基礎問題集
数学B 数列「数列の和」の問題31 解説
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解説
方針・初手
係数が $1,2,3,\ldots,n$ と変化し、指数が $0,1,2,\ldots,n-1$ と増えていく和である。このような和は、全体を $S$ とおき、$xS$ とずらして差をとると係数がそろって処理できる。
解法1
求める和を
$$ S=1+2x+3x^2+\cdots+nx^{n-1}
$$
とおく。
両辺に $x$ をかけると、
$$ xS=x+2x^2+3x^3+\cdots+(n-1)x^{n-1}+nx^n
$$
である。したがって、$S-xS$ を計算すると、中間の項の係数が $1$ ずつ残り、
$$ \begin{aligned} S-xS &=1+x+x^2+\cdots+x^{n-1}-nx^n \\ &=\frac{1-x^n}{1-x}-nx^n \end{aligned}
$$
となる。ここで $x\neq 1$ より、等比数列の和の公式を用いることができる。
よって、
$$ (1-x)S=\frac{1-x^n}{1-x}-nx^n
$$
である。右辺を通分すると、
$$ \begin{aligned} (1-x)S &=\frac{1-x^n-nx^n(1-x)}{1-x} \\ &=\frac{1-x^n-nx^n+nx^{n+1}}{1-x} \\ &=\frac{1-(n+1)x^n+nx^{n+1}}{1-x} \end{aligned}
$$
したがって、
$$ S=\frac{1-(n+1)x^n+nx^{n+1}}{(1-x)^2}
$$
である。
解法2
等比数列の和
$$ 1+x+x^2+\cdots+x^n=\frac{1-x^{n+1}}{1-x}
$$
を利用する。
両辺を $x$ で微分すると、左辺は
$$ 0+1+2x+3x^2+\cdots+nx^{n-1}
$$
となる。これは求める和そのものである。
したがって、
$$ S=\frac{d}{dx}\left(\frac{1-x^{n+1}}{1-x}\right)
$$
である。商の微分を用いると、
$$ \begin{aligned} S &=\frac{-(n+1)x^n(1-x)-(1-x^{n+1})(-1)}{(1-x)^2} \\ &=\frac{-(n+1)x^n+(n+1)x^{n+1}+1-x^{n+1}}{(1-x)^2} \\ &=\frac{1-(n+1)x^n+nx^{n+1}}{(1-x)^2} \end{aligned}
$$
よって、
$$ 1+2x+3x^2+\cdots+nx^{n-1} =\frac{1-(n+1)x^n+nx^{n+1}}{(1-x)^2}
$$
である。
解説
この問題は、等比数列に一次的な係数がついた和であり、典型的には「$S$ とおいて $xS$ を引く」か、「等比数列の和を微分する」ことで処理する。
解法1は高校数学の範囲で最も標準的で、$x\neq 1$ という条件も自然に使える。解法2は微分を使える場面では短く処理できるが、等比数列の和を微分してよいことを理解している必要がある。
答え
$$ 1+2x+3x^2+\cdots+nx^{n-1} =\frac{1-(n+1)x^n+nx^{n+1}}{(1-x)^2}
$$