基礎問題集
数学B 数列「数列の和」の問題66 解説
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解説
方針・初手
$n$ は正の奇数であるから、$1$ から $n$ までの奇数は
$$ 1,3,5,\ldots,n
$$
であり、その個数は
$$ \frac{n+1}{2}
$$
個である。
したがって、まず奇数を $2k-1$ とおいて和を計算する。その後、得られた式を用いて、割り切れるかどうかを最大公約数や合同式で調べる。
解法1
$1$ から $n$ までの奇数の個数を
$$ m=\frac{n+1}{2}
$$
とおく。このとき、奇数は
$$ 1,3,5,\ldots,2m-1
$$
であり、$2m-1=n$ である。
まず $S_n$ は、初項 $1$、末項 $n$、項数 $m$ の等差数列の和であるから、
$$ S_n=\frac{m(1+n)}{2}
$$
である。ここで $m=\frac{n+1}{2}$ を代入すると、
$$ S_n=\frac{1}{2}\cdot \frac{n+1}{2}\cdot (n+1) =\frac{(n+1)^2}{4}
$$
となる。
次に $T_n$ は
$$ T_n=1^2+3^2+5^2+\cdots+n^2
$$
である。$k=1,2,\ldots,m$ に対して第 $k$ 項の奇数は $2k-1$ であるから、
$$ T_n=\sum_{k=1}^{m}(2k-1)^2
$$
である。これを展開すると、
$$ \begin{aligned} T_n &=\sum_{k=1}^{m}(4k^2-4k+1)\\ &=4\sum_{k=1}^{m}k^2-4\sum_{k=1}^{m}k+\sum_{k=1}^{m}1\\ &=4\cdot \frac{m(m+1)(2m+1)}{6} -4\cdot \frac{m(m+1)}{2} +m \end{aligned}
$$
となる。整理すると、
$$ \begin{aligned} T_n &=\frac{2m(m+1)(2m+1)}{3}-2m(m+1)+m\\ &=m\left\{\frac{2(m+1)(2m+1)}{3}-2(m+1)+1\right\}\\ &=m\left\{\frac{2(m+1)(2m+1)-6(m+1)+3}{3}\right\}\\ &=m\left\{\frac{4m^2+6m+2-6m-6+3}{3}\right\}\\ &=m\cdot \frac{4m^2-1}{3}\\ &=\frac{m(2m-1)(2m+1)}{3} \end{aligned}
$$
である。
ここで $m=\frac{n+1}{2}$ より、
$$ 2m-1=n,\qquad 2m+1=n+2
$$
である。したがって、
$$ T_n=\frac{1}{3}\cdot \frac{n+1}{2}\cdot n(n+2) =\frac{n(n+1)(n+2)}{6}
$$
となる。
次に、$(n+1)^2$ と $n$ が互いに素であることを示す。
$d$ を $n$ と $(n+1)^2$ の公約数とする。このとき $d\mid n$ であるから、
$$ n\equiv 0 \pmod d
$$
である。よって、
$$ n+1\equiv 1 \pmod d
$$
なので、
$$ (n+1)^2\equiv 1 \pmod d
$$
である。一方、$d\mid (n+1)^2$ だから、
$$ (n+1)^2\equiv 0 \pmod d
$$
でもある。したがって、
$$ 1\equiv 0 \pmod d
$$
となり、$d=1$ でなければならない。
よって、
$$ \gcd\left((n+1)^2,n\right)=1
$$
である。
次に、$3$ 以上の奇数 $n$ に対して、$S_n$ が $n$ で割り切れないことを示す。
先に求めた式より、
$$ S_n=\frac{(n+1)^2}{4}
$$
である。ここで $n$ は奇数だから、$n$ と $4$ は互いに素である。
仮に $S_n$ が $n$ で割り切れるとすると、
$$ n\mid S_n
$$
である。両辺に $4$ をかけると、
$$ n\mid 4S_n
$$
である。ところが、
$$ 4S_n=(n+1)^2
$$
だから、
$$ n\mid (n+1)^2
$$
となる。
しかし、すでに示したように $(n+1)^2$ と $n$ は互いに素である。したがって、$n\mid (n+1)^2$ が成り立つには $n=1$ でなければならない。
これは $n\geqq 3$ に反する。よって、$3$ 以上の奇数 $n$ に対して、$S_n$ は $n$ で割り切れない。
最後に、$T_n$ が $n$ で割り切れる条件を求める。
先に求めた式より、
$$ T_n=\frac{n(n+1)(n+2)}{6}
$$
である。したがって、$T_n$ が $n$ で割り切れることは、
$$ \frac{T_n}{n}=\frac{(n+1)(n+2)}{6}
$$
が整数であることと同値である。
$n$ は奇数であるから、$n+1$ は偶数である。よって、$(n+1)(n+2)$ は必ず $2$ で割り切れる。
したがって、問題は $3$ で割り切れるかどうかである。すなわち、
$$ \frac{(n+1)(n+2)}{6}
$$
が整数であるための条件は、
$$ 3\mid (n+1)(n+2)
$$
である。
$n$ を $3$ で割った余りで場合分けする。
**(i)**
$n\equiv 0 \pmod 3$ のとき
$$ n+1\equiv 1 \pmod 3,\qquad n+2\equiv 2 \pmod 3
$$
であるから、
$$ (n+1)(n+2)\equiv 2 \pmod 3
$$
となり、$3$ で割り切れない。
**(ii)**
$n\equiv 1 \pmod 3$ のとき
$$ n+2\equiv 0 \pmod 3
$$
であるから、
$$ 3\mid (n+1)(n+2)
$$
である。
**(iii)**
$n\equiv 2 \pmod 3$ のとき
$$ n+1\equiv 0 \pmod 3
$$
であるから、
$$ 3\mid (n+1)(n+2)
$$
である。
よって、$T_n$ が $n$ で割り切れるための条件は、
$$ n\not\equiv 0 \pmod 3
$$
すなわち、
$$ 3\nmid n
$$
である。
$n$ は奇数なので、これを $6$ での合同式で表せば、
$$ n\equiv 1,5 \pmod 6
$$
である。
解説
この問題では、$n$ が奇数であるため、$1$ から $n$ までの奇数の個数が $\frac{n+1}{2}$ 個になることを最初に押さえるのが重要である。
$S_n$ については、奇数の和の公式
$$ 1+3+5+\cdots+(2m-1)=m^2
$$
を用いればすぐに
$$ S_n=\left(\frac{n+1}{2}\right)^2
$$
と分かる。
$T_n$ については、平方和の公式を使って
$$ 1^2+3^2+\cdots+(2m-1)^2=\frac{m(2m-1)(2m+1)}{3}
$$
に帰着させるのが自然である。
割り切れるかどうかを調べる場面では、式の形だけで判断せず、分母の $6$ のうち、$2$ と $3$ の要素を分けて見る必要がある。特に $n$ が奇数であることから $n+1$ が偶数になるため、$2$ の問題は自動的に解決する。残る条件は $3$ の倍数性だけである。
答え
**(1)**
$$ S_n=\frac{(n+1)^2}{4}
$$
$$ T_n=\frac{n(n+1)(n+2)}{6}
$$
**(2)**
$$ \gcd\left((n+1)^2,n\right)=1
$$
である。したがって、$(n+1)^2$ と $n$ は互いに素である。
**(3)**
$3$ 以上の奇数 $n$ に対して、$S_n$ は $n$ で割り切れない。
**(4)**
$T_n$ が $n$ で割り切れるための条件は
$$ 3\nmid n
$$
である。
$n$ が奇数であることを含めて合同式で書けば、
$$ n\equiv 1,5 \pmod 6
$$
である。