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数学B 数列「数学的帰納法」の問題51 解説

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数学B 数列 数学的帰納法 問題51の問題画像
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解説

方針・初手

$a,b$ を直接計算するのではなく、まず $a+b$ と $ab$ を三角関数の和積公式から求める。その後、$(a^{-n}+b^{-n})(a+b)^n$ を $4a,4b$ のべき和に変形し、漸化式によって整数性を示す。

解法1

$\theta=\dfrac{\pi}{5}$ とおく。また、

$$ x=\cos 2\theta,\qquad y=\cos 4\theta

$$

とする。

このとき

$$ a=\sin^2\theta=\frac{1-\cos2\theta}{2}=\frac{1-x}{2}, \qquad b=\sin^2 2\theta=\frac{1-\cos4\theta}{2}=\frac{1-y}{2}

$$

である。

まず $x+y$ と $xy$ を求める。三角関数の和の公式より

$$ \begin{aligned} 1+2\cos2\theta+2\cos4\theta &= \frac{\sin5\theta}{\sin\theta} \end{aligned} $$

である。ここで $\theta=\dfrac{\pi}{5}$ なので、$\sin5\theta=\sin\pi=0$ であり、$\sin\theta\ne0$ である。したがって

$$ 1+2x+2y=0

$$

より

$$ x+y=-\frac12

$$

である。

また、$y=\cos4\theta=2\cos^2 2\theta-1=2x^2-1$ だから、

$$ x+y=-\frac12

$$

に代入して

$$ x+2x^2-1=-\frac12

$$

すなわち

$$ 4x^2+2x-1=0

$$

を得る。一方、$y=-\dfrac12-x$ であるから、

$$ xy=x\left(-\frac12-x\right) =-\frac{x}{2}-x^2

$$

である。ここで $4x^2+2x-1=0$ より $x^2=\dfrac{1-2x}{4}$ だから、

$$ xy=-\frac{x}{2}-\frac{1-2x}{4} =-\frac14

$$

となる。

したがって

$$ \begin{aligned} a+b &= \frac{1-x}{2}+\frac{1-y}{2} \\ 1-\frac{x+y}{2} \\ 1-\frac{-1/2}{2} \\ \frac54 \end{aligned} $$

である。また、

$$ \begin{aligned} ab &= \frac{(1-x)(1-y)}{4} \\ \frac{1-(x+y)+xy}{4} \\ \frac{1+\frac12-\frac14}{4} \\ \frac{5}{16} \end{aligned} $$

である。

よって $a+b$ および $ab$ は有理数である。

次に、任意の自然数 $n$ に対して

$$ (a^{-n}+b^{-n})(a+b)^n

$$

が整数であることを示す。

$a,b>0$ であるから逆数は定義されている。上で求めた結果より

$$ \begin{aligned} \frac{a+b}{ab} &= \frac{5/4}{5/16} \\ 4 \end{aligned} $$

である。したがって

$$ \begin{aligned} (a^{-n}+b^{-n})(a+b)^n &= \left(\frac{1}{a^n}+\frac{1}{b^n}\right)(a+b)^n \\ &= \frac{a^n+b^n}{(ab)^n}(a+b)^n \\ &= \left(\frac{a+b}{ab}\right)^n(a^n+b^n) \\ &= 4^n(a^n+b^n) \\ &= (4a)^n+(4b)^n \end{aligned}

$$

となる。

ここで

$$ \alpha=4a,\qquad \beta=4b

$$

とおく。すると

$$ \alpha+\beta=4(a+b)=5, \qquad \alpha\beta=16ab=5

$$

である。よって $\alpha,\beta$ は方程式

$$ t^2-5t+5=0

$$

の2つの解である。

$u_n=\alpha^n+\beta^n$ とおく。$\alpha,\beta$ は

$$ t^2=5t-5

$$

を満たすので、

$$ \alpha^{n+2}=5\alpha^{n+1}-5\alpha^n, \qquad \beta^{n+2}=5\beta^{n+1}-5\beta^n

$$

である。これらを足すと

$$ u_{n+2}=5u_{n+1}-5u_n

$$

を得る。

また、

$$ u_0=2,\qquad u_1=\alpha+\beta=5

$$

であり、どちらも整数である。漸化式

$$ u_{n+2}=5u_{n+1}-5u_n

$$

の係数は整数だから、数学的帰納法により、すべての $n$ に対して $u_n$ は整数である。

先ほど

$$ (a^{-n}+b^{-n})(a+b)^n=(4a)^n+(4b)^n=\alpha^n+\beta^n=u_n

$$

と変形できたので、任意の自然数 $n$ に対して

$$ (a^{-n}+b^{-n})(a+b)^n

$$

は整数である。

解説

この問題の中心は、$a$ と $b$ そのものが無理数を含む値であっても、対称式 $a+b,ab$ は有理数になる点である。したがって、$a,b$ を個別に追うのではなく、最初から $a+b$ と $ab$ を求めるのが自然である。

後半では、式をそのまま扱うと負の指数が邪魔になる。そこで

$$ \begin{aligned} (a^{-n}+b^{-n})(a+b)^n &= (4a)^n+(4b)^n \end{aligned} $$

まで変形するのが重要である。

さらに、$4a,4b$ の和と積がどちらも整数であることから、べき和は整数係数の漸化式に従う。これは「2つの数の和と積が整数なら、そのべき和は整数になる」という典型的な処理である。

答え

**(1)**

$$ a+b=\frac54,\qquad ab=\frac{5}{16}

$$

である。したがって、$a+b$ および $ab$ は有理数である。

**(2)**

任意の自然数 $n$ に対して

$$ \begin{aligned} (a^{-n}+b^{-n})(a+b)^n &= (4a)^n+(4b)^n \end{aligned} $$

であり、$4a,4b$ のべき和は整数係数の漸化式

$$ u_{n+2}=5u_{n+1}-5u_n

$$

に従う。よって

$$ (a^{-n}+b^{-n})(a+b)^n

$$

は整数である。

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