基礎問題集
数学B 数列「数列の和」の問題69 解説
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解説
方針・初手
図の平行四辺形は、すべて同じ2方向の辺でできている。したがって、数えるべき平行四辺形は「横方向の2本の線」と「斜め方向の2本の線」を選んでできるものに限られる。
$n$ 番目の図形では、下から順に
$$ 2n-1,\ 2n-3,\ 2n-5,\ \ldots,\ 1
$$
個の小さい平行四辺形が並んでいる。そこで、何段分の高さをもつ平行四辺形かを固定して数える。
解法1
下から $0,1,2,\ldots,n-1$ 段目と番号をつける。第 $j$ 段には
$$ 2n-1-2j
$$
個の小さい平行四辺形があり、上の段に行くごとに左右から1個ずつ短くなる。
いま、高さが $h$ 段分の平行四辺形を考える。下端が第 $b$ 段にあるとすると、その平行四辺形は第
$$ b,\ b+1,\ \ldots,\ b+h-1
$$
段をまたぐ。したがって
$$ 0\leq b\leq n-h
$$
である。
この $h$ 段すべてにわたって平行四辺形を作るには、横幅の位置は最も短い一番上の段、すなわち第 $b+h-1$ 段に収まっていなければならない。
第 $b+h-1$ 段で使える小さい平行四辺形の個数は
$$ 2n-1-2(b+h-1)=2(n-b-h)+1
$$
個である。
この中から連続した横幅を選べばよい。小さい平行四辺形が $L$ 個並んでいるとき、連続した部分の選び方は、境界線 $L+1$ 本から左右2本を選ぶことに等しいので
$$ {}_{L+1}\mathrm{C}_{2}
$$
通りである。
ここでは
$$ L=2(n-b-h)+1
$$
だから、下端が第 $b$ 段で高さが $h$ 段分の平行四辺形の個数は
$$ {}_{2(n-b-h)+2}\mathrm{C}_{2}
$$
である。
よって、$n$ 番目の図形に含まれる平行四辺形の総数を $S_n$ とすると
$$ S_n=\sum_{h=1}^{n}\sum_{b=0}^{n-h}{}_{2(n-b-h)+2}\mathrm{C}_{2}
$$
である。
ここで
$$ r=n-b-h
$$
とおく。$r$ を固定すると、$h$ は $1,2,\ldots,n-r$ の $n-r$ 通りある。また
$$ {}_{2r+2}\mathrm{C}_{2}=(r+1)(2r+1)
$$
であるから
$$ S_n=\sum_{r=0}^{n-1}(n-r)(r+1)(2r+1)
$$
となる。
さらに $k=r+1$ とおくと
$$ S_n=\sum_{k=1}^{n}(n+1-k)k(2k-1)
$$
である。これを計算する。
$$ \begin{aligned} S_n &=(n+1)\sum_{k=1}^{n}(2k^2-k)-\sum_{k=1}^{n}(2k^3-k^2)\\ &=(2n+3)\sum_{k=1}^{n}k^2-(n+1)\sum_{k=1}^{n}k-2\sum_{k=1}^{n}k^3\\ &=(2n+3)\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}-(n+1)\frac{n(n+1)}{2}-2\left\{\frac{n(n+1)}{2}\right\}^2\\ &=\frac{n^2(n+1)(n+2)}{6} \end{aligned}
$$
したがって、$n$ 番目の図形に含まれる平行四辺形の総数は
$$ \frac{n^2(n+1)(n+2)}{6}
$$
である。
これに $n=2,3,4$ を代入する。
$$ S_2=\frac{2^2\cdot3\cdot4}{6}=8
$$
$$ S_3=\frac{3^2\cdot4\cdot5}{6}=30
$$
$$ S_4=\frac{4^2\cdot5\cdot6}{6}=80
$$
解説
この問題では、小さい平行四辺形の個数だけを数えるのではなく、複数個をまとめてできる大きな平行四辺形もすべて数える必要がある。
重要なのは、「高さを固定する」ことである。高さが決まると、その平行四辺形が収まる横幅は一番上の段の長さで制限される。そこから左右の境界線を選ぶことで、連続した横幅を漏れなく数えられる。
直接図を見て数える方法では、2番目・3番目までは対応できるが、4番目以降で数え漏れが起こりやすい。一般の $n$ 番目まで考えるには、段数と横幅を変数で整理するのが有効である。
答え
**(1)**
$8$ 個
**(2)**
$30$ 個
**(3)**
$80$ 個
**(4)**
$$ \frac{n^2(n+1)(n+2)}{6}
$$