基礎問題集
数学B 数列「数列の和」の問題1 解説
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解説
方針・初手
与えられた例と同じく、差
$$ (k+1)^m-k^m
$$
を $k=1,2,\dots,n$ で足し合わせると、左辺が望遠和になり、多項式の和を求めることができる。
(1) では $(k+1)^4-k^4$ を足し合わせる。途中で $\sum k^2$ が必要になるため、先に同じ方法で $\sum k^2$ を求めておく。
(2) では $(k+1)^6-k^6$ を用いる。$\sum k^5$ の最高次と次の係数だけを求めればよいので、$\sum k^4$ の最高次係数だけを利用すればよい。
解法1
まず、例より
$$ \sum_{k=1}^{n} k=\frac{n(n+1)}{2}
$$
である。
さらに
$$ (k+1)^3-k^3=3k^2+3k+1
$$
を $k=1,2,\dots,n$ で足すと、
$$ (n+1)^3-1=3\sum_{k=1}^{n}k^2+3\sum_{k=1}^{n}k+n
$$
となる。したがって
$$ \begin{aligned} 3\sum_{k=1}^{n}k^2 &=(n+1)^3-1-3\cdot\frac{n(n+1)}{2}-n \\ &=n^3+3n^2+3n-\frac{3n^2+3n}{2}-n \\ &=n^3+\frac{3}{2}n^2+\frac{1}{2}n. \end{aligned}
$$
よって
$$ \sum_{k=1}^{n}k^2 =\frac{1}{3}n^3+\frac{1}{2}n^2+\frac{1}{6}n =\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}
$$
である。
(1)
恒等式
$$ (k+1)^4-k^4=4k^3+6k^2+4k+1
$$
を $k=1,2,\dots,n$ で足すと、
$$ \begin{aligned} (n+1)^4-1 &= 4\sum_{k=1}^{n}k^3 + 6\sum_{k=1}^{n}k^2 + 4\sum_{k=1}^{n}k + n \end{aligned} $$
となる。
ここに
$$ \sum_{k=1}^{n}k=\frac{n(n+1)}{2},\qquad \sum_{k=1}^{n}k^2=\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}
$$
を代入する。
すると
$$ \begin{aligned} 4\sum_{k=1}^{n}k^3 &=(n+1)^4-1 -6\cdot\frac{n(n+1)(2n+1)}{6} -4\cdot\frac{n(n+1)}{2} -n \\ &=(n+1)^4-1 -n(n+1)(2n+1) -2n(n+1) -n. \end{aligned}
$$
右辺を整理する。
$$ \begin{aligned} 4\sum_{k=1}^{n}k^3 &=(n^4+4n^3+6n^2+4n) -(2n^3+3n^2+n) -(2n^2+2n) -n \\ &=n^4+2n^3+n^2 \\ &=n^2(n+1)^2. \end{aligned}
$$
したがって
$$ \sum_{k=1}^{n}k^3=\frac{n^2(n+1)^2}{4}
$$
である。
(2)
まず、$\sum_{k=1}^{n}k^4$ の最高次係数を求める。
恒等式
$$ (k+1)^5-k^5=5k^4+10k^3+10k^2+5k+1
$$
を $k=1,2,\dots,n$ で足すと、
$$ \begin{aligned} (n+1)^5-1 &= 5\sum_{k=1}^{n}k^4 + 10\sum_{k=1}^{n}k^3 + 10\sum_{k=1}^{n}k^2 + 5\sum_{k=1}^{n}k + n \end{aligned} $$
となる。
ここで、$\sum k^3,\sum k^2,\sum k$ はそれぞれ $n$ について高々 $4$ 次、$3$ 次、$2$ 次の多項式である。したがって、右辺で $n^5$ の項をもつのは $5\sum k^4$ だけである。
左辺
$$ (n+1)^5-1
$$
の $n^5$ の係数は $1$ であるから、$\sum_{k=1}^{n}k^4$ の $n^5$ の係数を $c$ とおくと、
$$ 5c=1
$$
より
$$ c=\frac{1}{5}
$$
である。すなわち
$$ \sum_{k=1}^{n}k^4
$$
は $n$ についての $5$ 次式であり、その最高次係数は $\frac{1}{5}$ である。
次に、恒等式
$$ (k+1)^6-k^6=6k^5+15k^4+20k^3+15k^2+6k+1
$$
を $k=1,2,\dots,n$ で足す。
$$ \begin{aligned} (n+1)^6-1 &= 6\sum_{k=1}^{n}k^5 + 15\sum_{k=1}^{n}k^4 + 20\sum_{k=1}^{n}k^3 + 15\sum_{k=1}^{n}k^2 + 6\sum_{k=1}^{n}k + n \end{aligned} $$
となる。
ここで、$\sum k^4$ は $5$ 次式、$\sum k^3,\sum k^2,\sum k$ はそれぞれ高々 $4$ 次、$3$ 次、$2$ 次の多項式である。したがって、上式から $\sum k^5$ は $n$ についての $6$ 次式である。
いま
$$ \sum_{k=1}^{n}k^5=an^6+bn^5+\cdots
$$
とおく。また、上で求めたように
$$ \sum_{k=1}^{n}k^4=\frac{1}{5}n^5+\cdots
$$
である。
左辺を展開すると、
$$ (n+1)^6-1=n^6+6n^5+15n^4+20n^3+15n^2+6n
$$
である。
両辺の $n^6$ の係数を比較すると、
$$ 6a=1
$$
より
$$ a=\frac{1}{6}
$$
である。
次に、$n^5$ の係数を比較する。右辺で $n^5$ の項に関係するのは
$$ 6\sum_{k=1}^{n}k^5 \quad\text{と}\quad 15\sum_{k=1}^{n}k^4
$$
であるから、
$$ 6b+15\cdot\frac{1}{5}=6
$$
となる。よって
$$ 6b+3=6
$$
であり、
$$ b=\frac{1}{2}
$$
である。
したがって
$$ \sum_{k=1}^{n}k^5
$$
は $n$ についての $6$ 次式であり、その $6$ 次の項の係数は $\frac{1}{6}$、$5$ 次の項の係数は $\frac{1}{2}$ である。
解説
この問題の中心は、差 $(k+1)^m-k^m$ を足し合わせると左辺が
$$ 2^m-1^m+3^m-2^m+\cdots+(n+1)^m-n^m=(n+1)^m-1
$$
のように途中が消えることである。
(1) では $\sum k^3$ を求めるために $(k+1)^4-k^4$ を使う。ただし右辺に $\sum k^2$ も出てくるので、先に $\sum k^2$ を同じ方法で求めておく必要がある。
(2) では $\sum k^5$ の完全な式までは不要である。最高次係数と次の係数だけを求めるには、各和の次数と最高次係数だけを見ればよい。特に、$\sum k^4$ の最高次係数が $\frac{1}{5}$ であることが分かれば、$\sum k^5$ の $n^6,n^5$ の係数を比較だけで求められる。
答え
**(1)**
$$ \sum_{k=1}^{n}k^3=\frac{n^2(n+1)^2}{4}
$$
**(2)**
$$ \sum_{k=1}^{n}k^5
$$
は $n$ についての $6$ 次式である。
また、
$$ \sum_{k=1}^{n}k^5=\frac{1}{6}n^6+\frac{1}{2}n^5+\cdots
$$
であるから、$6$ 次の項の係数は
$$ \frac{1}{6}
$$
$5$ 次の項の係数は
$$ \frac{1}{2}
$$
である。