基礎問題集
数学B 数列「2項間漸化式」の問題56 解説
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解説
方針・初手
$f(x)$ は $x=1$ を境に定義が変わる。したがって、まず $x \leqq 1$ と $x>1$ に分けて $f(x)-x$ を調べる。
その後、数列 ${a_n}$ については、初項 $a$ が $1$ 以下か $1$ より大きいかで、以後どちらの式を使い続けるかが決まる。各場合で漸化式を一次漸化式として解けばよい。
解法1
まず、すべての実数 $x$ について $f(x) \geqq x$ を示す。
**(i)**
$x \leqq 1$ のとき
$$ f(x)-x=\left(\frac{1}{2}x+\frac{1}{2}\right)-x=\frac{1-x}{2}
$$
である。$x \leqq 1$ より $1-x \geqq 0$ だから、
$$ f(x)-x \geqq 0
$$
となる。よって $f(x) \geqq x$ である。
**(ii)**
$x>1$ のとき
$$ f(x)-x=(2x-1)-x=x-1
$$
である。$x>1$ より $x-1>0$ だから、
$$ f(x)-x>0
$$
となる。よって $f(x) \geqq x$ である。
以上より、すべての実数 $x$ について
$$ f(x) \geqq x
$$
が成り立つ。
次に、$a \leqq 1$ のとき、すべての正の整数 $n$ について $a_n \leqq 1$ であることを示す。
$n=1$ のとき、$a_1=a$ であり、仮定より $a \leqq 1$ だから、
$$ a_1 \leqq 1
$$
である。
ある正の整数 $k$ について $a_k \leqq 1$ と仮定する。このとき、$f$ の定義より
$$ a_{k+1}=f(a_k)=\frac{1}{2}a_k+\frac{1}{2}
$$
である。$a_k \leqq 1$ より、
$$ a_{k+1} =\frac{1}{2}a_k+\frac{1}{2} \leqq \frac{1}{2}\cdot 1+\frac{1}{2} =1
$$
となる。
したがって数学的帰納法により、$a \leqq 1$ のとき、すべての正の整数 $n$ について
$$ a_n \leqq 1
$$
が成り立つ。
最後に、一般項を求める。
**(i)**
$a \leqq 1$ のとき
先ほど示したように、すべての正の整数 $n$ について $a_n \leqq 1$ である。したがって、常に $x \leqq 1$ の側の式を使えばよいので、
$$ a_{n+1}=\frac{1}{2}a_n+\frac{1}{2}
$$
である。
この式から $1$ を引くと、
$$ \begin{aligned} a_{n+1}-1 &= \frac{1}{2}a_n+\frac{1}{2}-1 \\ \frac{1}{2}(a_n-1) \end{aligned} $$
となる。よって ${a_n-1}$ は公比 $\frac{1}{2}$ の等比数列である。
初項は
$$ a_1-1=a-1
$$
だから、
$$ a_n-1=(a-1)\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1}
$$
である。したがって、
$$ a_n=1+\frac{a-1}{2^{n-1}}
$$
となる。
**(ii)**
$a>1$ のとき
このとき $a_1=a>1$ である。また、$a_n>1$ ならば
$$ a_{n+1}=2a_n-1
$$
であり、
$$ a_{n+1}-1=2a_n-2=2(a_n-1)>0
$$
だから $a_{n+1}>1$ である。
よって数学的帰納法により、すべての正の整数 $n$ について $a_n>1$ である。したがって、常に $x>1$ の側の式を使えばよいので、
$$ a_{n+1}=2a_n-1
$$
である。
この式から $1$ を引くと、
$$ a_{n+1}-1=2(a_n-1)
$$
となる。よって ${a_n-1}$ は公比 $2$ の等比数列である。
初項は
$$ a_1-1=a-1
$$
だから、
$$ a_n-1=2^{n-1}(a-1)
$$
である。したがって、
$$ a_n=1+2^{n-1}(a-1)
$$
となる。
解説
この問題の中心は、$x=1$ が不動点であることに気づくことである。実際、
$$ f(1)=1
$$
であり、$a_n-1$ を考えると漸化式が等比数列になる。
ただし、$f(x)$ は $x=1$ を境に式が変わるため、初項 $a$ が $1$ 以下か $1$ より大きいかで場合分けが必要である。
$a \leqq 1$ のときは、帰納法によって $a_n \leqq 1$ が保たれるので、常に
$$ a_{n+1}=\frac{1}{2}a_n+\frac{1}{2}
$$
を使う。一方、$a>1$ のときは $a_n>1$ が保たれるので、常に
$$ a_{n+1}=2a_n-1
$$
を使う。
どちらの場合も、$a_n-1$ に着目すれば等比数列として処理できる。
答え
**(1)**
すべての実数 $x$ について
$$ f(x) \geqq x
$$
が成り立つ。
**(2)**
$a \leqq 1$ のとき、すべての正の整数 $n$ について
$$ a_n \leqq 1
$$
が成り立つ。
**(3)**
一般項は
$$ a_n= \begin{cases} 1+\dfrac{a-1}{2^{n-1}} & (a \leqq 1),\\[6pt] 1+2^{n-1}(a-1) & (a>1) \end{cases}
$$
である。