基礎問題集
数学B 数列「数列の和」の問題70 解説
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解説
方針・初手
和 $f_k(n)=\sum_{m=1}^n m^k$ を直接計算するのではなく、差
$$ m^{r}-(m-1)^r
$$
を $m$ の多項式として展開し、$m=1,2,\dots,n$ で足し合わせる。左辺は望ましく消去して $n^r$ になるため、$f_k(n)$ をより低次の $f_j(n)$ と結びつけられる。
解法1
(1)
与えられた等式
$$ m^3-(m-1)^3=3m^2-3m+1
$$
を $m=1,2,\dots,n$ について足し合わせる。
左辺は望ましく消去して
$$ \sum_{m=1}^n{m^3-(m-1)^3}=n^3
$$
となる。一方、右辺は
$$ \sum_{m=1}^n(3m^2-3m+1)=3f_2(n)-3f_1(n)+n
$$
である。したがって
$$ n^3=3f_2(n)-3f_1(n)+n
$$
である。
ここで
$$ f_1(n)=\frac{1}{2}n(n+1)
$$
を用いると、
$$ n^3=3f_2(n)-\frac{3}{2}n(n+1)+n
$$
となる。よって
$$ 3f_2(n)=n^3+\frac{3}{2}n(n+1)-n
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} f_2(n) &=\frac{1}{3}n^3+\frac{1}{2}n(n+1)-\frac{1}{3}n \\ &=\frac{1}{3}n^3+\frac{1}{2}n^2+\frac{1}{6}n \\ &=\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1). \end{aligned}
$$
したがって
$$ f_2(n)=\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)
$$
である。
(2)
まず、$f_0(n)$ を
$$ f_0(n)=\sum_{m=1}^n 1=n
$$
と定める。
一般に、二項定理より
$$ m^{k+1}-(m-1)^{k+1} =(k+1)m^k-{}_{k+1}\mathrm{C}_{2}m^{k-1}+{}_{k+1}\mathrm{C}_{3}m^{k-2}-\cdots+(-1)^k
$$
である。
これを $m=1,2,\dots,n$ について足し合わせると、左辺は
$$ \sum_{m=1}^n{m^{k+1}-(m-1)^{k+1}}=n^{k+1}
$$
となる。よって
$$ n^{k+1} =(k+1)f_k(n)-{}_{k+1}\mathrm{C}_{2}f_{k-1}(n)+{}_{k+1}\mathrm{C}_{3}f_{k-2}(n)-\cdots+(-1)^k f_0(n)
$$
である。
この式を $f_k(n)$ について解くと、
$$ f_k(n) =\frac{1}{k+1}n^{k+1} +\frac{1}{k+1} \left\{ {}_{k+1}\mathrm{C}_{2}f_{k-1}(n)-{}_{k+1}\mathrm{C}_{3}f_{k-2}(n)+\cdots-(-1)^k f_0(n) \right\}
$$
となる。
ここで $f_0(n)=n$ は $n$ の $1$ 次式であり、$f_1(n)$ は $n$ の $2$ 次式である。上の関係式により、$f_0(n),f_1(n),\dots,f_{k-1}(n)$ がそれぞれ $n$ の多項式ならば、$f_k(n)$ も $n$ の多項式である。
また、右辺の第1項
$$ \frac{1}{k+1}n^{k+1}
$$
以外の部分は、$f_{k-1}(n),f_{k-2}(n),\dots,f_0(n)$ の線形結合である。帰納法の仮定により、これらの次数はそれぞれ高くても $k,k-1,\dots,1$ であるから、$n^{k+1}$ の項は第1項からしか現れない。
したがって、$f_k(n)$ は $n$ についての $(k+1)$ 次式であり、$n^{k+1}$ の係数は
$$ \frac{1}{k+1}
$$
である。
(3)
$f_k(n)$ における $n^k$ の係数を $a_k$ とおく。
(2) で得た関係式
$$ n^{k+1} =(k+1)f_k(n)-{}_{k+1}\mathrm{C}_{2}f_{k-1}(n)+{}_{k+1}\mathrm{C}_{3}f_{k-2}(n)-\cdots+(-1)^k f_0(n)
$$
において、両辺の $n^k$ の係数を比較する。
左辺 $n^{k+1}$ には $n^k$ の項がないので、その係数は $0$ である。
右辺で $n^k$ の項を生むのは、$(k+1)f_k(n)$ と $-{}_{k+1}\mathrm{C}_{2}f_{k-1}(n)$ のみである。なぜなら、$f_{k-2}(n),f_{k-3}(n),\dots,f_0(n)$ の次数は高くても $k-1$ 以下だからである。
また、(2) より、$f_{k-1}(n)$ における最高次項 $n^k$ の係数は
$$ \frac{1}{k}
$$
である。
したがって、$n^k$ の係数を比較して
$$ 0=(k+1)a_k-{}_{k+1}\mathrm{C}_{2}\cdot\frac{1}{k}
$$
を得る。よって
$$ \begin{aligned} (k+1)a_k &=\frac{(k+1)k}{2}\cdot\frac{1}{k} \\ &=\frac{k+1}{2} \end{aligned}
$$
であるから、
$$ a_k=\frac{1}{2}
$$
である。
したがって、$f_k(n)$ における $n^k$ の係数は
$$ \frac{1}{2}
$$
である。
解説
この問題の中心は、累乗和を直接求めるのではなく、差
$$ m^{r}-(m-1)^r
$$
を足し合わせることで、左辺を $n^r$ に簡約する点にある。
(1) はその具体例であり、$m^3-(m-1)^3$ から $f_2(n)$ を求める問題である。
(2) では同じ発想を一般化し、
$$ m^{k+1}-(m-1)^{k+1}
$$
を展開することで、$f_k(n)$ を $f_{k-1}(n),f_{k-2}(n),\dots,f_0(n)$ によって表す。これにより、帰納的に $f_k(n)$ が $n$ の $(k+1)$ 次式であることが分かる。
(3) では多項式全体を求める必要はない。次数に注目して、$n^k$ の係数を比較すればよい。$f_{k-2}(n)$ 以下は次数が低いため、$n^k$ の係数には影響しない。この見極めが重要である。
答え
**(1)**
$$ f_2(n)=\frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)
$$
**(2)**
$f_k(n)$ は $n$ についての $(k+1)$ 次式であり、$n^{k+1}$ の係数は
$$ \frac{1}{k+1}
$$
である。
**(3)**
$f_k(n)$ における $n^k$ の係数は
$$ \frac{1}{2}
$$
である。