基礎問題集
数学B 数列「数学的帰納法」の問題43 解説
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解説
方針・初手
漸化式を繰り返すと、$a_n$ は交代和
$$ a_n=\sum_{k=0}^{n}\frac{(-1)^k}{k!}
$$
で表される。偶数番目どうし、奇数番目どうしを比較するときは、間の2項だけを取り出せばよい。また、$0<a_n<1$ は偶数の場合と奇数の場合に分け、正負の項を組にして評価する。
解法1
まず、漸化式より
$$ a_n=1+\sum_{k=1}^{n}\frac{(-1)^k}{k!} =\sum_{k=0}^{n}\frac{(-1)^k}{k!}
$$
である。
**(1)**
$m$ を自然数とする。
まず、$a_{2m}$ と $a_{2m-2}$ の差を調べる。
$$ \begin{aligned} a_{2m}-a_{2m-2} &=\frac{(-1)^{2m-1}}{(2m-1)!}+\frac{(-1)^{2m}}{(2m)!} \\ &=-\frac{1}{(2m-1)!}+\frac{1}{(2m)!} \\ &=-\frac{2m}{(2m)!}+\frac{1}{(2m)!} \\ &=-\frac{2m-1}{(2m)!}. \end{aligned}
$$
ここで $m$ は自然数だから $2m-1>0$ であり、
$$ a_{2m}-a_{2m-2}<0
$$
となる。したがって
$$ a_{2m-2}>a_{2m}
$$
である。
次に、$a_{2m+1}$ と $a_{2m-1}$ の差を調べる。
$$ \begin{aligned} a_{2m+1}-a_{2m-1} &=\frac{(-1)^{2m}}{(2m)!}+\frac{(-1)^{2m+1}}{(2m+1)!} \\ &=\frac{1}{(2m)!}-\frac{1}{(2m+1)!} \\ &=\frac{2m+1}{(2m+1)!}-\frac{1}{(2m+1)!} \\ &=\frac{2m}{(2m+1)!}. \end{aligned}
$$
$m$ は自然数だから $2m>0$ であり、
$$ a_{2m+1}-a_{2m-1}>0
$$
となる。したがって
$$ a_{2m-1}<a_{2m+1}
$$
である。
以上より、
$$ a_{2m-2}>a_{2m}, \qquad a_{2m-1}<a_{2m+1}
$$
が示された。
**(2)**
$n\geqq 2$ とする。偶数の場合と奇数の場合に分ける。
**(i) $n$ が偶数のとき**
$n=2m$ とおく。ただし $m$ は自然数である。
まず、$a_{2m}$ の正値性を示す。$a_{2m}$ は
$$ a_{2m} =1-1+\frac{1}{2!}-\frac{1}{3!}+\cdots-\frac{1}{(2m-1)!}+\frac{1}{(2m)!}
$$
である。したがって
$$ a_{2m} =\left(\frac{1}{2!}-\frac{1}{3!}\right) +\left(\frac{1}{4!}-\frac{1}{5!}\right) +\cdots +\left(\frac{1}{(2m-2)!}-\frac{1}{(2m-1)!}\right) +\frac{1}{(2m)!}
$$
と書ける。ただし、$m=1$ のときは最後の $\frac{1}{2!}$ だけが残る。
各 $j$ について
$$ \frac{1}{(2j)!}-\frac{1}{(2j+1)!} =\frac{2j}{(2j+1)!}>0
$$
であり、さらに $\frac{1}{(2m)!}>0$ である。よって
$$ a_{2m}>0
$$
である。
次に、(1)より偶数番目の列は
$$ a_0>a_2>a_4>\cdots>a_{2m}
$$
となる。$a_0=1$ だから
$$ a_{2m}<1
$$
である。
したがって、偶数 $n=2m$ のとき
$$ 0<a_n<1
$$
が成り立つ。
**(ii) $n$ が奇数のとき**
$n=2m+1$ とおく。$n\geqq 2$ で奇数だから $m\geqq 1$ である。
このとき
$$ a_{2m+1} =1-1+\frac{1}{2!}-\frac{1}{3!}+\cdots+\frac{1}{(2m)!}-\frac{1}{(2m+1)!}
$$
であるから、
$$ a_{2m+1} =\left(\frac{1}{2!}-\frac{1}{3!}\right) +\left(\frac{1}{4!}-\frac{1}{5!}\right) +\cdots +\left(\frac{1}{(2m)!}-\frac{1}{(2m+1)!}\right)
$$
と書ける。
各 $j$ について
$$ \frac{1}{(2j)!}-\frac{1}{(2j+1)!} =\frac{2j}{(2j+1)!}>0
$$
であるから、
$$ a_{2m+1}>0
$$
である。
また、
$$ a_{2m+1}=a_{2m}-\frac{1}{(2m+1)!}
$$
である。偶数の場合にすでに $a_{2m}<1$ を示しているので、
$$ a_{2m+1}<a_{2m}<1
$$
である。
したがって、奇数 $n=2m+1$ のときも
$$ 0<a_n<1
$$
が成り立つ。
以上より、すべての $n\geqq 2$ に対して
$$ 0<a_n<1
$$
が示された。
解説
この問題の中心は、交代和を偶数番目と奇数番目に分けて見ることである。
(1) では、$a_{2m}$ と $a_{2m-2}$、また $a_{2m+1}$ と $a_{2m-1}$ の差をとると、間にある2項だけが残る。このため、全体の複雑な和を扱う必要はない。
(2) では、$1-1=0$ としたあと、
$$ \frac{1}{(2j)!}-\frac{1}{(2j+1)!}>0
$$
という正の組を作るのが重要である。これにより $a_n>0$ が分かる。上からの評価 $a_n<1$ は、偶数の場合は (1) の単調性から $a_{2m}<a_0=1$、奇数の場合は $a_{2m+1}<a_{2m}<1$ として示せる。
答え
**(1)**
$$ a_{2m-2}>a_{2m}, \qquad a_{2m-1}<a_{2m+1}
$$
である。
**(2)**
$n\geqq 2$ のすべての整数 $n$ について、
$$ 0<a_n<1
$$
である。