基礎問題集
数学C 複素数平面「複素数平面(図形問題)」の問題5 解説
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解説
方針・初手
まず $b_1,b_2,b_3$ を直接計算し、3点を通る円を求める。
その後、$b_n$ 自身の漸化式を作る。$a_{n+2}=a_{n+1}+a_n$ より、$b_n$ は
$$ b_{n+1}=1+\frac{1}{b_n}
$$
を満たす。この変換が、求めた円を円自身に移すことを示せばよい。
解法1
まず $b_1,b_2,b_3$ を求める。
$$ a_1=1,\quad a_2=i,\quad a_3=1+i,\quad a_4=1+2i
$$
であるから、
$$ b_1=\frac{a_2}{a_1}=i
$$
$$ b_2=\frac{a_3}{a_2}=\frac{1+i}{i}=1-i
$$
$$ b_3=\frac{a_4}{a_3}=\frac{1+2i}{1+i}=\frac{(1+2i)(1-i)}{2}=\frac{3+i}{2}
$$
したがって、3点はそれぞれ複素数平面上で
$$ i=(0,1),\quad 1-i=(1,-1),\quad \frac{3+i}{2}=\left(\frac{3}{2},\frac{1}{2}\right)
$$
に対応する。
円 $C$ の中心を $(p,q)$ とする。この3点からの距離が等しいので、
$$ p^2+(1-q)^2=(1-p)^2+(-1-q)^2
$$
より、
$$ p-2q=\frac{1}{2}
$$
また、
$$ p^2+(1-q)^2=\left(\frac{3}{2}-p\right)^2+\left(\frac{1}{2}-q\right)^2
$$
より、
$$ 3p-q=\frac{3}{2}
$$
これらを連立すると、
$$ p=\frac{1}{2},\quad q=0
$$
である。よって円 $C$ の中心は
$$ \frac{1}{2}
$$
である。
半径は、例えば点 $i$ との距離を用いて
$$ \left|i-\frac{1}{2}\right| =\sqrt{\left(-\frac{1}{2}\right)^2+1^2} =\frac{\sqrt{5}}{2}
$$
である。したがって円 $C$ は
$$ \left|z-\frac{1}{2}\right|=\frac{\sqrt{5}}{2}
$$
で表される。
次に、すべての $b_n$ がこの円周上にあることを示す。
定義より
$$ b_n=\frac{a_{n+1}}{a_n}
$$
である。また、漸化式 $a_{n+2}=a_{n+1}+a_n$ を用いると、
$$ b_{n+1} =\frac{a_{n+2}}{a_{n+1}} =\frac{a_{n+1}+a_n}{a_{n+1}} =1+\frac{a_n}{a_{n+1}} =1+\frac{1}{b_n}
$$
を得る。
ここで、円 $C$ の方程式を変形しておく。複素数 $z$ が円 $C$ 上にあることは
$$ \left|z-\frac{1}{2}\right|^2=\frac{5}{4}
$$
と同値である。これを展開すると、
$$ |z|^2-\operatorname{Re}z+\frac{1}{4}=\frac{5}{4}
$$
より、
$$ |z|^2-\operatorname{Re}z=1
$$
である。
いま、ある $n$ について $b_n$ が円 $C$ 上にあると仮定する。$z=b_n$ とおくと、
$$ |z|^2-\operatorname{Re}z=1
$$
が成り立つ。また $0$ は円 $C$ 上にないので $z\neq 0$ である。
このとき
$$ b_{n+1}=1+\frac{1}{z}
$$
であるから、
$$ b_{n+1}-\frac{1}{2} =\frac{1}{2}+\frac{1}{z} =\frac{z+2}{2z}
$$
となる。したがって
$$ \left|b_{n+1}-\frac{1}{2}\right|^2 =\frac{|z+2|^2}{4|z|^2}
$$
である。
ここで、
$$ |z+2|^2 =|z|^2+4\operatorname{Re}z+4
$$
であり、$|z|^2-\operatorname{Re}z=1$ から $\operatorname{Re}z=|z|^2-1$ である。よって
$$ |z+2|^2 =|z|^2+4(|z|^2-1)+4 =5|z|^2
$$
となる。したがって
$$ \left|b_{n+1}-\frac{1}{2}\right|^2 =\frac{5|z|^2}{4|z|^2} =\frac{5}{4}
$$
である。
ゆえに
$$ \left|b_{n+1}-\frac{1}{2}\right| =\frac{\sqrt{5}}{2}
$$
となり、$b_{n+1}$ も円 $C$ 上にある。
一方、最初に求めた通り $b_1,b_2,b_3$ は円 $C$ 上にある。特に $b_1$ は円 $C$ 上にあるので、上の議論を帰納的に用いることにより、すべての $n=1,2,\cdots$ について $b_n$ は円 $C$ の周上にある。
解説
ポイントは、$a_n$ の漸化式をそのまま扱うのではなく、比 $b_n=\dfrac{a_{n+1}}{a_n}$ の漸化式に直すことである。
$$ b_{n+1}=1+\frac{1}{b_n}
$$
という形になるため、複素数平面上の変換
$$ z\mapsto 1+\frac{1}{z}
$$
が登場する。この変換が円
$$ \left|z-\frac{1}{2}\right|=\frac{\sqrt{5}}{2}
$$
を保つことを示せば、すべての $b_n$ が同じ円周上にあることが分かる。
円の方程式を
$$ \left|z-\frac{1}{2}\right|=\frac{\sqrt{5}}{2}
$$
のまま使うより、
$$ |z|^2-\operatorname{Re}z=1
$$
と変形しておくと、計算が簡潔になる。
答え
**(1)**
円 $C$ の中心は
$$ \frac{1}{2}
$$
半径は
$$ \frac{\sqrt{5}}{2}
$$
である。
**(2)**
すべての $n=1,2,\cdots$ について
$$ \left|b_n-\frac{1}{2}\right|=\frac{\sqrt{5}}{2}
$$
が成り立つ。したがって、すべての点 $b_n$ は円 $C$ の周上にある。