基礎問題集
数学B 数列「数学的帰納法」の問題14 解説
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解説
方針・初手
$a+b$ と $ab$ を基本対称式としておく。$a^2+b^2$ と $a^3+b^3$ は $a+b,ab$ で表せるので、まず $s=a+b,\ p=ab$ とおいて $s$ を求める。
解法1
$s=a+b,\ p=ab$ とおく。このとき
$$ a^2+b^2=(a+b)^2-2ab=s^2-2p
$$
より、
$$ s^2-2p=16
$$
である。したがって
$$ p=\frac{s^2-16}{2}
$$
となる。
また、
$$ a^3+b^3=(a+b)^3-3ab(a+b)=s^3-3ps
$$
であるから、
$$ s^3-3ps=44
$$
を得る。ここに $p=\dfrac{s^2-16}{2}$ を代入すると、
$$ s^3-3s\cdot \frac{s^2-16}{2}=44
$$
である。両辺を $2$ 倍して整理すると、
$$ 2s^3-3s(s^2-16)=88
$$
すなわち
$$ -s^3+48s=88
$$
である。よって
$$ s^3-48s+88=0
$$
を得る。
左辺を因数分解すると、
$$ s^3-48s+88=(s-2)(s^2+2s-44)
$$
であるから、
$$ s=2,\quad s=-1+3\sqrt5,\quad s=-1-3\sqrt5
$$
が候補となる。
ただし、$a,b$ は実数である。$a,b$ は二次方程式
$$ x^2-sx+p=0
$$
の2つの実数解であるから、その判別式は $0$ 以上でなければならない。判別式は
$$ s^2-4p =s^2-4\cdot \frac{s^2-16}{2} =32-s^2
$$
である。したがって
$$ 32-s^2\geq 0
$$
すなわち
$$ s^2\leq 32
$$
が必要である。
ここで、
$$ (-1+3\sqrt5)^2=46-6\sqrt5
$$
であり、$46-6\sqrt5>32$ は $14>6\sqrt5$ と同値で、両辺正なので平方して
$$ 196>180
$$
より成り立つ。したがって $s=-1+3\sqrt5$ は不適である。
また、
$$ (-1-3\sqrt5)^2=46+6\sqrt5>32
$$
であるから、$s=-1-3\sqrt5$ も不適である。
よって
$$ a+b=s=2
$$
である。
次に $p=ab$ を求めると、
$$ ab=\frac{s^2-16}{2}=\frac{4-16}{2}=-6
$$
である。
$S_n=a^n+b^n$ とおく。$n\geq 2$ に対して、
$$ \begin{aligned} S_n &=a^n+b^n\\ &=(a+b)(a^{n-1}+b^{n-1})-ab(a^{n-2}+b^{n-2}) \end{aligned}
$$
が成り立つ。したがって、$a+b=2,\ ab=-6$ より
$$ S_n=2S_{n-1}+6S_{n-2}
$$
である。
まず、
$$ S_0=a^0+b^0=2,\qquad S_1=a+b=2
$$
であるから、漸化式
$$ S_n=2S_{n-1}+6S_{n-2}
$$
により、すべての $n$ について $S_n$ は整数である。
また、
$$ S_2=a^2+b^2=16
$$
であり、問題の条件から
$$ S_3=a^3+b^3=44
$$
である。よって $S_2,S_3$ はともに $4$ で割り切れる。
ここで、ある $k\geq 4$ について $S_{k-1},S_{k-2}$ がともに $4$ で割り切れるとする。このとき
$$ S_k=2S_{k-1}+6S_{k-2}
$$
であり、右辺は $4$ の倍数の整数どうしの和であるから、$S_k$ も $4$ で割り切れる。
したがって数学的帰納法により、すべての整数 $n\geq 2$ について、$a^n+b^n$ は $4$ で割り切れる整数である。
解説
この問題では、$a,b$ を直接求めにいくよりも、$a+b$ と $ab$ を使って対称式として処理するのが自然である。
特に注意すべき点は、$s=a+b$ の候補が3つ出たあと、すべてを答えにしてはいけない点である。$a,b$ が実数であるためには、$a,b$ を解にもつ二次方程式の判別式が $0$ 以上でなければならない。この条件によって不適な候補を除外する必要がある。
後半は、$a+b=2,\ ab=-6$ が分かれば、$S_n=a^n+b^n$ が整数係数の漸化式を満たすことを利用する。個々の $a,b$ は無理数を含むが、和 $a^n+b^n$ は漸化式によって整数になることが分かる。
答え
**(1)**
$$ a+b=2
$$
**(2)**
すべての整数 $n\geq 2$ について、$a^n+b^n$ は $4$ で割り切れる整数である。