基礎問題集
数学B 数列「漸化式の応用」の問題9 解説
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解説
方針・初手
漸化式は関数そのものではなく、$(x-1)f_n(x)$ を微分して次の関数を作る形である。まず $f_2(x), f_3(x)$ を直接計算し、その形から $f_n(x)$ が常に1次関数になることを数学的帰納法で示す。
その後、$f_n(x)=a_nx+b_n$ とおいて係数比較を行えば、$a_n,b_n$ の漸化式が得られる。
解法1
まず、
$$ f_1(x)=x+1
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} f_2(x) &=\frac{d}{dx}{(x-1)f_1(x)} \\ &=\frac{d}{dx}{(x-1)(x+1)} \\ &=\frac{d}{dx}(x^2-1) \\ &=2x \end{aligned}
$$
である。
さらに、
$$ \begin{aligned} f_3(x) &=\frac{d}{dx}{(x-1)f_2(x)} \\ &=\frac{d}{dx}{(x-1)\cdot 2x} \\ &=\frac{d}{dx}(2x^2-2x) \\ &=4x-2 \end{aligned}
$$
となる。
次に、すべての自然数 $n$ について $f_n(x)$ が1次関数であることを示す。
$n=1$ のとき、
$$ f_1(x)=x+1
$$
であり、これは1次関数である。
ある自然数 $n$ について、$f_n(x)$ が1次関数であると仮定する。このとき、定数 $a_n,b_n$ を用いて
$$ f_n(x)=a_nx+b_n
$$
と書ける。
すると、
$$ \begin{aligned} (x-1)f_n(x) &=(x-1)(a_nx+b_n) \\ &=a_nx^2+(b_n-a_n)x-b_n \end{aligned}
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} f_{n+1}(x) &=\frac{d}{dx}{(x-1)f_n(x)} \\ &=\frac{d}{dx}{a_nx^2+(b_n-a_n)x-b_n} \\ &=2a_nx+(b_n-a_n) \end{aligned}
$$
となる。
これは1次関数である。したがって、数学的帰納法により、すべての自然数 $n$ について $f_n(x)$ は1次関数である。
次に、
$$ f_n(x)=a_nx+b_n
$$
とおく。
先ほどの計算より、
$$ f_{n+1}(x)=2a_nx+(b_n-a_n)
$$
である。一方、
$$ f_{n+1}(x)=a_{n+1}x+b_{n+1}
$$
なので、係数を比較して
$$ a_{n+1}=2a_n,\qquad b_{n+1}=b_n-a_n
$$
を得る。
また、
$$ f_1(x)=x+1
$$
より、
$$ a_1=1,\qquad b_1=1
$$
である。
まず $a_n$ について、
$$ a_{n+1}=2a_n,\qquad a_1=1
$$
だから、
$$ a_n=2^{n-1}
$$
である。
次に $b_n$ について、
$$ b_{n+1}=b_n-a_n=b_n-2^{n-1}
$$
であるから、
$$ b_n =b_1-\sum_{k=1}^{n-1}2^{k-1}
$$
となる。よって、
$$ \begin{aligned} b_n &=1-(1+2+\cdots+2^{n-2}) \\ &=1-(2^{n-1}-1) \\ &=2-2^{n-1} \end{aligned}
$$
である。
したがって、
$$ f_n(x)=2^{n-1}x+2-2^{n-1}
$$
となる。
解説
この問題の中心は、関数の漸化式を係数の漸化式に変換することである。
$f_n(x)$ が1次関数であると仮定すると、$(x-1)f_n(x)$ は高々2次式になり、それを微分した $f_{n+1}(x)$ は再び1次関数になる。この構造があるため、数学的帰納法が自然に使える。
また、$f_n(x)=a_nx+b_n$ とおけば、関数の漸化式は
$$ a_{n+1}=2a_n,\qquad b_{n+1}=b_n-a_n
$$
という係数の漸化式に変わる。特に $b_n$ は $a_n$ に依存して決まるため、先に $a_n$ を求めてから $b_n$ を求めるのがよい。
答え
**(1)**
$$ f_2(x)=2x,\qquad f_3(x)=4x-2
$$
**(2)**
すべての自然数 $n$ について、$f_n(x)$ は1次関数である。
**(3)**
$$ a_n=2^{n-1},\qquad b_n=2-2^{n-1}
$$
したがって、
$$ f_n(x)=2^{n-1}x+2-2^{n-1}
$$