基礎問題集
数学B 数列「2項間漸化式」の問題16 解説
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解説
方針・初手
漸化式の右辺には $3^n$ が共通して現れるので、$a_n$ を $3^n$ で割った数列 $b_n$ を考えると、一次式の差分に帰着できる。
後半は、まず $a_n$ の一般項から $S(k)$ を $k$ の式で表し、隣り合う差 $S(k)-S(k+1)$ の符号を調べる。
解法1
$b_n=\dfrac{a_n}{3^n}$ とおくと、
$$ b_1=\frac{a_1}{3}=\frac{-84}{3}=-28
$$
である。
また、漸化式
$$ a_{n+1}=3a_n-2\cdot 3^{n+2}n+28\cdot 3^{n+1}
$$
の両辺を $3^{n+1}$ で割ると、
$$ \begin{aligned} \frac{a_{n+1}}{3^{n+1}} &= \frac{a_n}{3^n} -2\cdot 3n +28 \end{aligned} $$
より、
$$ b_{n+1}=b_n-6n+28
$$
を得る。
したがって、
$$ b_n=b_1+\sum_{j=1}^{n-1}(-6j+28)
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} b_n &=-28-6\cdot \frac{(n-1)n}{2}+28(n-1)\\ &=-28-3n(n-1)+28n-28\\ &=-3n^2+31n-56 \end{aligned}
$$
となる。
よって、
$$ \begin{aligned} a_n=3^n b_n &= 3^n(-3n^2+31n-56) \end{aligned} $$
である。因数分解すると、
$$ a_n=3^n(8-n)(3n-7)
$$
である。
次に、
$$ S(k)=a_k+a_{k+1}+a_{k+2}+a_{k+3}
$$
を求める。
$a_n=3^n(-3n^2+31n-56)$ を用いると、
$$ \begin{aligned} S(k) &=3^k{(-3k^2+31k-56)\\ &\quad+3[-3(k+1)^2+31(k+1)-56]\\ &\quad+9[-3(k+2)^2+31(k+2)-56]\\ &\quad+27[-3(k+3)^2+31(k+3)-56]} \end{aligned}
$$
である。
中身を整理する。各項は
$$ \begin{aligned} -3k^2+31k-56,\\ -3(k+1)^2+31(k+1)-56&=-3k^2+25k-28,\\ -3(k+2)^2+31(k+2)-56&=-3k^2+19k-6,\\ -3(k+3)^2+31(k+3)-56&=-3k^2+13k+10 \end{aligned}
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} S(k) &=3^k{(-3k^2+31k-56)\\ &\quad+3(-3k^2+25k-28)\\ &\quad+9(-3k^2+19k-6)\\ &\quad+27(-3k^2+13k+10)}\\ &=3^k(-120k^2+628k+76) \end{aligned}
$$
となる。
以後、隣り合う差を調べる。
$$ S(k)=4\cdot 3^k(-30k^2+157k+19)
$$
と書けるので、
$$ \begin{aligned} S(k)-S(k+1) &=4\cdot 3^k{(-30k^2+157k+19)\\ &\quad-3[-30(k+1)^2+157(k+1)+19]}\\ &=4\cdot 3^k(60k^2-134k-419) \end{aligned}
$$
である。
したがって、$4\cdot 3^k>0$ より、$S(k)-S(k+1)$ の符号は
$$ 60k^2-134k-419
$$
の符号で決まる。
まず、
$$ \begin{aligned} 60\cdot 2^2-134\cdot 2-419 &= 240-268-419 \\ -447<0 \end{aligned} $$
より、
$$ S(2)-S(3)<0
$$
である。
また、
$$ \begin{aligned} 60\cdot 8^2-134\cdot 8-419 &= 3840-1072-419 \\ 2349>0 \end{aligned} $$
より、
$$ S(8)-S(9)>0
$$
である。
最後に、$S(k)$ が最大となる $k$ を求める。
$$ D(k)=60k^2-134k-419
$$
とおくと、
$$ S(k)-S(k+1)=4\cdot 3^kD(k)
$$
である。
自然数 $k$ について、
$$ \begin{aligned} D(3)=60\cdot 9-134\cdot 3-419 &= 540-402-419 \\ -281<0 \end{aligned} $$
であり、
$$ \begin{aligned} D(4)=60\cdot 16-134\cdot 4-419 &= 960-536-419 \\ 5>0 \end{aligned} $$
である。
また、$D(k)$ は上に開く二次式であり、$k\geqq 4$ では増加するので、$k\geqq 4$ において $D(k)>0$ である。
したがって、
$$ S(1)<S(2)<S(3)<S(4)
$$
かつ
$$ S(4)>S(5)>S(6)>\cdots
$$
である。
よって、$S(k)$ が最大となる自然数 $k$ は
$$ k=4
$$
である。
解説
この問題の前半では、漸化式の非斉次項に $3^n$ が含まれていることに注目する。$b_n=\dfrac{a_n}{3^n}$ とおくと、$3$ 倍の項が消えて
$$ b_{n+1}=b_n-6n+28
$$
という単純な階差型の漸化式になる。
後半では、$S(k)$ そのものの値を直接比較するよりも、隣り合う差 $S(k)-S(k+1)$ を調べるのが有効である。最大値を与える $k$ は、$S(k)$ が増加から減少へ変わる位置で決まる。
今回、
$$ S(k)-S(k+1)=4\cdot 3^k(60k^2-134k-419)
$$
となり、符号は二次式 $60k^2-134k-419$ だけで判定できる。$k=3$ では負、$k=4$ では正となるため、$S(k)$ は $k=4$ で最大になる。
答え
**(1)**
$$ b_1=-28
$$
$$ b_{n+1}=b_n-6n+28
$$
$$ a_n=3^n(-3n^2+31n-56)=3^n(8-n)(3n-7)
$$
**(2)**
$$ S(2)-S(3)<0
$$
$$ S(8)-S(9)>0
$$
**(3)**
$$ k=4
$$