基礎問題集
数学C 複素数平面「複素数平面(図形問題)」の問題14 解説
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解説
方針・初手
各辺を斜辺とする直角二等辺三角形を外側に作るので、各頂点は対応する辺の中点から、辺に垂直な方向へ辺の長さの半分だけ移動した点である。
四角形 $ABCD$ は反時計回りに並んでいるから、辺 $AB$ の外側は有向線分 $AB$ の右側である。複素数平面では、右回りに $90^\circ$ 回転する操作は $-i$ 倍で表される。
解法1
点 $P$ は、$AB$ を斜辺とする直角二等辺三角形 $APB$ の直角の頂点である。
辺 $AB$ の中点は
$$ \frac{\alpha+\beta}{2}
$$
である。また、ベクトル $AB$ に対応する複素数は $\beta-\alpha$ であり、これを右回りに $90^\circ$ 回転したものは
$$ -i(\beta-\alpha)
$$
である。
したがって、外側にある点 $P$ は中点から
$$ -\frac{i}{2}(\beta-\alpha)
$$
だけ移動した点である。よって
$$ p=\frac{\alpha+\beta}{2}-\frac{i}{2}(\beta-\alpha)
$$
である。ただし、$p$ は点 $P$ を表す複素数である。整理すると
$$ p=\frac{(1+i)\alpha+(1-i)\beta}{2}
$$
となる。
同様に、点 $Q,R,S$ を表す複素数をそれぞれ $q,r,s$ とすると、外側に作ることから
$$ q=\frac{\beta+\gamma}{2}-\frac{i}{2}(\gamma-\beta),
$$
$$ r=\frac{\gamma+\delta}{2}-\frac{i}{2}(\delta-\gamma),
$$
$$ s=\frac{\delta+\alpha}{2}-\frac{i}{2}(\alpha-\delta)
$$
である。
四角形 $PQRS$ が平行四辺形であるための必要十分条件は、対角線の中点が一致することである。すなわち
$$ p+r=q+s
$$
である。
ここで、
$$ p+r = \frac{\alpha+\beta+\gamma+\delta}{2} -\frac{i}{2}{(\beta-\alpha)+(\delta-\gamma)},
$$
$$ q+s = \frac{\alpha+\beta+\gamma+\delta}{2} -\frac{i}{2}{(\gamma-\beta)+(\alpha-\delta)}
$$
であるから、$p+r=q+s$ は
$$ (\beta-\alpha)+(\delta-\gamma) = (\gamma-\beta)+(\alpha-\delta)
$$
と同値である。
これを整理すると
$$ 2(\beta+\delta-\alpha-\gamma)=0
$$
より、
$$ \alpha+\gamma=\beta+\delta
$$
を得る。
これは、対角線 $AC$ の中点
$$ \frac{\alpha+\gamma}{2}
$$
と、対角線 $BD$ の中点
$$ \frac{\beta+\delta}{2}
$$
が一致することを意味する。
したがって、四角形 $ABCD$ が平行四辺形であることと同値である。
次に、$PQRS$ が平行四辺形であるとする。このとき、上で示した条件より $ABCD$ は平行四辺形である。
そこで
$$ \beta-\alpha=u,\qquad \delta-\alpha=v
$$
とおく。このとき
$$ \gamma=\alpha+u+v
$$
である。
各点は次のように表される。
$$ p=\alpha+\frac{1-i}{2}u,
$$
$$ q=\alpha+u+\frac{1-i}{2}v,
$$
$$ r=\alpha+v+\frac{1+i}{2}u,
$$
$$ s=\alpha+\frac{1+i}{2}v
$$
である。
よって、隣り合う辺を表す複素数は
$$ q-p = \frac{1+i}{2}u+\frac{1-i}{2}v
$$
であり、
$$ r-q = \frac{-1+i}{2}u+\frac{1+i}{2}v
$$
である。
ここで、
$$ \begin{aligned} i(q-p) &= i\left\{\frac{1+i}{2}u+\frac{1-i}{2}v\right\}\\ &= \frac{-1+i}{2}u+\frac{1+i}{2}v \end{aligned} $$
だから、
$$ r-q=i(q-p)
$$
である。
複素数を $i$ 倍することは、長さを変えずに反時計回りに $90^\circ$ 回転することを表す。したがって、辺 $PQ$ と辺 $QR$ は長さが等しく、互いに垂直である。
すでに $PQRS$ は平行四辺形であるから、隣り合う辺の長さが等しく、かつ直角をもつ。よって、四角形 $PQRS$ は正方形である。
解説
この問題の核心は、直角二等辺三角形の頂点を「斜辺の中点から垂直方向へ移動した点」として複素数で表すことである。
反時計回りに並ぶ凸四角形では、各辺の外側は有向辺の右側であるため、回転は $-i$ 倍を使う。この符号を逆にすると内側の点を取ってしまうので注意が必要である。
また、$PQRS$ が平行四辺形である条件は
$$ p+r=q+s
$$
で処理するのが最も簡潔である。計算すると
$$ \alpha+\gamma=\beta+\delta
$$
が出てくるが、これは $ABCD$ の対角線の中点が一致すること、すなわち $ABCD$ が平行四辺形であることを表している。
最後は、$ABCD$ を平行四辺形として隣り合う辺を $u,v$ で表すと、$PQRS$ の隣り合う辺について
$$ r-q=i(q-p)
$$
が成り立つ。これは、隣り合う辺が等長かつ垂直であることを意味するので、$PQRS$ は正方形である。
答え
**(1)**
点 $P$ を表す複素数は
$$ \boxed{\frac{\alpha+\beta}{2}-\frac{i}{2}(\beta-\alpha)}
$$
すなわち
$$ \boxed{\frac{(1+i)\alpha+(1-i)\beta}{2}}
$$
である。
**(2)**
四角形 $PQRS$ が平行四辺形であるための必要十分条件は
$$ \boxed{\alpha+\gamma=\beta+\delta}
$$
であり、これは
$$ \boxed{\text{四角形 }ABCD\text{ が平行四辺形であること}}
$$
と同値である。
**(3)**
四角形 $PQRS$ が平行四辺形であるならば、四角形 $ABCD$ は平行四辺形である。このとき
$$ r-q=i(q-p)
$$
が成り立つので、$PQRS$ の隣り合う辺は等長かつ垂直である。したがって
$$ \boxed{PQRS\text{ は正方形である}}
$$
である。