基礎問題集
数学B 数列「数列・確率」の問題4 解説
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解説
方針・初手
偶数・奇数だけに注目する。$2$進むと座標の偶奇は変わらず、$1$進むと座標の偶奇が入れ替わる。
したがって、次の1回の移動で「偶数になる確率」を、直前の座標が偶数である場合と奇数である場合に分けて考える。
解法1
サイコロの出た目が$5$以上である確率は
$$ \frac{2}{6}=\frac{1}{3}
$$
であり、このとき点$P$は$2$進む。また、出た目が$4$以下である確率は
$$ \frac{4}{6}=\frac{2}{3}
$$
であり、このとき点$P$は$1$進む。
$2$進むと偶奇は変わらず、$1$進むと偶奇は入れ替わる。
まず、$a_1,a_2,a_3$を求める。
1回投げたとき、座標が偶数になるのは$2$進む場合であるから、
$$ a_1=\frac{1}{3}
$$
である。
2回投げたときは、$2$回とも$1$進む場合、または$2$回とも$2$進む場合に座標が偶数になる。よって
$$ a_2=\left(\frac{2}{3}\right)^2+\left(\frac{1}{3}\right)^2 =\frac{4}{9}+\frac{1}{9} =\frac{5}{9}
$$
である。
3回投げたときは、$1$進む回数が偶数であれば座標が偶数になる。したがって、$1$進む回数が$0$回または$2$回の場合を考えればよい。
$$ a_3=\left(\frac{1}{3}\right)^3+{}_3C_2\left(\frac{2}{3}\right)^2\left(\frac{1}{3}\right) =\frac{1}{27}+3\cdot \frac{4}{9}\cdot \frac{1}{3} =\frac{1}{27}+\frac{12}{27} =\frac{13}{27}
$$
次に、$a_{n+1}$を$a_n$で表す。
$n$回投げた後に座標が偶数である確率は$a_n$であり、奇数である確率は$1-a_n$である。
$n+1$回目の後に座標が偶数になるのは、次の2通りである。
**(i)**
$n$回目の後に偶数であり、次に$2$進む場合。
**(ii)**
$n$回目の後に奇数であり、次に$1$進む場合。
よって
$$ a_{n+1}=a_n\cdot \frac{1}{3}+(1-a_n)\cdot \frac{2}{3}
$$
である。整理すると
$$ a_{n+1} =\frac{1}{3}a_n+\frac{2}{3}-\frac{2}{3}a_n =\frac{2}{3}-\frac{1}{3}a_n
$$
となる。
したがって
$$ a_{n+1}=\frac{2}{3}-\frac{1}{3}a_n
$$
である。
この漸化式を解く。定数解を$\alpha$とすると、
$$ \alpha=\frac{2}{3}-\frac{1}{3}\alpha
$$
より
$$ \frac{4}{3}\alpha=\frac{2}{3}
$$
だから、
$$ \alpha=\frac{1}{2}
$$
である。そこで
$$ b_n=a_n-\frac{1}{2}
$$
とおくと、
$$ \begin{aligned} b_{n+1} &=a_{n+1}-\frac{1}{2} \\ &=\left(\frac{2}{3}-\frac{1}{3}a_n\right)-\frac{1}{2} \\ &=\frac{1}{6}-\frac{1}{3}a_n \\ &=-\frac{1}{3}\left(a_n-\frac{1}{2}\right) \\ &=-\frac{1}{3}b_n \end{aligned}
$$
となる。よって${b_n}$は公比$-\dfrac{1}{3}$の等比数列である。
また、
$$ b_1=a_1-\frac{1}{2} =\frac{1}{3}-\frac{1}{2} =-\frac{1}{6}
$$
だから、
$$ b_n=-\frac{1}{6}\left(-\frac{1}{3}\right)^{n-1}
$$
である。したがって
$$ a_n =\frac{1}{2}-\frac{1}{6}\left(-\frac{1}{3}\right)^{n-1}
$$
となる。これを整理すると
$$ a_n=\frac{1}{2}+\frac{(-1)^n}{2\cdot 3^n}
$$
すなわち
$$ a_n=\frac{1}{2}\left(1+\frac{(-1)^n}{3^n}\right)
$$
である。
解説
この問題では、座標そのものではなく偶奇だけを追えばよい。$2$進む移動は偶奇を変えず、$1$進む移動は偶奇を反転させるため、状態は「偶数」と「奇数」の2つだけで管理できる。
漸化式
$$ a_{n+1}=\frac{2}{3}-\frac{1}{3}a_n
$$
は、直前が偶数か奇数かで場合分けして得られる。定数解$\dfrac{1}{2}$を引くことで等比数列に帰着するのが、この種の確率漸化式の典型的な処理である。
答え
**(1)**
$$ a_1=\frac{1}{3},\qquad a_2=\frac{5}{9},\qquad a_3=\frac{13}{27}
$$
**(2)**
$$ a_{n+1}=\frac{2}{3}-\frac{1}{3}a_n
$$
**(3)**
$$ a_n=\frac{1}{2}\left(1+\frac{(-1)^n}{3^n}\right)
$$