基礎問題集
数学B 数列「数列・確率」の問題16 解説
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解説
方針・初手
$a_k=k$ となる条件を、$k$ 回目のサイコロの目で場合分けする。
$k$ 回目に $1$ が出ると $a_k=0$ なので、$a_k=k$ にはならない。$6$ が出たときは $a_k=a_{k-1}+k$ であるから、$a_k=k$ となるには $a_{k-1}=0$ が必要である。また、$1,6$ 以外の目が出たときは $a_k=a_{k-1}+1$ であるから、$a_k=k$ となるには $a_{k-1}=k-1$ が必要である。
したがって、$a_{k-1}=0$ となる確率を押さえたうえで、漸化式を立てる。
解法1
$k$ 回目のサイコロの目を $X_k$ とする。
まず、任意の $j$ について $a_j=0$ となるのは、$X_j=1$ のときに限られることを確認する。
$j=1$ のとき、定義より $a_1=0$ となるのは $X_1=1$ のときである。
$j\geqq 2$ のとき、$X_j=1$ ならば $a_j=0$ である。一方、$X_j=6$ ならば
$$ a_j=a_{j-1}+j>0
$$
であり、$X_j$ が $1,6$ 以外ならば
$$ a_j=a_{j-1}+1>0
$$
である。ここで、各 $a_j$ は定義から常に $0$ 以上である。
よって、任意の $j$ について
$$ P(a_j=0)=P(X_j=1)=\frac{1}{6}
$$
である。
**(1)**
まず、$p_1$ を求める。$a_1=1$ となるのは $1$ 以外の目が出たときであるから、
$$ p_1=\frac{5}{6}
$$
である。
次に、$p_2$ を求める。$a_2=2$ となるのは、次の2通りである。
$X_2=6$ のときは $a_2=a_1+2$ であるから、$a_2=2$ となるには $a_1=0$ が必要である。
$X_2$ が $1,6$ 以外のときは $a_2=a_1+1$ であるから、$a_2=2$ となるには $a_1=1$ が必要である。
したがって、
$$ \begin{aligned} p_2 &=P(a_1=0)P(X_2=6)+P(a_1=1)P(X_2=2,3,4,5) \\ &=\frac{1}{6}\cdot\frac{1}{6}+\frac{5}{6}\cdot\frac{4}{6} \\ &=\frac{1}{36}+\frac{20}{36} \\ &=\frac{7}{12} \end{aligned}
$$
である。
同様に、$a_3=3$ となるのは、$X_3=6$ かつ $a_2=0$ の場合、または $X_3$ が $1,6$ 以外かつ $a_2=2$ の場合である。よって、
$$ \begin{aligned} p_3 &=P(a_2=0)P(X_3=6)+P(a_2=2)P(X_3=2,3,4,5) \\ &=\frac{1}{6}\cdot\frac{1}{6}+\frac{7}{12}\cdot\frac{4}{6} \\ &=\frac{1}{36}+\frac{14}{36} \\ &=\frac{5}{12} \end{aligned}
$$
である。
**(2)**
$2\leqq k\leqq n$ とする。
$a_k=k$ となる場合を、$X_k$ の値で分ける。
$X_k=1$ のときは $a_k=0$ であり、$k\geqq 2$ なので $a_k=k$ とはならない。
$X_k=6$ のとき、
$$ a_k=a_{k-1}+k
$$
であるから、$a_k=k$ となるには $a_{k-1}=0$ が必要十分である。
$X_k$ が $1,6$ 以外のとき、
$$ a_k=a_{k-1}+1
$$
であるから、$a_k=k$ となるには $a_{k-1}=k-1$ が必要十分である。
よって、$X_k$ とそれ以前の結果は独立であることから、
$$ \begin{aligned} p_k &=P(a_{k-1}=0)P(X_k=6)+P(a_{k-1}=k-1)P(X_k=2,3,4,5) \\ &=\frac{1}{6}\cdot\frac{1}{6}+p_{k-1}\cdot\frac{4}{6} \\ &=\frac{1}{36}+\frac{2}{3}p_{k-1} \end{aligned}
$$
である。
したがって、
$$ p_k=\frac{2}{3}p_{k-1}+\frac{1}{36} \qquad (2\leqq k\leqq n)
$$
を得る。
**(3)**
漸化式
$$ p_k=\frac{2}{3}p_{k-1}+\frac{1}{36}
$$
を解く。
定数解を $p$ とすると、
$$ p=\frac{2}{3}p+\frac{1}{36}
$$
であるから、
$$ p=\frac{1}{12}
$$
である。
よって、
$$ p_k-\frac{1}{12}=\frac{2}{3}\left(p_{k-1}-\frac{1}{12}\right)
$$
となる。
また、
$$ p_1-\frac{1}{12}=\frac{5}{6}-\frac{1}{12}=\frac{3}{4}
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} p_k-\frac{1}{12} &= \frac{3}{4}\left(\frac{2}{3}\right)^{k-1} \end{aligned} $$
となる。
したがって、
$$ p_k=\frac{1}{12}+\frac{3}{4}\left(\frac{2}{3}\right)^{k-1} \qquad (1\leqq k\leqq n)
$$
である。
解説
この問題の中心は、$a_k=k$ という条件を $k$ 回目の出目で分けることである。
$6$ が出た場合は一気に $k$ だけ増えるため、$a_k=k$ となるには直前が $0$ でなければならない。一方、$1,6$ 以外が出た場合は $1$ だけ増えるため、直前が $k-1$ であればよい。
また、$a_j=0$ となるのは $j$ 回目に $1$ が出たときに限られるため、常に確率は $\frac{1}{6}$ である。この点を見落とすと、漸化式の定数項 $\frac{1}{36}$ が出てこない。
答え
**(1)**
$$ p_1=\frac{5}{6},\qquad p_2=\frac{7}{12},\qquad p_3=\frac{5}{12}
$$
**(2)**
$$ p_k=\frac{2}{3}p_{k-1}+\frac{1}{36} \qquad (2\leqq k\leqq n)
$$
**(3)**
$$ p_k=\frac{1}{12}+\frac{3}{4}\left(\frac{2}{3}\right)^{k-1} \qquad (1\leqq k\leqq n)
$$