基礎問題集
数学B 数列「数列・確率」の問題35 解説
数学Bの数列「数列・確率」にある問題35の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
点 $P$ の位置は、各時刻で $A,B,C$ のいずれかである。したがって、まず「次の時刻に各頂点へ来るには、1つ前の時刻にどこにいればよいか」を考えて漸化式を立てる。
反時計回りの順を $A,B,C$、時計回りの順を $A,C,B$ として混同しないことが重要である。
解法1
時刻 $0$ では点 $P$ は $A$ にあるので、
$$ a_0=1,\quad b_0=0,\quad c_0=0
$$
である。また、任意の $n$ について
$$ a_n+b_n+c_n=1
$$
が成り立つ。
まず、$n+1$ 秒後に $A$ にいる場合を考える。$n$ 秒後に $B$ にいて反時計回りに動く場合、または $n$ 秒後に $C$ にいて時計回りに動く場合である。よって、
$$ a_{n+1}=\frac{1}{3}b_n+\frac{2}{3}c_n
$$
である。
同様にして、
$$ \begin{aligned} a_{n+1}&=\frac{1}{3}b_n+\frac{2}{3}c_n,\\ b_{n+1}&=\frac{2}{3}a_n+\frac{1}{3}c_n,\\ c_{n+1}&=\frac{1}{3}a_n+\frac{2}{3}b_n \end{aligned}
$$
を得る。
次に、$a_{n+2}$ を $c_n$ を用いて表す。上の式より、
$$ \begin{aligned} a_{n+2} &=\frac{1}{3}b_{n+1}+\frac{2}{3}c_{n+1}\\ &=\frac{1}{3}\left(\frac{2}{3}a_n+\frac{1}{3}c_n\right) +\frac{2}{3}\left(\frac{1}{3}a_n+\frac{2}{3}b_n\right)\\ &=\frac{4}{9}a_n+\frac{4}{9}b_n+\frac{1}{9}c_n \end{aligned}
$$
ここで $a_n+b_n+c_n=1$ より、$a_n+b_n=1-c_n$ である。したがって、
$$ \begin{aligned} a_{n+2} &=\frac{4}{9}(a_n+b_n)+\frac{1}{9}c_n\\ &=\frac{4}{9}(1-c_n)+\frac{1}{9}c_n\\ &=\frac{4}{9}-\frac{1}{3}c_n \end{aligned}
$$
よって、
$$ a_{n+2}=\frac{4}{9}-\frac{1}{3}c_n
$$
である。
同様に、添字を循環させると、
$$ b_{n+2}=\frac{4}{9}-\frac{1}{3}a_n,\qquad c_{n+2}=\frac{4}{9}-\frac{1}{3}b_n
$$
も成り立つ。
次に、$a_{n+6}$ を $a_n$ を用いて表す。まず、
$$ \begin{aligned} c_{n+4} &=\frac{4}{9}-\frac{1}{3}b_{n+2}\\ &=\frac{4}{9}-\frac{1}{3}\left(\frac{4}{9}-\frac{1}{3}a_n\right)\\ &=\frac{4}{9}-\frac{4}{27}+\frac{1}{9}a_n\\ &=\frac{8}{27}+\frac{1}{9}a_n \end{aligned}
$$
である。これを $a_{n+6}$ の式に代入すると、
$$ \begin{aligned} a_{n+6} &=\frac{4}{9}-\frac{1}{3}c_{n+4}\\ &=\frac{4}{9}-\frac{1}{3}\left(\frac{8}{27}+\frac{1}{9}a_n\right)\\ &=\frac{4}{9}-\frac{8}{81}-\frac{1}{27}a_n\\ &=\frac{28}{81}-\frac{1}{27}a_n \end{aligned}
$$
したがって、
$$ a_{n+6}=\frac{28}{81}-\frac{1}{27}a_n
$$
である。
最後に、$a_{6k+1}$ を求める。$x_k=a_{6k+1}$ とおくと、上の式より、
$$ x_{k+1}=\frac{28}{81}-\frac{1}{27}x_k
$$
である。また、出発して $1$ 秒後には $A$ から隣の頂点へ必ず移動しているので、
$$ x_0=a_1=0
$$
である。
この漸化式の定数解を求める。$x=\frac{28}{81}-\frac{1}{27}x$ とすると、
$$ \frac{28}{27}x=\frac{28}{81}
$$
より、
$$ x=\frac{1}{3}
$$
である。したがって、
$$ x_{k+1}-\frac{1}{3} =-\frac{1}{27}\left(x_k-\frac{1}{3}\right)
$$
となる。これを繰り返すと、
$$ \begin{aligned} x_k-\frac{1}{3} &=\left(-\frac{1}{27}\right)^k\left(x_0-\frac{1}{3}\right)\\ &=\left(-\frac{1}{27}\right)^k\left(-\frac{1}{3}\right) \end{aligned}
$$
よって、
$$ x_k=\frac{1}{3}-\frac{1}{3}\left(-\frac{1}{27}\right)^k
$$
である。したがって、
$$ a_{6k+1}=\frac{1}{3}\left\{1-\left(-\frac{1}{27}\right)^k\right\}
$$
を得る。
解説
この問題では、点の移動を「確率の漸化式」として処理するのが基本である。特に、$a_{n+1}$ を求めるときに「$A$ から出る確率」ではなく、「$A$ に入ってくる確率」を考える必要がある。
また、$a_{n+2}$ を求めた後、$a_n+b_n+c_n=1$ を使って $c_n$ だけの式に整理するのが重要である。この形にすると、$2$ 秒ごとの関係を繰り返し使うことで、$a_{n+6}$ を $a_n$ だけで表せる。
最後の $a_{6k+1}$ は、$6$ 秒ごとの漸化式を一次漸化式として解けばよい。定数解 $\frac{1}{3}$ を引いて等比数列に直すのが標準的な処理である。
答え
**(1)**
$$ \begin{aligned} a_{n+1}&=\frac{1}{3}b_n+\frac{2}{3}c_n,\\ b_{n+1}&=\frac{2}{3}a_n+\frac{1}{3}c_n,\\ c_{n+1}&=\frac{1}{3}a_n+\frac{2}{3}b_n \end{aligned}
$$
**(2)**
$$ a_{n+2}=\frac{4}{9}-\frac{1}{3}c_n
$$
**(3)**
$$ a_{n+6}=\frac{28}{81}-\frac{1}{27}a_n
$$
**(4)**
$$ a_{6k+1}=\frac{1}{3}\left\{1-\left(-\frac{1}{27}\right)^k\right\}
$$