基礎問題集
数学C 複素数平面「複素数平面(軌跡問題)」の問題6 解説
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解説
方針・初手
複素数 $z$ を $z=x+yi$ とおき、絶対値を平面上の距離として処理する。(1) で得られる図形は円であり、(2) は原点からその円までの最短・最長距離、および原点から円を見込む角度で考える。
解法1
$z=x+yi$ とおく。このとき
$$ z+3-\sqrt{3}i=(x+3)+(y-\sqrt{3})i
$$
であり、
$$ z+2-\sqrt{3}i=(x+2)+(y-\sqrt{3})i
$$
である。
したがって、与えられた式
$$ |z+3-\sqrt{3}i|=\sqrt{2}|z+2-\sqrt{3}i|
$$
の両辺を2乗すると、
$$ (x+3)^2+(y-\sqrt{3})^2 = 2{(x+2)^2+(y-\sqrt{3})^2}
$$
となる。これを整理する。
$$ \begin{aligned} x^2+6x+9+(y-\sqrt{3})^2 &=2x^2+8x+8+2(y-\sqrt{3})^2 \\ 0 &=x^2+2x-1+(y-\sqrt{3})^2 \end{aligned}
$$
よって
$$ x^2+2x+(y-\sqrt{3})^2=1
$$
である。平方完成すると、
$$ (x+1)^2+(y-\sqrt{3})^2=2
$$
となる。
したがって、(1) の軌跡は中心 $-1+\sqrt{3}i$、半径 $\sqrt{2}$ の円である。
次に (2) を考える。この円の中心を $A$ とすると、
$$ A=-1+\sqrt{3}i
$$
であり、原点 $O$ から中心 $A$ までの距離は
$$ OA=\sqrt{(-1)^2+(\sqrt{3})^2}=2
$$
である。
円の半径は $\sqrt{2}$ で、$OA=2>\sqrt{2}$ だから、原点は円の外部にある。したがって、$|z|$ の最小値と最大値は、原点と中心を結ぶ直線上で得られる。
よって
$$ 2-\sqrt{2}\le |z|\le 2+\sqrt{2}
$$
である。
次に偏角 $\theta$ の範囲を求める。中心 $A=-1+\sqrt{3}i$ の偏角は
$$ \arg A=\frac{2\pi}{3}
$$
である。
原点から円に引いた接線の接点を $T$ とする。三角形 $OAT$ は $T$ で直角であり、$AT=\sqrt{2}$、$OA=2$ である。中心方向 $OA$ と接線方向 $OT$ のなす角を $\alpha$ とすると、
$$ \sin \alpha=\frac{AT}{OA}=\frac{\sqrt{2}}{2}
$$
であるから、
$$ \alpha=\frac{\pi}{4}
$$
である。
したがって、円上の点 $z$ の偏角は、中心方向 $\frac{2\pi}{3}$ から左右に $\frac{\pi}{4}$ だけ動く範囲である。
$$ \frac{2\pi}{3}-\frac{\pi}{4}\le \theta \le \frac{2\pi}{3}+\frac{\pi}{4}
$$
すなわち
$$ \frac{5\pi}{12}\le \theta \le \frac{11\pi}{12}
$$
である。
解説
この問題の本質は、絶対値を「複素平面上の距離」と見ることである。(1) の式は、点 $z$ から2点 $-3+\sqrt{3}i$、$-2+\sqrt{3}i$ までの距離比を表しているため、軌跡はアポロニウスの円になる。
**(2)**
では、円そのものを直接媒介変数で表すより、原点と円の位置関係を見る方が簡潔である。$|z|$ は原点から円上の点までの距離なので、最小値・最大値は中心との距離 $2$ と半径 $\sqrt{2}$ から直ちに求まる。
偏角の範囲は、原点から円に引いた2本の接線で決まる。中心方向の偏角が $\frac{2\pi}{3}$、そこからのずれが $\frac{\pi}{4}$ であることを押さえればよい。
答え
**(1)**
$$ (x+1)^2+(y-\sqrt{3})^2=2
$$
すなわち、中心 $-1+\sqrt{3}i$、半径 $\sqrt{2}$ の円。
**(2)**
$$ 2-\sqrt{2}\le |z|\le 2+\sqrt{2}
$$
$$ \frac{5\pi}{12}\le \theta \le \frac{11\pi}{12}
$$