基礎問題集
数学B 数列「数学的帰納法」の問題23 解説
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解説
方針・初手
左辺を $S_n$ とおき、命題
$$ P(n):\quad \frac{1}{1\cdot 2}+\frac{1}{2\cdot 3}+\frac{1}{3\cdot 4}+\cdots+\frac{1}{n(n+1)}=\frac{n}{n+1}
$$
がすべての自然数 $n$ について成り立つことを、数学的帰納法で証明する。
初手は $n=1$ の確認であり、その後 $n=k$ で成り立つと仮定して、両辺に次の項 $\dfrac{1}{(k+1)(k+2)}$ を加え、$n=k+1$ の形に変形する。
解法1
まず $n=1$ のとき、左辺は
$$ \frac{1}{1\cdot 2}=\frac{1}{2}
$$
であり、右辺は
$$ \frac{1}{1+1}=\frac{1}{2}
$$
である。したがって、$n=1$ のとき等式は成り立つ。
次に、ある自然数 $k$ について
$$ \frac{1}{1\cdot 2}+\frac{1}{2\cdot 3}+\frac{1}{3\cdot 4}+\cdots+\frac{1}{k(k+1)}=\frac{k}{k+1}
$$
が成り立つと仮定する。
このとき、$n=k+1$ の左辺は
$$ \frac{1}{1\cdot 2}+\frac{1}{2\cdot 3}+\cdots+\frac{1}{k(k+1)}+\frac{1}{(k+1)(k+2)}
$$
である。帰納法の仮定を用いると、これは
$$ \frac{k}{k+1}+\frac{1}{(k+1)(k+2)}
$$
となる。通分して整理すると、
$$ \begin{aligned} \frac{k}{k+1}+\frac{1}{(k+1)(k+2)} &=\frac{k(k+2)}{(k+1)(k+2)}+\frac{1}{(k+1)(k+2)}\\ &=\frac{k(k+2)+1}{(k+1)(k+2)}\\ &=\frac{k^2+2k+1}{(k+1)(k+2)}\\ &=\frac{(k+1)^2}{(k+1)(k+2)}\\ &=\frac{k+1}{k+2} \end{aligned}
$$
である。
これは
$$ \frac{k+1}{(k+1)+1}
$$
に等しいので、$n=k+1$ のときも等式が成り立つ。
以上より、$n=1$ で成り立ち、$n=k$ で成り立つならば $n=k+1$ でも成り立つ。したがって、数学的帰納法により、すべての自然数 $n$ について
$$ \frac{1}{1\cdot 2}+\frac{1}{2\cdot 3}+\frac{1}{3\cdot 4}+\cdots+\frac{1}{n(n+1)}=\frac{n}{n+1}
$$
が成り立つ。
解説
この問題では、左辺の和を直接計算するのではなく、「$n=k$ までの和が分かっている」と仮定し、そこに次の項を1つ加えることが重要である。
帰納法の仮定を使う箇所は、
$$ \frac{1}{1\cdot 2}+\frac{1}{2\cdot 3}+\cdots+\frac{1}{k(k+1)}=\frac{k}{k+1}
$$
を
$$ \frac{k}{k+1}
$$
に置き換える部分である。
その後は、次の項
$$ \frac{1}{(k+1)(k+2)}
$$
を加えて、目標である
$$ \frac{k+1}{k+2}
$$
に変形できればよい。
答え
すべての自然数 $n$ について、
$$ \frac{1}{1\cdot 2}+\frac{1}{2\cdot 3}+\frac{1}{3\cdot 4}+\cdots+\frac{1}{n(n+1)}=\frac{n}{n+1}
$$
が成り立つ。