基礎問題集
数学C 複素数平面「複素数平面(軌跡問題)」の問題7 解説
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解説
方針・初手
$z$ を極形式で表すと、$z^2$ と $\dfrac{1}{z^2}$ の偏角がそれぞれ $2\theta$、$-2\theta$ となる。したがって、$w$ の実部は $|z|$ と $\arg z$ だけで整理できる。
解法1
$z \ne 0$ より、$z=r(\cos\theta+i\sin\theta)$ とおく。ただし $r>0$ である。
このとき
$$ z^2=r^2(\cos 2\theta+i\sin 2\theta)
$$
であり、また
$$ \frac{1}{z^2} =\frac{1}{r^2}(\cos(-2\theta)+i\sin(-2\theta)) =\frac{1}{r^2}(\cos 2\theta-i\sin 2\theta)
$$
である。
したがって
$$ \begin{aligned} w &=z^2-\frac{1}{z^2} \\ &=r^2(\cos 2\theta+i\sin 2\theta) -\frac{1}{r^2}(\cos 2\theta-i\sin 2\theta) \\ &=\left(r^2-\frac{1}{r^2}\right)\cos 2\theta +i\left(r^2+\frac{1}{r^2}\right)\sin 2\theta \end{aligned}
$$
となる。
よって、$w$ の実部は
$$ \operatorname{Re}w = \left(r^2-\frac{1}{r^2}\right)\cos 2\theta
$$
である。これが正になる条件は
$$ \left(r^2-\frac{1}{r^2}\right)\cos 2\theta>0
$$
である。
ここで $r>0$ だから、
$$ r^2-\frac{1}{r^2}>0 \Longleftrightarrow r>1
$$
であり、
$$ r^2-\frac{1}{r^2}<0 \Longleftrightarrow 0<r<1
$$
である。
したがって、求める範囲は次の2つの場合に分かれる。
**(i)**
$r>1$ のとき
このとき
$$ \cos 2\theta>0
$$
であればよい。これは、複素平面上で実軸寄りの領域、すなわち
$$ |x|>|y|
$$
に対応する。
**(ii)**
$0<r<1$ のとき
このとき
$$ \cos 2\theta<0
$$
であればよい。これは、複素平面上で虚軸寄りの領域、すなわち
$$ |y|>|x|
$$
に対応する。
したがって、$z=x+iy$ とすれば、求める範囲は
$$ \begin{cases} x^2+y^2>1,\quad |x|>|y|,\\ \text{または}\\ 0<x^2+y^2<1,\quad |y|>|x| \end{cases}
$$
である。
境界である単位円 $x^2+y^2=1$ および直線 $y=x,\ y=-x$ 上では $\operatorname{Re}w=0$ となるため、これらは含まない。また $z=0$ はもともと定義されないため含まない。
解法2
$z=x+iy$ とおく。ただし $(x,y)\ne(0,0)$ である。
まず
$$ z^2=(x+iy)^2=x^2-y^2+2xyi
$$
である。また
$$ \begin{aligned} \frac{1}{z^2} &= \frac{1}{(x+iy)^2}\\ &= \frac{(x-iy)^2}{(x^2+y^2)^2}\\ &= \frac{x^2-y^2-2xyi}{(x^2+y^2)^2} \end{aligned} $$
である。
したがって、$w=z^2-\dfrac{1}{z^2}$ の実部は
$$ \begin{aligned} \operatorname{Re}w &=(x^2-y^2)-\frac{x^2-y^2}{(x^2+y^2)^2} \\ &=(x^2-y^2)\left(1-\frac{1}{(x^2+y^2)^2}\right) \end{aligned}
$$
である。
求める条件は
$$ (x^2-y^2)\left(1-\frac{1}{(x^2+y^2)^2}\right)>0
$$
である。
ここで $x^2+y^2>0$ だから、
$$ 1-\frac{1}{(x^2+y^2)^2}>0 \Longleftrightarrow x^2+y^2>1
$$
であり、
$$ 1-\frac{1}{(x^2+y^2)^2}<0 \Longleftrightarrow 0<x^2+y^2<1
$$
である。
また
$$ x^2-y^2>0 \Longleftrightarrow |x|>|y|
$$
であり、
$$ x^2-y^2<0 \Longleftrightarrow |y|>|x|
$$
である。
よって
$$ \operatorname{Re}w>0
$$
となるのは、
$$ x^2+y^2>1,\quad |x|>|y|
$$
または
$$ 0<x^2+y^2<1,\quad |y|>|x|
$$
のときである。
解説
この問題では、$z^2$ と $\dfrac{1}{z^2}$ が同時に現れるため、極形式を用いると実部が簡潔に整理できる。
図示としては、単位円 $x^2+y^2=1$ と2直線 $y=x,\ y=-x$ を境界として考える。単位円の外側では実軸側の2つの領域、単位円の内側では虚軸側の2つの領域を塗ればよい。境界線はいずれも含まない。
答え
$z=x+iy$ とすると、求める範囲は
$$ \boxed{ \left\{(x,y)\mid x^2+y^2>1,\ |x|>|y|\right\} \cup \left\{(x,y)\mid 0<x^2+y^2<1,\ |y|>|x|\right\} }
$$
である。
すなわち、単位円の外側では直線 $y=\pm x$ に挟まれた実軸側の領域、単位円の内側では直線 $y=\pm x$ に挟まれた虚軸側の領域である。ただし、単位円および2直線 $y=\pm x$ は含まない。