基礎問題集
数学B 数列「漸化式の応用」の問題14 解説
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解説
方針・初手
表を $H$、裏を $T$ とする。事象 A は「硬貨の入っている箱だけを見たとき、上下左右に隣り合う $H$ が存在しない」という条件である。
一番手前の 2 個の箱には硬貨を入れないので、実際に考えるのは横 $2$ 個、奥行き $n-1$ 列の長方形である。したがって、$a_n$ は $2 \times (n-1)$ のマスに $H,T$ を入れ、隣り合う $H$ がないようにする場合の数である。
解法1
まず小さい $n$ の値を求める。
$n=2$ のとき、硬貨が入る箱は横に隣り合う 2 個である。$HH$ は事象 A に反するので、可能なのは
$$ TT,\ HT,\ TH
$$
の $3$ 通りである。よって
$$ a_2=3
$$
である。また全事象は $2^2=4$ 通りだから、
$$ P_2=\frac{3}{4}
$$
である。
$n=3$ のとき、硬貨が入る箱は $2 \times 2$ の正方形状に並ぶ。$H$ の置き方を数える。
$H$ が $0$ 個のとき $1$ 通り、$1$ 個のとき $4$ 通りである。$H$ が $2$ 個のときは、隣り合わないように置く必要があるので、対角線上の組だけが可能であり $2$ 通りである。$H$ が $3$ 個以上では必ず隣り合う $H$ が生じる。
したがって
$$ a_3=1+4+2=7
$$
である。全事象は $2^4=16$ 通りだから、
$$ P_3=\frac{7}{16}
$$
である。
次に漸化式を作る。奥側の最後の列に注目する。最後の列の状態として、事象 A を満たすものは
$$ TT,\ HT,\ TH
$$
の $3$ 種類だけである。
最後の列が $TT$ である場合の数を $x_n$、最後の列が $HT$ である場合の数を $y_n$ とする。対称性により、最後の列が $TH$ である場合の数も $y_n$ である。したがって
$$ a_n=x_n+2y_n
$$
である。
最後の列が $TT$ なら、その手前までの $2 \times (n-2)$ の部分は任意に事象 A を満たせばよいので、
$$ x_n=a_{n-1}
$$
である。
最後の列が $HT$ のとき、その直前の列の左側は $H$ にできない。したがって、直前の列は $TT$ または $TH$ である必要がある。よって
$$ y_n=x_{n-1}+y_{n-1}
$$
である。
これらより
$$ \begin{aligned} a_n &=x_n+2y_n \\ &=a_{n-1}+2(x_{n-1}+y_{n-1}) \end{aligned}
$$
となる。ここで
$$ a_{n-1}=x_{n-1}+2y_{n-1},\qquad x_{n-1}=a_{n-2}
$$
であるから、
$$ x_{n-1}+y_{n-1} =\frac{a_{n-1}+x_{n-1}}{2} =\frac{a_{n-1}+a_{n-2}}{2}
$$
である。したがって、$n \geqq 4$ のとき
$$ a_n=2a_{n-1}+a_{n-2}
$$
が成り立つ。
よって
$$ a_4=2a_3+a_2=2\cdot 7+3=17
$$
であり、
$$ P_4=\frac{17}{2^6}=\frac{17}{64}
$$
である。
また
$$ a_5=2a_4+a_3=2\cdot 17+7=41
$$
$$ a_6=2a_5+a_4=2\cdot 41+17=99
$$
である。したがって
$$ P_6=\frac{99}{2^{10}}=\frac{99}{1024}
$$
である。
次に、$n=6$ で事象 A が起こったことがわかっているときに事象 B が起こる確率を求める。
$n=6$ では硬貨は $10$ 枚である。事象 B は、表と裏の枚数が等しいことなので、表が $5$ 枚、裏が $5$ 枚であることを意味する。
事象 A のもとでは、各列の横に隣り合う 2 個がともに $H$ になることはできない。したがって、各列に置ける $H$ は高々 $1$ 個である。奥行きは $5$ 列なので、$H$ が $5$ 枚あるためには、各列にちょうど $1$ 個ずつ $H$ がなければならない。
さらに、隣り合う列で同じ側に $H$ を置くと、縦に隣り合う $H$ が生じて事象 A に反する。よって $H$ の位置は左右交互でなければならない。最初の列で左を選ぶか右を選ぶかの $2$ 通りだけである。
したがって
$$ |A\cap B|=2
$$
であり、$|A|=a_6=99$ だから、
$$ P(B\mid A)=\frac{2}{99}
$$
である。
最後に一般項を求める。漸化式
$$ a_n=2a_{n-1}+a_{n-2}
$$
を
$$ a_n-\alpha a_{n-1} =\beta(a_{n-1}-\alpha a_{n-2})
$$
の形にする。
右辺を展開すると、
$$ a_n=(\alpha+\beta)a_{n-1}-\alpha\beta a_{n-2}
$$
である。これが
$$ a_n=2a_{n-1}+a_{n-2}
$$
と一致するためには、
$$ \alpha+\beta=2,\qquad \alpha\beta=-1
$$
が必要である。
したがって、$\alpha,\beta$ は
$$ t^2-2t-1=0
$$
の 2 解であり、
$$ t=1\pm \sqrt{2}
$$
である。よって、$\boxed{\text{コ}}<\boxed{\text{サ}}$ より
$$ \boxed{\text{コ}}=1-\sqrt{2},\qquad \boxed{\text{サ}}=1+\sqrt{2}
$$
である。
特性方程式の解が $1+\sqrt{2},1-\sqrt{2}$ なので、
$$ a_n=C(1+\sqrt{2})^n+D(1-\sqrt{2})^n
$$
と表される。実際、
$$ a_n=\frac{(1+\sqrt{2})^n+(1-\sqrt{2})^n}{2}
$$
は $a_2=3,\ a_3=7$ を満たし、同じ漸化式を満たす。
したがって
$$ P_n =\frac{a_n}{2^{2n-2}} =\frac{(1+\sqrt{2})^n+(1-\sqrt{2})^n}{2^{2n-1}}
$$
である。
解説
この問題の中心は、事象 A を「隣り合う表がない配置」と読み替えることである。硬貨を入れない一番手前の列を除くと、$2 \times (n-1)$ の格子に表を置く問題になる。
漸化式を作るときは、最後の列を $TT,HT,TH$ の 3 状態に分けるのが自然である。単に最後の列に表があるかないかだけで分けると、次の列との接続条件を正確に処理できない。
条件付き確率では、$n=6$ のときに表が $5$ 枚必要である点が重要である。各列には表を高々 $1$ 枚しか置けないので、すべての列に表を $1$ 枚ずつ置くしかない。その結果、左右交互の $2$ 通りに限られる。
答え
$$ \boxed{\text{ア}=3}
$$
$$ \boxed{\text{イ}=\frac{3}{4}}
$$
$$ \boxed{\text{ウ}=7}
$$
$$ \boxed{\text{エ}=\frac{7}{16}}
$$
$$ \boxed{\text{オ}=\frac{17}{64}}
$$
$$ \boxed{\text{カ}=2}
$$
$$ \boxed{\text{キ}=1}
$$
$$ \boxed{\text{ク}=\frac{99}{1024}}
$$
$$ \boxed{\text{ケ}=\frac{2}{99}}
$$
$$ \boxed{\text{コ}=1-\sqrt{2}}
$$
$$ \boxed{\text{サ}=1+\sqrt{2}}
$$
$$ \boxed{\text{シ}= \frac{(1+\sqrt{2})^n+(1-\sqrt{2})^n}{2^{2n-1}}}
$$