基礎問題集
数学B 数列「数列の和」の問題40 解説
数学Bの数列「数列の和」にある問題40の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
将来の収入・支出を比較する問題なので、すべてを「現在の価値」に換算してから比べる。
$n$ 年後の $A_n$ 万円の現在価値は
$$ \frac{A_n}{(1+r)^n}
$$
である。したがって、毎年同額が発生する場合は等比数列の和として処理する。
解法1
案1では、今年に $100$ 万円を支出し、$1$ 年後から $10$ 年後まで毎年 $12$ 万円の収入がある。
$1$ 年後に得られる $12$ 万円の現在価値は
$$ \frac{12}{1+r}
$$
万円である。
よって、
$$ \text{[チ]}=\frac{12}{1+r}
$$
である。
次に、$1$ 年後から $10$ 年後まで毎年 $12$ 万円を受け取るので、その現在価値の合計は
$$ \frac{12}{1+r}+\frac{12}{(1+r)^2}+\cdots+\frac{12}{(1+r)^{10}}
$$
である。
これは初項 $\dfrac{12}{1+r}$、公比 $\dfrac{1}{1+r}$、項数 $10$ の等比数列の和であるから、
$$ \begin{aligned} \frac{12}{1+r}+\frac{12}{(1+r)^2}+\cdots+\frac{12}{(1+r)^{10}} &=\frac{\dfrac{12}{1+r}\left\{1-\left(\dfrac{1}{1+r}\right)^{10}\right\}}{1-\dfrac{1}{1+r}}\\ &=\frac{\dfrac{12}{1+r}\left\{1-\dfrac{1}{(1+r)^{10}}\right\}}{\dfrac{r}{1+r}}\\ &=\frac{12}{r}\left\{1-\frac{1}{(1+r)^{10}}\right\} \end{aligned}
$$
となる。
したがって、
$$ \text{[ツ]}=12,\qquad \text{[テ]}=r,\qquad \text{[ト]}=(1+r)^{10}
$$
である。
$r=0.03$、$(1.03)^{10}=1.34$ とすると、②は
$$ \frac{12}{0.03}\left(1-\frac{1}{1.34}\right) =400\left(1-\frac{1}{1.34}\right)
$$
である。
ここで、
$$ 1-\frac{1}{1.34} =\frac{1.34-1}{1.34} =\frac{0.34}{1.34}
$$
より、
$$ 400\cdot \frac{0.34}{1.34} =\frac{136}{1.34} \fallingdotseq 101.49
$$
である。小数第1位を四捨五入して整数で答えるので、
$$ \text{[ナ]}=101
$$
である。
次に、案2では、$1$ 年後から $10$ 年後まで毎年 $C$ 万円の維持費がかかる。この維持費全体の現在価値は
$$ \frac{C}{1+r}+\frac{C}{(1+r)^2}+\cdots+\frac{C}{(1+r)^{10}}
$$
である。
これも初項 $\dfrac{C}{1+r}$、公比 $\dfrac{1}{1+r}$、項数 $10$ の等比数列の和であるから、
$$ \begin{aligned} \frac{C}{1+r}+\frac{C}{(1+r)^2}+\cdots+\frac{C}{(1+r)^{10}} &=\frac{\dfrac{C}{1+r}\left\{1-\left(\dfrac{1}{1+r}\right)^{10}\right\}}{1-\dfrac{1}{1+r}}\\ &=\frac{C}{r}\left\{1-\frac{1}{(1+r)^{10}}\right\} \end{aligned}
$$
となる。
したがって、
$$ \text{[ニ]}=C,\qquad \text{[ヌ]}=r,\qquad \text{[ネ]}=(1+r)^{10}
$$
である。
案1の現在価値で見た利潤は、収入の現在価値から最初の支出 $100$ 万円を引いて
$$ \frac{12}{r}\left\{1-\frac{1}{(1+r)^{10}}\right\}-100
$$
である。
案2の現在価値で見た利潤は、収入がなく、維持費だけがかかるので
$$ -\frac{C}{r}\left\{1-\frac{1}{(1+r)^{10}}\right\}
$$
である。
案1を選ぶべき条件は、案1の利潤が案2の利潤以上になることである。したがって、
$$ \frac{12}{r}\left\{1-\frac{1}{(1+r)^{10}}\right\}-100 \geqq -\frac{C}{r}\left\{1-\frac{1}{(1+r)^{10}}\right\}
$$
である。
左辺にまとめると、
$$ \frac{12+C}{r}\left\{1-\frac{1}{(1+r)^{10}}\right\}-100\geqq 0
$$
となる。
よって、
$$ \text{[ノ]}=12+C,\qquad \text{[ハ]}=r,\qquad \text{[ヒ]}=(1+r)^{10},\qquad \text{[フ]}=100
$$
である。
解説
この問題の中心は、将来の金額を単純に足し引きしないことである。$1$ 年後、$2$ 年後、$\ldots$、$10$ 年後の金額は、それぞれ現在価値が異なるため、必ず
$$ \frac{1}{(1+r)^n}
$$
をかけて現在価値に直す必要がある。
毎年同じ金額が発生する部分は、現在価値に直すと
$$ \frac{1}{1+r},\frac{1}{(1+r)^2},\ldots,\frac{1}{(1+r)^{10}}
$$
という等比数列になる。この等比数列の和を使うことで、
$$ \frac{\text{毎年の金額}}{r}\left\{1-\frac{1}{(1+r)^{10}}\right\}
$$
という形に整理できる。
最後の比較では、「案1の利潤」と「案2の利潤」をそれぞれ現在価値で表し、案1が案2以上になる条件を立てればよい。
答え
**(1)**
$$ \text{[チ]}=\frac{12}{1+r}
$$
$$ \text{[ツ]}=12,\qquad \text{[テ]}=r,\qquad \text{[ト]}=(1+r)^{10}
$$
**(2)**
$$ \text{[ナ]}=101
$$
**(3)**
$$ \text{[ニ]}=C,\qquad \text{[ヌ]}=r,\qquad \text{[ネ]}=(1+r)^{10}
$$
**(4)**
$$ \text{[ノ]}=12+C,\qquad \text{[ハ]}=r,\qquad \text{[ヒ]}=(1+r)^{10},\qquad \text{[フ]}=100
$$