基礎問題集
数学C 複素数平面「複素数平面(軌跡問題)」の問題16 解説
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解説
方針・初手
与えられた式 $|z|=2|z-3|$ は、点 $0$ と点 $3$ からの距離の比が一定である点の集合である。まず $z=x+yi$ とおいて円の方程式に直す。
接線については、「接点における半径は接線に垂直である」ことを使う。面積は、原点と2つの接点でできる三角形から、円の内部に入っている弓形部分を引けばよい。
解法1
$z=x+yi$ とおく。ただし $x,y$ は実数である。
与えられた方程式は
$$ \sqrt{x^2+y^2}=2\sqrt{(x-3)^2+y^2}
$$
である。両辺は非負なので、両辺を2乗してよい。すると
$$ x^2+y^2=4{(x-3)^2+y^2}
$$
である。これを整理すると
$$ x^2+y^2=4x^2-24x+36+4y^2
$$
より
$$ 3x^2+3y^2-24x+36=0
$$
すなわち
$$ x^2+y^2-8x+12=0
$$
となる。平方完成して
$$ (x-4)^2+y^2=4
$$
である。
したがって、図形 $C$ は中心 $A(4)$、半径 $2$ の円である。よって
$$ \alpha=4,\qquad r=2
$$
である。
また、原点 $O$ と中心 $A$ の距離は
$$ OA=|4-0|=4
$$
であり、半径は $2$ である。したがって
$$ OA=4>2=r
$$
だから、原点 $O$ は円 $C$ の外部にある。
次に、円 $C$ 上の点 $B(\beta)$ における接線が原点 $O$ を通るとする。$\beta=x+yi$ とおく。
点 $B$ は円 $C$ 上にあるので
$$ (x-4)^2+y^2=4
$$
を満たす。
接線が原点 $O$ を通るということは、直線 $OB$ が点 $B$ における接線であるということである。円の接線は接点における半径に垂直だから、
$$ \overrightarrow{AB}\perp \overrightarrow{OB}
$$
である。ここで
$$ \overrightarrow{AB}=(x-4,y),\qquad \overrightarrow{OB}=(x,y)
$$
より、内積が $0$ であることから
$$ x(x-4)+y^2=0
$$
すなわち
$$ x^2-4x+y^2=0
$$
を得る。
一方、円の方程式を展開すると
$$ x^2-8x+y^2+12=0
$$
である。これと
$$ x^2-4x+y^2=0
$$
を比較して引くと
$$ -4x+12=0
$$
より
$$ x=3
$$
である。
これを $x^2-4x+y^2=0$ に代入すると
$$ 9-12+y^2=0
$$
より
$$ y^2=3
$$
である。したがって
$$ y=\pm \sqrt{3}
$$
となる。
よって求める複素数は
$$ \beta=3\pm \sqrt{3}i
$$
である。
最後に面積を求める。2つの接点を
$$ B_1(3,\sqrt{3}),\qquad B_2(3,-\sqrt{3})
$$
とする。
三角形 $OB_1B_2$ の底辺 $B_1B_2$ の長さは
$$ B_1B_2=2\sqrt{3}
$$
であり、原点 $O$ から直線 $x=3$ までの距離は $3$ である。よって
$$ [OB_1B_2]=\frac{1}{2}\cdot 2\sqrt{3}\cdot 3=3\sqrt{3}
$$
である。
この三角形のうち、円 $C$ の内部に入っている部分は、弦 $B_1B_2$ と円弧で囲まれる弓形である。この弓形の面積を求める。
中心 $A(4,0)$ から見ると
$$ \overrightarrow{AB_1}=(-1,\sqrt{3}),\qquad \overrightarrow{AB_2}=(-1,-\sqrt{3})
$$
である。よって中心角 $\angle B_1AB_2=\theta$ は
$$ \cos\theta = \frac{(-1)(-1)+(\sqrt{3})(-\sqrt{3})}{2\cdot 2}
-\frac{1}{2}
$$
より
$$ \theta=\frac{2\pi}{3}
$$
である。
半径 $2$、中心角 $\frac{2\pi}{3}$ の扇形 $AB_1B_2$ の面積は
$$ \frac{1}{2}\cdot 2^2\cdot \frac{2\pi}{3} = \frac{4\pi}{3}
$$
である。
また、三角形 $AB_1B_2$ は、底辺 $B_1B_2=2\sqrt{3}$、高さ $1$ の三角形だから
$$ \begin{aligned} [AB_1B_2] &= \frac{1}{2}\cdot 2\sqrt{3}\cdot 1\\ &= \sqrt{3} \end{aligned} $$
である。
したがって、弓形の面積は
$$ \frac{4\pi}{3}-\sqrt{3}
$$
である。
求める部分は、三角形 $OB_1B_2$ からこの弓形を除いた部分である。よって
$$ \begin{aligned} S = \\ 3\sqrt{3} \\ \left(\frac{4\pi}{3}-\sqrt{3}\right) \\ 4\sqrt{3}-\frac{4\pi}{3} \end{aligned} $$
である。
解説
この問題の要点は、まず $|z|=2|z-3|$ を円の方程式に変形することである。絶対値は複素平面上の距離を表すので、座標に直せば通常の円の問題になる。
接線の条件では、接線そのものの方程式を最初に立てるよりも、接点における半径と接線が垂直であることを使う方が簡潔である。
面積では、三角形 $OB_1B_2$ から扇形をそのまま引くのではなく、円の内部に入っている弓形部分を引く点に注意する。中心 $A$ は三角形 $OB_1B_2$ の外側にあるため、引くべき部分は扇形ではなく、扇形から三角形 $AB_1B_2$ を除いた弓形である。
答え
**(1)**
$$ C:\ |z-4|=2
$$
である。したがって
$$ \alpha=4,\qquad r=2
$$
である。また
$$ OA=4>2
$$
より、原点 $O$ は円 $C$ の外部にある。
**(2)**
$$ \beta=3\pm \sqrt{3}i
$$
**(3)**
$$ S=4\sqrt{3}-\frac{4\pi}{3}
$$