基礎問題集
数学C 複素数平面「複素数平面」の問題16 解説
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解説
方針・初手
$z$ が非実数の場合と実数の場合で性質が異なる。係数 $a,b$ は実数なので、非実数解をもつときは共役な複素数も解になる。一方、$z$ が実数の場合は、もう一つの実数解を文字でおいて、係数条件 $|a|\leqq 1,\ |b|\leqq 1$ を調べる。
解法1
$z=x+yi$ とおく。ただし $x,y$ は実数である。
まず $y\ne 0$、すなわち $z$ が非実数の場合を考える。係数が実数であるから、$\overline{z}=x-yi$ も解である。したがって
$$ z^2+az+b=(z-(x+yi))(z-(x-yi))
$$
となる。右辺を展開すると
$$ (z-(x+yi))(z-(x-yi)) =z^2-2xz+(x^2+y^2)
$$
であるから、係数を比較して
$$ a=-2x,\qquad b=x^2+y^2
$$
を得る。
条件 $|a|\leqq 1,\ |b|\leqq 1$ より
$$ |-2x|\leqq 1,\qquad x^2+y^2\leqq 1
$$
である。したがって
$$ |x|\leqq \frac12,\qquad x^2+y^2\leqq 1
$$
が必要である。
逆に、$|x|\leqq \frac12,\ x^2+y^2\leqq 1$ を満たす $z=x+yi$ に対して
$$ a=-2x,\qquad b=x^2+y^2
$$
とおけば、$a,b$ は実数であり、
$$ |a|=2|x|\leqq 1,\qquad |b|=x^2+y^2\leqq 1
$$
を満たす。このとき
$$ z^2+az+b =z^2-2xz+(x^2+y^2) =(z-(x+yi))(z-(x-yi))
$$
となるので、$z=x+yi$ は確かに解である。
よって、非実数部分を含めて
$$ |x|\leqq \frac12,\qquad x^2+y^2\leqq 1
$$
で表される部分はすべて範囲に含まれる。
次に $z$ が実数の場合を考える。$z=t$ とおく。$t$ が方程式
$$ z^2+az+b=0
$$
の解であるためには
$$ t^2+at+b=0
$$
すなわち
$$ b=-t^2-at
$$
となる実数 $a$ が存在すればよい。条件は
$$ -1\leqq a\leqq 1,\qquad |-t^2-at|\leqq 1
$$
である。
ここで
$$ -t^2-at=-t(t+a)
$$
であるから、$a\in[-1,1]$ の範囲で $|t+a|$ をできるだけ小さくすればよい。
**(i)**
$|t|\leqq 1$ のとき
$a=-t$ と選べば $a\in[-1,1]$ であり、
$$ b=-t(t+a)=0
$$
となる。したがって $|b|\leqq 1$ を満たすので、この範囲の実数 $t$ はすべて可能である。
**(ii)**
$t>1$ のとき
$|t+a|$ が最小になるのは $a=-1$ のときである。このとき
$$ |b|=|-t(t-1)|=t(t-1)
$$
である。したがって必要十分条件は
$$ t(t-1)\leqq 1
$$
である。これを解くと
$$ t^2-t-1\leqq 0
$$
より
$$ 1<t\leqq \frac{1+\sqrt5}{2}
$$
となる。
**(iii)**
$t<-1$ のとき
$|t+a|$ が最小になるのは $a=1$ のときである。このとき
$$ |b|=|-t(t+1)|
$$
である。$u=-t>1$ とおけば
$$ |b|=u(u-1)
$$
となるから、条件は
$$ u(u-1)\leqq 1
$$
である。したがって
$$ u\leqq \frac{1+\sqrt5}{2}
$$
すなわち
$$ -\frac{1+\sqrt5}{2}\leqq t<-1
$$
となる。
以上より、実数解として取りうる範囲は
$$ -\frac{1+\sqrt5}{2}\leqq t\leqq \frac{1+\sqrt5}{2}
$$
である。
したがって、求める範囲は
$$ \left\{z=x+yi\mid |x|\leqq \frac12,\ x^2+y^2\leqq 1\right\} \cup \left\{z\in\mathbb{R}\mid |z|\leqq \frac{1+\sqrt5}{2}\right\}
$$
である。
図示すると、複素数平面上で、円 $x^2+y^2\leqq 1$ の内部のうち、縦の帯
$$ -\frac12\leqq x\leqq \frac12
$$
に入る部分すべてと、実軸上の線分
$$ -\frac{1+\sqrt5}{2}\leqq x\leqq \frac{1+\sqrt5}{2}
$$
を合わせた図形である。境界もすべて含む。
解説
非実数解については、係数が実数であることから共役解を利用するのが最短である。このとき係数は
$$ a=-2\operatorname{Re}z,\qquad b=|z|^2
$$
と決まり、条件 $|a|\leqq 1,\ |b|\leqq 1$ がそのまま
$$ |\operatorname{Re}z|\leqq \frac12,\qquad |z|\leqq 1
$$
に変換される。
一方、実数解では、非実数の場合のようにもう一つの解が共役で決まるわけではない。そのため、$z=t$ を代入して $a$ を動かし、$|b|\leqq 1$ を満たせるかを調べる必要がある。ここを非実数の場合と同じ処理で済ませると、実軸上の
$$ \frac12<|x|\leqq \frac{1+\sqrt5}{2}
$$
を落としてしまう。
答え
求める範囲は
$$ \boxed{ \left\{z=x+yi\mid |x|\leqq \frac12,\ x^2+y^2\leqq 1\right\} \cup \left\{z\in\mathbb{R}\mid |z|\leqq \frac{1+\sqrt5}{2}\right\} }
$$
である。
すなわち、単位円 $x^2+y^2\leqq 1$ の内部で $-\frac12\leqq x\leqq \frac12$ を満たす部分に、実軸上の線分
$$ -\frac{1+\sqrt5}{2}\leqq x\leqq \frac{1+\sqrt5}{2}
$$
を加えた図形である。