基礎問題集
数学B 数列「数列・確率」の問題18 解説
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解説
方針・初手
点 $P$ が $A$ にいる確率だけを追えばよい。各回の移動は、直前に $A$ にいたか $B$ にいたかによって決まるので、$n-1$ 回目の状態から $n$ 回目の状態への遷移を考える。
サイコロで $1$ の目が出る確率は $\dfrac{1}{6}$、$1$ 以外の目が出る確率は $\dfrac{5}{6}$ である。
解法1
まず $p_1$ を求める。初め $P$ は $A$ にいる。1回目に $A$ にいるのは、$1$ 以外の目が出て、その場にとどまる場合である。したがって
$$ p_1=\frac{5}{6}
$$
である。
次に $p_2$ を求める。2回目に $A$ にいる場合は、次の2通りである。
(i) 1回目の後に $A$ にいて、2回目に $1$ 以外の目が出る。
(ii) 1回目の後に $B$ にいて、2回目に $1$ の目が出る。
1回目の後に $A$ にいる確率は $p_1=\dfrac{5}{6}$、$B$ にいる確率は $1-p_1=\dfrac{1}{6}$ であるから、
$$ \begin{aligned} p_2 &= \frac{5}{6}\cdot\frac{5}{6} + \frac{1}{6}\cdot\frac{1}{6} &= \frac{25}{36}+\frac{1}{36} \\ \frac{13}{18} \end{aligned} $$
である。
次に、$n\geqq 2$ とする。$n$ 回目の後に $P$ が $A$ にいる場合を、$n-1$ 回目の後の位置で分ける。
$n-1$ 回目の後に $A$ にいて、$n$ 回目に $1$ 以外の目が出れば、$P$ は $A$ にとどまる。この確率は
$$ p_{n-1}\cdot \frac{5}{6}
$$
である。
また、$n-1$ 回目の後に $B$ にいて、$n$ 回目に $1$ の目が出れば、$P$ は $A$ に移る。この確率は
$$ (1-p_{n-1})\cdot \frac{1}{6}
$$
である。
よって
$$ \begin{aligned} p_n &= \frac{5}{6}p_{n-1} + \frac{1}{6}(1-p_{n-1}) \\ &= \frac{5}{6}p_{n-1} + \frac{1}{6} &=
\frac{1}{6}p_{n-1} \\ &= \frac{2}{3}p_{n-1} + \frac{1}{6} \end{aligned}
$$
である。
次に、$2p_n-1$ と $2p_{n-1}-1$ の関係を調べる。上の漸化式より、
$$ \begin{aligned} 2p_n-1 &= 2\left(\frac{2}{3}p_{n-1}+\frac{1}{6}\right)-1 \\ &= \frac{4}{3}p_{n-1}+\frac{1}{3}-1 \\ &= \frac{4}{3}p_{n-1}-\frac{2}{3} \\ &= \frac{2}{3}(2p_{n-1}-1) \end{aligned}
$$
となる。したがって
$$ \begin{aligned} \frac{2p_n-1}{2p_{n-1}-1} &= \frac{2}{3} \end{aligned} $$
である。
最後に一般項を求める。上で得た関係
$$ 2p_n-1=\frac{2}{3}(2p_{n-1}-1)
$$
より、数列 $2p_n-1$ は公比 $\dfrac{2}{3}$ の等比数列である。
また、
$$ \begin{aligned} 2p_1-1 &= 2\cdot\frac{5}{6}-1 \\ \frac{5}{3}-1 \\ \frac{2}{3} \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} 2p_n-1 &= \left(\frac{2}{3}\right)^n \end{aligned} $$
となる。よって
$$ \begin{aligned} p_n &= \frac{1}{2}\left\{1+\left(\frac{2}{3}\right)^n\right\} \end{aligned} $$
である。
解説
この問題は、現在の位置が $A$ か $B$ かだけで次の状態が決まるため、確率漸化式を立てるのが自然である。
重要なのは、$n$ 回目に $A$ にいる確率を直接数え上げるのではなく、$n-1$ 回目に $A$ にいた場合と $B$ にいた場合に分けることである。これにより
$$ p_n=\frac{2}{3}p_{n-1}+\frac{1}{6}
$$
という1次の漸化式が得られる。
また、この漸化式はそのまま解くよりも、$2p_n-1$ の形に変形すると等比数列になる。これは、確率が最終的に $\dfrac{1}{2}$ に近づくことを反映している。
答え
**(1)**
$$ p_1=\frac{5}{6},\qquad p_2=\frac{13}{18}
$$
**(2)**
$$ p_n=\frac{2}{3}p_{n-1}+\frac{1}{6} \qquad (n\geqq 2)
$$
**(3)**
$$ \begin{aligned} \frac{2p_n-1}{2p_{n-1}-1} &= \frac{2}{3} \end{aligned} $$
**(4)**
$$ p_n= \frac{1}{2}\left\{1+\left(\frac{2}{3}\right)^n\right\}
$$