基礎問題集
数学C 複素数平面「複素数平面」の問題6 解説
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解説
方針・初手
実数係数の3次方程式で虚数解をもつので,虚数解を $\alpha$ とすると,その共役複素数 $\overline{\alpha}$ も解である。
したがって,3つの解は
$$ \alpha,\ \overline{\alpha},\ r
$$
と表せる。ただし $\alpha$ は実数でない複素数,$r$ は実数である。
条件より,各解を3乗しても再び解になるので,この3つの解の集合が写像 $z\mapsto z^3$ で閉じていることを調べればよい。
解法1
$f(x)=0$ の解を
$$ \alpha,\ \overline{\alpha},\ r
$$
とする。ただし $\alpha\notin \mathbb{R}$,$r\in\mathbb{R}$ である。
まず,$r$ について考える。条件より $r^3$ も $f(x)=0$ の解である。$r^3$ は実数であり,解のうち実数であるものは $r$ だけであるから,
$$ r^3=r
$$
でなければならない。よって
$$ r(r-1)(r+1)=0
$$
より
$$ r=-1,\ 0,\ 1
$$
である。
次に,虚数解 $\alpha$ について考える。条件より $\alpha^3$ も解であるから,
$$ \alpha^3\in {\alpha,\overline{\alpha},r}
$$
である。
**(i)**
$\alpha^3=\alpha$ の場合
$$ \alpha^3=\alpha
$$
より
$$ \alpha(\alpha^2-1)=0
$$
である。したがって
$$ \alpha=0,\ \pm 1
$$
となるが,いずれも実数であり,$\alpha\notin\mathbb{R}$ に反する。
よってこの場合は不適である。
**(ii)**
$\alpha^3=\overline{\alpha}$ の場合
$\alpha=\rho(\cos\theta+i\sin\theta)$ とおく。ただし $\rho>0$ である。
$$ \alpha^3=\overline{\alpha}
$$
より,絶対値を比較して
$$ \rho^3=\rho
$$
である。$\rho>0$ だから $\rho=1$ である。
また,偏角を比較すると
$$ 3\theta\equiv -\theta \pmod{2\pi}
$$
すなわち
$$ 4\theta\equiv 0 \pmod{2\pi}
$$
である。よって
$$ \theta\equiv 0,\ \frac{\pi}{2},\ \pi,\ \frac{3\pi}{2}\pmod{2\pi}
$$
である。
このうち $\alpha$ が実数でないものは
$$ \theta\equiv \frac{\pi}{2},\ \frac{3\pi}{2}\pmod{2\pi}
$$
であるから,
$$ \alpha=i,\ -i
$$
である。したがって虚数解の組は $i,-i$ である。
このとき実数解 $r$ は $-1,0,1$ のいずれでもよいので,
$$ f(x)=(x^2+1)(x-r)
$$
である。ゆえに
$$ r=-1,\ 0,\ 1
$$
に対して,
$$ f(x)=x^3+x^2+x+1,\quad x^3+x,\quad x^3-x^2+x-1
$$
を得る。
**(iii)**
$\alpha^3=r$ の場合
このとき $\overline{\alpha}^3=r$ も成り立つ。
すでに $r=-1,0,1$ である。もし $r=0$ なら $\alpha^3=0$ より $\alpha=0$ となり,$\alpha$ が虚数解であることに反する。したがって
$$ r=\pm 1
$$
である。
$r=1$ のとき,$\alpha$ は $1$ の虚数の3乗根であるから,
$$ \alpha=\cos\frac{2\pi}{3}+i\sin\frac{2\pi}{3}
$$
またはその共役である。したがって3つの解は $1$ の3乗根すべてであり,
$$ f(x)=x^3-1
$$
である。
$r=-1$ のとき,$\alpha$ は $-1$ の虚数の3乗根であるから,3つの解は $-1$ の3乗根すべてであり,
$$ f(x)=x^3+1
$$
である。
以上より,条件を満たす3次式は
$$ x^3-1,\quad x^3+1,\quad x^3+x^2+x+1,\quad x^3+x,\quad x^3-x^2+x-1
$$
である。
最後に確認する。
$f(x)=x^3-1$ の解は $1$ の3乗根であり,どの解 $\alpha$ についても $\alpha^3=1$ だから条件を満たす。
$f(x)=x^3+1$ の解は $-1$ の3乗根であり,どの解 $\alpha$ についても $\alpha^3=-1$ だから条件を満たす。
また,
$$ f(x)=(x^2+1)(x-r)\quad (r=-1,0,1)
$$
の解は $i,-i,r$ である。このとき
$$ i^3=-i,\quad (-i)^3=i,\quad r^3=r
$$
であるから,これらも条件を満たす。
解説
この問題の中心は,係数が実数であることから虚数解が共役な組で現れる点である。3次方程式で虚数解をもつなら,解の形は必ず
$$ \alpha,\ \overline{\alpha},\ r
$$
となる。
あとは「解を3乗してもまた解」という条件を,解の集合
$$ {\alpha,\overline{\alpha},r}
$$
が $z\mapsto z^3$ で閉じている,という条件に言い換える。
特に実数解 $r$ については $r^3$ も実数なので,実数解が1つしかないことから $r^3=r$ と決まる。この処理で $r=-1,0,1$ に絞れる。
虚数解 $\alpha$ については,$\alpha^3$ が $\alpha,\overline{\alpha},r$ のどれになるかを場合分けする。$\alpha^3=\alpha$ は虚数解にならず,$\alpha^3=\overline{\alpha}$ からは $\alpha=\pm i$,$\alpha^3=r$ からは $x^3-1$ と $x^3+1$ が得られる。
答え
求める3次式は
$$ \boxed{x^3-1,\quad x^3+1,\quad x^3+x^2+x+1,\quad x^3+x,\quad x^3-x^2+x-1}
$$
である。