基礎問題集
数学C 複素数平面「複素数平面(軌跡問題)」の問題18 解説
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解説
方針・初手
$w=\dfrac{1}{z}$ であるから、$z=\dfrac{1}{w}$ とおき直し、$z$ が満たす直線や線分の条件を $w$ の条件に変換する。
特に、垂直二等分線は「2点からの距離が等しい点の集合」として表すと扱いやすい。
解法1
**(1)**
点 $z$ が点 $\alpha$ と原点 $O$ を結ぶ線分の垂直二等分線 $L$ 上にあることは、
$$ |z-\alpha|=|z|
$$
と表される。
ここで $z=\dfrac{1}{w}$ とおく。ただし $z\neq 0$ であるから $w\neq 0$ である。これを代入すると、
$$ \left|\frac{1}{w}-\alpha\right|=\left|\frac{1}{w}\right|
$$
である。両辺に $|w|$ をかけて、
$$ |1-\alpha w|=1
$$
を得る。
$\alpha\neq 0$ なので、
$$ |1-\alpha w| = |\alpha|\left|w-\frac{1}{\alpha}\right|
$$
であるから、
$$ \left|w-\frac{1}{\alpha}\right| = \frac{1}{|\alpha|}
$$
となる。
したがって、$w$ は中心 $\dfrac{1}{\alpha}$、半径 $\dfrac{1}{|\alpha|}$ の円上を動く。
ただし、$w=\dfrac{1}{z}$ であるから $w=0$ はとれない。一方で、この円は
$$ \left|0-\frac{1}{\alpha}\right| = \frac{1}{|\alpha|}
$$
を満たすので、点 $0$ を通る。よって軌跡は、この円から点 $0$ を除いたものである。
**(2)**
$1$ の $3$ 乗根のうち虚部が正であるものは
$$ \beta=-\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}i
$$
である。また、
$$ \beta^2=-\frac{1}{2}-\frac{\sqrt{3}}{2}i
$$
である。
したがって、点 $\beta$ と点 $\beta^2$ を結ぶ線分は
$$ z=-\frac{1}{2}+it \qquad \left(-\frac{\sqrt{3}}{2}\leq t\leq \frac{\sqrt{3}}{2}\right)
$$
と表される。
このとき
$$ \begin{aligned} w=\frac{1}{z} &= \frac{1}{-\frac{1}{2}+it}\\ &= \frac{-\frac{1}{2}-it}{\frac{1}{4}+t^2} \end{aligned} $$
である。
$w=x+iy$ とおくと、
$$ x=-\frac{1}{2\left(\frac{1}{4}+t^2\right)}, \qquad y=-\frac{t}{\frac{1}{4}+t^2}
$$
である。
また、$z=\dfrac{1}{w}$ として、線分を含む直線 $\operatorname{Re} z=-\dfrac{1}{2}$ の条件を $w$ で表す。$w=x+iy$ とすると、
$$ \frac{1}{w} = \frac{x-iy}{x^2+y^2}
$$
であるから、
$$ \operatorname{Re}\frac{1}{w} = \frac{x}{x^2+y^2}
$$
である。したがって
$$ \frac{x}{x^2+y^2}=-\frac{1}{2}
$$
より、
$$ x^2+y^2+2x=0
$$
すなわち
$$ (x+1)^2+y^2=1
$$
を得る。
よって、$w$ は中心 $-1$、半径 $1$ の円上にある。
次に、線分の範囲を調べる。$z=-\dfrac{1}{2}+it$ において
$$ -\frac{\sqrt{3}}{2}\leq t\leq \frac{\sqrt{3}}{2}
$$
である。先ほどの式
$$ x=-\frac{1}{2\left(\frac{1}{4}+t^2\right)}
$$
を見ると、$t^2$ は
$$ 0\leq t^2\leq \frac{3}{4}
$$
を動くので、
$$ -2\leq x\leq -\frac{1}{2}
$$
である。
したがって、軌跡は
$$ |w+1|=1,\qquad \operatorname{Re}w\leq -\frac{1}{2}
$$
で表される円弧である。
端点について確認すると、
$$ z=\beta \quad \Rightarrow \quad w=\frac{1}{\beta}=\beta^2
$$
であり、
$$ z=\beta^2 \quad \Rightarrow \quad w=\frac{1}{\beta^2}=\beta
$$
である。また、線分の中点 $z=-\dfrac{1}{2}$ に対しては
$$ w=-2
$$
となる。
したがって図示する場合は、中心 $-1$、半径 $1$ の円のうち、端点 $\beta,\beta^2$ を結び、点 $-2$ を通る左側の弧を描けばよい。
解説
$w=\dfrac{1}{z}$ は、直線や円を別の直線・円に移す変換である。ただし、$w=0$ は有限の $z$ からは得られないため、除外点の確認が必要である。
**(1)**
では、垂直二等分線を $|z-\alpha|=|z|$ と置くのが最短である。これに $z=\dfrac{1}{w}$ を代入すると、すぐに円の方程式が出る。
**(2)**
では、まず線分を
$$ z=-\frac{1}{2}+it
$$
と表すと、どの部分の円弧になるかまで確認しやすい。全直線 $\operatorname{Re}z=-\dfrac{1}{2}$ は円 $|w+1|=1$ に移るが、線分だけを動くため、そのうち左側の弧だけが軌跡になる。
答え
**(1)**
$w$ の軌跡は
$$ \left|w-\frac{1}{\alpha}\right| = \frac{1}{|\alpha|}
$$
で表される円から点 $0$ を除いたもの。
中心は
$$ \frac{1}{\alpha}
$$
半径は
$$ \frac{1}{|\alpha|}
$$
である。
**(2)**
$w$ の軌跡は
$$ |w+1|=1,\qquad \operatorname{Re}w\leq -\frac{1}{2}
$$
で表される円弧である。
これは、中心 $-1$、半径 $1$ の円のうち、点 $\beta$ と点 $\beta^2$ を端点とし、点 $-2$ を通る左側の弧である。