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数学B 数列「数学的帰納法」の問題8 解説

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解説

方針・初手

$S(n)$ と $T(n)$ がともに $n$ によって定まる和であるから、数学的帰納法で示す。初項 $n=1$ を確認したうえで、$n=k$ で成り立つと仮定し、$S(k+1)$ と $T(k+1)$ をそれぞれ $S(k)$、$T(k)$ に結びつけて比較する。

解法1

まず $n=1$ のときを確認する。

$$ S(1)=\sum_{p=1}^{2}\frac{(-1)^{p-1}}{p} =1-\frac{1}{2} =\frac{1}{2}

$$

また、

$$ T(1)=\sum_{q=1}^{1}\frac{1}{1+q} =\frac{1}{2}

$$

したがって、$S(1)=T(1)$ である。

次に、ある正の整数 $k$ について

$$ S(k)=T(k)

$$

が成り立つと仮定する。このとき、$n=k+1$ の場合を示す。

まず $S(k+1)$ を $S(k)$ を用いて表すと、

$$ \begin{aligned} S(k+1) &=\sum_{p=1}^{2k+2}\frac{(-1)^{p-1}}{p} \\ &=\sum_{p=1}^{2k}\frac{(-1)^{p-1}}{p} +\frac{(-1)^{2k}}{2k+1} +\frac{(-1)^{2k+1}}{2k+2} \\ &=S(k)+\frac{1}{2k+1}-\frac{1}{2k+2} \end{aligned}

$$

である。

一方、$T(k+1)$ は

$$ T(k+1)=\sum_{q=1}^{k+1}\frac{1}{k+1+q} =\frac{1}{k+2}+\frac{1}{k+3}+\cdots+\frac{1}{2k+2}

$$

である。また、

$$ T(k)=\sum_{q=1}^{k}\frac{1}{k+q} =\frac{1}{k+1}+\frac{1}{k+2}+\cdots+\frac{1}{2k}

$$

であるから、

$$ \begin{aligned} T(k+1)-T(k) &=\left(\frac{1}{k+2}+\cdots+\frac{1}{2k} +\frac{1}{2k+1}+\frac{1}{2k+2}\right) \\ &\quad-\left(\frac{1}{k+1}+\frac{1}{k+2}+\cdots+\frac{1}{2k}\right) \\ &=-\frac{1}{k+1}+\frac{1}{2k+1}+\frac{1}{2k+2} \end{aligned}

$$

ここで、

$$ \frac{1}{k+1}=\frac{2}{2k+2}

$$

であるから、

$$ -\frac{1}{k+1}+\frac{1}{2k+2} =-\frac{2}{2k+2}+\frac{1}{2k+2} =-\frac{1}{2k+2}

$$

となる。したがって、

$$ T(k+1)-T(k) =\frac{1}{2k+1}-\frac{1}{2k+2}

$$

すなわち、

$$ T(k+1)=T(k)+\frac{1}{2k+1}-\frac{1}{2k+2}

$$

である。

帰納法の仮定より $S(k)=T(k)$ であるから、

$$ \begin{aligned} S(k+1) &=S(k)+\frac{1}{2k+1}-\frac{1}{2k+2} \\ &=T(k)+\frac{1}{2k+1}-\frac{1}{2k+2} \\ &=T(k+1) \end{aligned}

$$

となる。

よって、$n=k$ で $S(k)=T(k)$ が成り立つならば、$n=k+1$ でも $S(k+1)=T(k+1)$ が成り立つ。

以上より、数学的帰納法によって、すべての正の整数 $n$ に対して

$$ S(n)=T(n)

$$

が成り立つ。

解説

この問題では、$S(n)$ と $T(n)$ を直接計算して一般式を出す必要はない。数学的帰納法を使うためには、$n$ を $k$ から $k+1$ に進めたとき、和にどの項が増減するかを見るのが重要である。

$S(k+1)$ は $S(k)$ に対して最後の2項

$$ \frac{1}{2k+1}-\frac{1}{2k+2}

$$

が加わる。一方で $T(k+1)$ は分母全体が1ずつずれるため、単に最後の1項が加わるだけではない。ここで

$$ T(k+1)-T(k)

$$

を計算し、共通部分を消去するのがこの問題の要点である。

答え

すべての正の整数 $n$ に対して、

$$ S(n)=T(n)

$$

が成り立つ。

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