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数学B 数列「数学的帰納法」の問題13 解説

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数学B数列数学的帰納法問題13
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数学B 数列 数学的帰納法 問題13の問題画像
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解説

方針・初手

左辺は「正の数の和」と「逆数の和」の積である。この形では、コーシー・シュワルツの不等式

$$ \left(\sum x_i^2\right)\left(\sum y_i^2\right)\geqq \left(\sum x_i y_i\right)^2

$$

を使うと自然に示せる。

ここでは $x_i=\sqrt{a_i}$、$y_i=\dfrac{1}{\sqrt{a_i}}$ とおくのが初手である。

解法1

$a_1,a_2,\ldots,a_n$ は正の実数であるから、$\sqrt{a_i}$ および $\dfrac{1}{\sqrt{a_i}}$ はすべて定義できる。

コーシー・シュワルツの不等式より、

$$ \left\{(\sqrt{a_1})^2+(\sqrt{a_2})^2+\cdots+(\sqrt{a_n})^2\right\} \left\{\left(\frac{1}{\sqrt{a_1}}\right)^2+\left(\frac{1}{\sqrt{a_2}}\right)^2+\cdots+\left(\frac{1}{\sqrt{a_n}}\right)^2\right\} \geqq \left(\sqrt{a_1}\cdot\frac{1}{\sqrt{a_1}}+\sqrt{a_2}\cdot\frac{1}{\sqrt{a_2}}+\cdots+\sqrt{a_n}\cdot\frac{1}{\sqrt{a_n}}\right)^2

$$

である。

左辺を整理すると、

$$ \left(a_1+a_2+\cdots+a_n\right) \left(\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\cdots+\frac{1}{a_n}\right)

$$

である。また、右辺は

$$ (1+1+\cdots+1)^2=n^2

$$

である。

したがって、

$$ \left(a_1+a_2+\cdots+a_n\right) \left(\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\cdots+\frac{1}{a_n}\right) \geqq n^2

$$

が成り立つ。

解法2

相加平均と相乗平均の不等式を用いる。

任意の $i,j$ について、$a_i>0,\ a_j>0$ であるから、

$$ \frac{a_i}{a_j}+\frac{a_j}{a_i}\geqq 2

$$

が成り立つ。

左辺を展開すると、

$$ \begin{aligned} \left(a_1+a_2+\cdots+a_n\right) \left(\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\cdots+\frac{1}{a_n}\right) &=\sum_{i=1}^{n}\sum_{j=1}^{n}\frac{a_i}{a_j} \end{aligned}

$$

である。

この和を、$i=j$ の部分と $i\ne j$ の部分に分ける。

まず、$i=j$ のときは

$$ \frac{a_i}{a_i}=1

$$

であるから、その総和は $n$ である。

次に、$i<j$ の組ごとに

$$ \frac{a_i}{a_j}+\frac{a_j}{a_i}\geqq 2

$$

である。$i<j$ となる組は $\dfrac{n(n-1)}{2}$ 個あるので、$i\ne j$ の部分の総和は

$$ 2\cdot \frac{n(n-1)}{2}=n(n-1)

$$

以上である。

したがって、

$$ \left(a_1+a_2+\cdots+a_n\right) \left(\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\cdots+\frac{1}{a_n}\right) \geqq n+n(n-1)=n^2

$$

となる。

よって、求める不等式は成り立つ。

解説

この問題は、正の数列とその逆数の和の積を評価する典型問題である。最も標準的なのはコーシー・シュワルツの不等式を使う解法である。

ポイントは、$a_i$ と $\dfrac{1}{a_i}$ をそのまま見るのではなく、

$$ a_i=(\sqrt{a_i})^2,\qquad \frac{1}{a_i}=\left(\frac{1}{\sqrt{a_i}}\right)^2

$$

と見て、積の中から

$$ \sqrt{a_i}\cdot\frac{1}{\sqrt{a_i}}=1

$$

を作ることである。

また、等号は

$$ a_1=a_2=\cdots=a_n

$$

のときに成り立つ。実際、このとき

$$ (a_1+\cdots+a_n)\left(\frac{1}{a_1}+\cdots+\frac{1}{a_n}\right) =na_1\cdot \frac{n}{a_1}=n^2

$$

である。

答え

任意の正の実数 $a_1,a_2,\ldots,a_n$ に対して、

$$ \left(a_1+a_2+\cdots+a_n\right) \left(\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\cdots+\frac{1}{a_n}\right) \geqq n^2

$$

が成り立つ。

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