基礎問題集
数学B 数列「数学的帰納法」の問題10 解説
数学Bの数列「数学的帰納法」にある問題10の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
部分和 $S_n=a_1+a_2+\cdots+a_n$ とおく。条件は
$$ S_n^2=\sum_{k=1}^n a_k^3
$$
である。$n$ の式と $n-1$ の式を引くと、$a_n$ と $S_{n-1}$ の関係式が得られる。そこから $a_n=n$ を数学的帰納法で示す。
解法1
$S_n=\sum_{k=1}^n a_k$ とおく。
まず $n=1$ のとき、条件より
$$ a_1^2=a_1^3
$$
である。$a_1$ は正の実数だから、両辺を $a_1^2$ で割って
$$ a_1=1
$$
を得る。
次に $n\geqq 2$ とする。条件から
$$ S_n^2=\sum_{k=1}^n a_k^3
$$
また
$$ S_{n-1}^2=\sum_{k=1}^{n-1} a_k^3
$$
である。これらを引くと
$$ S_n^2-S_{n-1}^2=a_n^3
$$
である。ここで $S_n=S_{n-1}+a_n$ より、
$$ (S_{n-1}+a_n)^2-S_{n-1}^2=a_n^3
$$
となる。左辺を展開すると
$$ 2a_nS_{n-1}+a_n^2=a_n^3
$$
である。$a_n$ は正の実数なので両辺を $a_n$ で割ることができ、
$$ 2S_{n-1}+a_n=a_n^2
$$
すなわち
$$ a_n^2-a_n=2S_{n-1}
$$
を得る。
ここで、すべての $n\geqq 1$ に対して $a_n=n$ であることを数学的帰納法で示す。
$n=1$ では、すでに $a_1=1$ を示した。
$n\geqq 2$ とし、$a_1=1,\ a_2=2,\ldots,\ a_{n-1}=n-1$ が成り立つと仮定する。このとき
$$ S_{n-1}=1+2+\cdots+(n-1)=\frac{n(n-1)}{2}
$$
である。したがって
$$ a_n^2-a_n=2S_{n-1}=n(n-1)
$$
となる。よって
$$ a_n^2-a_n-n(n-1)=0
$$
である。左辺を因数分解すると
$$ (a_n-n)(a_n+n-1)=0
$$
である。
ここで $a_n$ は正の実数であり、$n\geqq 2$ だから $a_n+n-1>0$ である。したがって
$$ a_n-n=0
$$
となり、
$$ a_n=n
$$
を得る。
よって、すべての $n\geqq 1$ に対して
$$ a_n=n
$$
である。
したがって
$$ a_1=1,\quad a_2=2,\quad a_3=3,\quad a_{99}=99
$$
である。
また、
$$ \sum_{k=1}^{10}a_k^2=\sum_{k=1}^{10}k^2
$$
であるから、
$$ \sum_{k=1}^{10}k^2=\frac{10\cdot 11\cdot 21}{6}=385
$$
となる。
解説
この問題の中心は、与えられた条件をそのまま扱うのではなく、$n$ の式と $n-1$ の式を引くことである。これにより、和全体の条件から各項 $a_n$ に関する関係式
$$ a_n^2-a_n=2S_{n-1}
$$
が得られる。
この式は、前までの項が分かれば次の項が決まる形になっている。$a_n$ が正の実数であることにより、二次方程式の候補のうち負になる解を除外できるため、帰納法で $a_n=n$ が一意に定まる。
また、この結果は有名な恒等式
$$ (1+2+\cdots+n)^2=1^3+2^3+\cdots+n^3
$$
とも一致している。
答え
$$ \boxed{[ア]=1,\quad [イ]=2,\quad [ウ]=3,\quad [エ]=99,\quad [オ]=385}
$$