基礎問題集
数学B 数列「数学的帰納法」の問題35 解説
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解説
方針・初手
余りを扱う問題なので、合同式の考え方を用いる。割る式が $x^2-x-1$ であるから、
$$ x^2 \equiv x+1 \pmod{x^2-x-1}
$$
として、$x^{n+1}$ の余りから $x^{n+2}$ の余りを求める。
解法1
$x^{n+1}$ を $x^2-x-1$ で割った余りが $a_nx+b_n$ であるから、
$$ x^{n+1} \equiv a_nx+b_n \pmod{x^2-x-1}
$$
である。
両辺に $x$ をかけると、
$$ x^{n+2} \equiv a_nx^2+b_nx \pmod{x^2-x-1}
$$
となる。ここで、
$$ x^2 \equiv x+1 \pmod{x^2-x-1}
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} x^{n+2} &\equiv a_n(x+1)+b_nx \\ &= (a_n+b_n)x+a_n \end{aligned} \pmod{x^2-x-1}
$$
を得る。
一方、$x^{n+2}$ を $x^2-x-1$ で割った余りは定義より $a_{n+1}x+b_{n+1}$ である。余りは一意に定まるので、
$$ a_{n+1}=a_n+b_n,\qquad b_{n+1}=a_n
$$
である。
次に、$a_n,b_n$ が正の整数で互いに素であることを数学的帰納法で示す。
まず $n=1$ のとき、
$$ x^2=(x^2-x-1)+(x+1)
$$
であるから、
$$ a_1=1,\qquad b_1=1
$$
である。したがって $a_1,b_1$ はともに正の整数であり、互いに素である。
次に、ある正の整数 $n$ について、$a_n,b_n$ がともに正の整数で、互いに素であると仮定する。このとき、(1)で示した関係式より、
$$ a_{n+1}=a_n+b_n,\qquad b_{n+1}=a_n
$$
である。
帰納法の仮定より $a_n,b_n$ は正の整数なので、$a_n+b_n$ も正の整数である。したがって $a_{n+1},b_{n+1}$ はともに正の整数である。
また、
$$ \gcd(a_{n+1},b_{n+1}) =\gcd(a_n+b_n,a_n)
$$
である。ここで、ユークリッドの互除法より、
$$ \gcd(a_n+b_n,a_n)=\gcd(b_n,a_n)
$$
である。帰納法の仮定より $\gcd(a_n,b_n)=1$ だから、
$$ \gcd(a_{n+1},b_{n+1})=1
$$
となる。
よって、$a_{n+1},b_{n+1}$ も互いに素である。
以上より、数学的帰納法によって、すべての正の整数 $n$ に対して、$a_n,b_n$ はともに正の整数であり、互いに素である。
解説
この問題の中心は、割る式 $x^2-x-1$ から
$$ x^2 \equiv x+1 \pmod{x^2-x-1}
$$
と見られる点である。余りを直接計算するのではなく、$x^{n+1}$ の余りから $x^{n+2}$ の余りを作ると、漸化式が自然に得られる。
互いに素であることは、漸化式
$$ a_{n+1}=a_n+b_n,\qquad b_{n+1}=a_n
$$
がユークリッドの互除法と相性がよいことを利用する。すなわち、和を取っても最大公約数は
$$ \gcd(a_n+b_n,a_n)=\gcd(b_n,a_n)
$$
と保たれる。
答え
**(1)**
$$ a_{n+1}=a_n+b_n,\qquad b_{n+1}=a_n
$$
である。
**(2)**
すべての正の整数 $n$ に対して、$a_n,b_n$ はともに正の整数であり、互いに素である。