え
**(1)**
| $X_i$ | $50$ | $100$ | | ----- | ----: | ----: | | 確率 | $1-p$ | $p$ |
**(2)**
$$ E(X_i)=50(1+p)
$$
$$ V(X_i)=2500p(1-p)
$$
**(3)(i)**
$$ E(Y)=50n(1+p)
$$
$$ V(Y)=2500np(1-p)
$$
**(3)(ii)**
$$ W=Y(100n-Y)=-Y^2+100nY
$$
$$ E(W)=2500\left\{n^2-np-n(n-1)p^2\right\}
$$
**(3)(iii)**
$$ p=0
$$
のとき、$W$ の平均は最大となり、その最大値は
$$ 2500n^2
$$
である。