基礎問題集
数学B 数列「数列・確率」の問題33 解説
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解説
方針・初手
時刻 $n+1$ に部屋 $A$ にいる確率は、時刻 $n$ に部屋 $A$ にいてそのまま残る場合と、時刻 $n$ に部屋 $B$ にいて部屋 $A$ に移る場合の和で表す。
また、常に
$$ a_n+b_n=1
$$
が成り立つので、$b_n=1-a_n$ を用いて $a_n$ だけの漸化式に直す。
解法1
時刻 $n+1$ に部屋 $A$ にいるのは、次の2通りである。
時刻 $n$ に部屋 $A$ にいて、確率 $\dfrac{9}{10}$ で部屋 $A$ にとどまる場合。
時刻 $n$ に部屋 $B$ にいて、確率 $\dfrac{1}{15}$ で部屋 $A$ に移る場合。
したがって、
$$ a_{n+1}=\frac{9}{10}a_n+\frac{1}{15}b_n
$$
である。ここで $a_n+b_n=1$ より $b_n=1-a_n$ だから、
$$ \begin{aligned} a_{n+1} &=\frac{9}{10}a_n+\frac{1}{15}(1-a_n)\\ &=\left(\frac{9}{10}-\frac{1}{15}\right)a_n+\frac{1}{15}\\ &=\frac{5}{6}a_n+\frac{1}{15} \end{aligned}
$$
となる。
よって、空欄は
$$ \text{カ}=\frac{9}{10},\qquad \text{キ}=\frac{1}{15},\qquad \text{ク}=\frac{5}{6}
$$
である。
次に、漸化式
$$ a_{n+1}=\frac{5}{6}a_n+\frac{1}{15}
$$
を解く。
定数解を $\alpha$ とすると、
$$ \alpha=\frac{5}{6}\alpha+\frac{1}{15}
$$
より、
$$ \frac{1}{6}\alpha=\frac{1}{15}
$$
であるから、
$$ \alpha=\frac{2}{5}
$$
となる。
したがって、
$$ \begin{aligned} a_{n+1}-\frac{2}{5} &= \frac{5}{6}\left(a_n-\frac{2}{5}\right) \end{aligned} $$
である。よって、数列 $\left\{a_n-\dfrac{2}{5}\right\}$ は公比 $\dfrac{5}{6}$ の等比数列である。
初期条件 $a_0=1$ より、
$$ a_0-\frac{2}{5}=\frac{3}{5}
$$
だから、
$$ \begin{aligned} a_n-\frac{2}{5} &= \frac{3}{5}\left(\frac{5}{6}\right)^n \end{aligned} $$
である。したがって、
$$ a_n=\frac{2}{5}+\frac{3}{5}\left(\frac{5}{6}\right)^n
$$
となる。
次に、$a_n<b_n$ となる最小の自然数 $n$ を求める。
$a_n+b_n=1$ なので、
$$ a_n<b_n
$$
は
$$ a_n<\frac{1}{2}
$$
と同値である。よって、
$$ \frac{2}{5}+\frac{3}{5}\left(\frac{5}{6}\right)^n<\frac{1}{2}
$$
を解けばよい。
両辺を整理すると、
$$ \frac{3}{5}\left(\frac{5}{6}\right)^n<\frac{1}{10}
$$
であるから、
$$ \left(\frac{5}{6}\right)^n<\frac{1}{6}
$$
を得る。
常用対数をとると、
$$ n\log_{10}\frac{5}{6}<\log_{10}\frac{1}{6}
$$
である。ここで $\log_{10}\dfrac{5}{6}<0$ なので、不等号の向きに注意して、
$$ n>\frac{\log_{10}\frac{1}{6}}{\log_{10}\frac{5}{6}}
$$
となる。
与えられた近似値より、
$$ \log_{10}6=\log_{10}2+\log_{10}3=0.30+0.48=0.78
$$
である。したがって、
$$ \log_{10}\frac{1}{6}=-0.78
$$
また、
$$ \begin{aligned} \log_{10}\frac{5}{6} &= \log_{10}5-\log_{10}6 \\ 0.70-0.78 \\ -0.08 \end{aligned} $$
である。よって、
$$ n>\frac{-0.78}{-0.08}=9.75
$$
となる。
したがって、これを満たす最小の自然数は
$$ n=10
$$
である。
解説
この問題は、2状態の確率の遷移を漸化式で表す典型問題である。
重要なのは、$a_{n+1}$ を考えるときに「直前に部屋 $A$ にいた場合」と「直前に部屋 $B$ にいた場合」を分けて足し合わせることである。その後、$a_n+b_n=1$ を使えば、$a_n$ だけの一次漸化式に帰着できる。
また、$a_n<b_n$ は $a_n<\dfrac{1}{2}$ と言い換えられる。この変形を使うことで、最後は等比数列の不等式を対数で処理するだけになる。
答え
$$ \text{カ}=\frac{9}{10},\qquad \text{キ}=\frac{1}{15},\qquad \text{ク}=\frac{5}{6}
$$
$$ \text{ケ}=\frac{2}{5}+\frac{3}{5}\left(\frac{5}{6}\right)^n
$$
$$ \text{コ}=10
$$