基礎問題集
数学C 複素数平面「複素数平面(軌跡問題)」の問題3 解説
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解説
方針・初手
$z=1+\cos t+i\sin t=1+(\cos t+i\sin t)$ と見て、半角公式で極形式に直す。
特に $-180^\circ<t<180^\circ$ より
$$ \cos\frac{t}{2}>0
$$
であることが重要である。これにより、絶対値と偏角を余計な場合分けなしで決められる。
解法1
$z$ を半角公式で変形する。
$$ \begin{aligned} z &=1+\cos t+i\sin t \\ &=2\cos^2\frac{t}{2}+i\cdot 2\sin\frac{t}{2}\cos\frac{t}{2} \\ &=2\cos\frac{t}{2}\left(\cos\frac{t}{2}+i\sin\frac{t}{2}\right). \end{aligned}
$$
ここで $-180^\circ<t<180^\circ$ だから
$$ -90^\circ<\frac{t}{2}<90^\circ
$$
であり、したがって
$$ \cos\frac{t}{2}>0
$$
である。
よって $z$ の絶対値は
$$ |z|=2\cos\frac{t}{2}
$$
であり、偏角は
$$ \arg z=\frac{t}{2}
$$
である。
したがって
$$ z=2\cos\frac{t}{2}\left(\cos\frac{t}{2}+i\sin\frac{t}{2}\right)
$$
であるから、
$$ z^2=4\cos^2\frac{t}{2}\left(\cos t+i\sin t\right)
$$
となる。
よって
$$ \frac{1}{z^2} = \frac{1}{4\cos^2\frac{t}{2}} \left(\cos(-t)+i\sin(-t)\right)
$$
である。
次に
$$ w=\frac{2i}{z^2}
$$
を考える。$2i=2(\cos 90^\circ+i\sin 90^\circ)$ であるから、
$$ \begin{aligned} w &= \frac{2i}{z^2} \\ &= \frac{1}{2\cos^2\frac{t}{2}} \left(\cos(90^\circ-t)+i\sin(90^\circ-t)\right). \end{aligned}
$$
ここで $w=x+iy$ とおくと、
$$ \begin{aligned} x &= \frac{1}{2\cos^2\frac{t}{2}}\cos(90^\circ-t) \\ &= \frac{1}{2\cos^2\frac{t}{2}}\sin t, \end{aligned}
$$
また
$$ \begin{aligned} y &= \frac{1}{2\cos^2\frac{t}{2}}\sin(90^\circ-t) \\ &= \frac{1}{2\cos^2\frac{t}{2}}\cos t. \end{aligned}
$$
半角公式を用いて整理する。
$$ \begin{aligned} x &= \frac{1}{2\cos^2\frac{t}{2}} \cdot 2\sin\frac{t}{2}\cos\frac{t}{2} \\ &= \tan\frac{t}{2}. \end{aligned}
$$
また、
$$ \begin{aligned} y &= \frac{1}{2\cos^2\frac{t}{2}} \left(2\cos^2\frac{t}{2}-1\right) \\ &= 1-\frac{1}{2\cos^2\frac{t}{2}}. \end{aligned}
$$
ここで
$$ x=\tan\frac{t}{2}
$$
より
$$ \frac{1}{\cos^2\frac{t}{2}}=1+\tan^2\frac{t}{2}=1+x^2
$$
である。したがって
$$ \begin{aligned} y &= 1-\frac{1+x^2}{2} \\ &= \frac{1-x^2}{2}. \end{aligned}
$$
よって $w=x+iy$ の描く軌跡は
$$ y=\frac{1-x^2}{2}
$$
である。
また
$$ -90^\circ<\frac{t}{2}<90^\circ
$$
であり、
$$ x=\tan\frac{t}{2}
$$
はすべての実数値をとる。したがって、軌跡はこの放物線全体である。
この放物線は
$$ y=-\frac{1}{2}x^2+\frac{1}{2}
$$
であり、頂点は
$$ \left(0,\frac{1}{2}\right)
$$
で、軸は $y$ 軸、上に凸の放物線である。$x$ 軸との交点は
$$ \left(1,0\right),\quad \left(-1,0\right)
$$
である。
解説
円 $C$ は中心 $1$、半径 $1$ の円なので、$z=1+\cos t+i\sin t$ は円周上の点を表している。ただし $t=\pm180^\circ$ は原点に対応するため、$z=0$ を避ける条件として $-180^\circ<t<180^\circ$ が与えられている。
この問題の核心は
$$ 1+\cos t+i\sin t = 2\cos\frac{t}{2} \left(\cos\frac{t}{2}+i\sin\frac{t}{2}\right)
$$
と変形することである。ここで $\cos(t/2)>0$ が保証されるため、係数 $2\cos(t/2)$ をそのまま絶対値として扱える。
後半では、$w$ の実部と虚部を $t$ で表し、$x=\tan(t/2)$ を用いて媒介変数を消去する。$t/2$ が $(-90^\circ,90^\circ)$ を動くので、$\tan(t/2)$ は全実数を動く。したがって、放物線の一部ではなく全体が軌跡となる。
答え
**(1)**
$$ |z|=2\cos\frac{t}{2},\qquad \arg z=\frac{t}{2}
$$
また、
$$ \frac{1}{z^2} = \frac{1}{4\cos^2\frac{t}{2}} \left(\cos(-t)+i\sin(-t)\right)
$$
である。
**(2)**
$w=x+iy$ とおくと、軌跡は
$$ y=\frac{1-x^2}{2}
$$
である。
これは頂点
$$ \left(0,\frac{1}{2}\right)
$$
軸 $y$ 軸、上に凸の放物線であり、$x$ 軸との交点は
$$ (-1,0),\quad (1,0)
$$
である。