基礎問題集
数学C 複素数平面「複素数平面(軌跡問題)」の問題19 解説
数学Cの複素数平面「複素数平面(軌跡問題)」にある問題19の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
写像 $w=\dfrac{1}{z}$ では $z=\dfrac{1}{w}$ とおける。したがって、円 $C$ の条件 $|z-\alpha|=r$ に $z=\dfrac{1}{w}$ を代入し、$w$ の満たす方程式を円の標準形に変形すればよい。
解法1
**(1)**
点 $z$ は円 $C$ 上を動くので、
$$ |z-\alpha|=r
$$
である。ここで $C$ は原点を通らないから、円周上の点 $z$ について $z\neq 0$ であり、$w=\dfrac{1}{z}$ が定義できる。
$z=\dfrac{1}{w}$ を代入すると、
$$ \left|\frac{1}{w}-\alpha\right|=r
$$
である。$w\neq 0$ だから、両辺に $|w|$ を掛けて
$$ |1-\alpha w|=r|w|
$$
を得る。両辺を2乗すると、
$$ (1-\alpha w)(1-\overline{\alpha},\overline{w})=r^2w\overline{w}
$$
である。これを展開して整理すると、
$$ (|\alpha|^2-r^2)|w|^2-\alpha w-\overline{\alpha},\overline{w}+1=0
$$
となる。
ここで、$C$ が原点を通らないことから
$$ |\alpha|\neq r
$$
である。したがって
$$ A=|\alpha|^2-r^2
$$
とおくと、$A\neq 0$ である。
上の式を $A$ で割ると、
$$ |w|^2-\frac{\alpha}{A}w-\frac{\overline{\alpha}}{A}\overline{w}+\frac{1}{A}=0
$$
となる。これを平方完成する。
中心を
$$ \beta=\frac{\overline{\alpha}}{A}
$$
とおくと、$\overline{\beta}=\dfrac{\alpha}{A}$ であるから、
$$ |w-\beta|^2 = |w|^2-\frac{\alpha}{A}w-\frac{\overline{\alpha}}{A}\overline{w} +\frac{|\alpha|^2}{A^2}
$$
である。よって、$w$ の方程式は
$$ |w-\beta|^2 = \frac{|\alpha|^2}{A^2}-\frac{1}{A}
$$
となる。右辺は
$$ \begin{aligned} \frac{|\alpha|^2}{A^2}-\frac{1}{A} &= \frac{|\alpha|^2-A}{A^2}\\ &= \frac{|\alpha|^2-(|\alpha|^2-r^2)}{A^2}\\ &= \frac{r^2}{A^2} \end{aligned} $$
である。
したがって、
$$ \left|w-\frac{\overline{\alpha}}{|\alpha|^2-r^2}\right| = \frac{r}{\left||\alpha|^2-r^2\right|}
$$
となる。よって、$C'$ は円であり、その中心と半径はそれぞれ
$$ \frac{\overline{\alpha}}{|\alpha|^2-r^2}, \qquad \frac{r}{\left||\alpha|^2-r^2\right|}
$$
である。
**(2)**
$C$ と $C'$ が一致するとする。同じ円であるから、中心と半径がそれぞれ一致する。
$A=|\alpha|^2-r^2$ とおくと、(1)より $C'$ の中心と半径は
$$ \frac{\overline{\alpha}}{A}, \qquad \frac{r}{|A|}
$$
である。したがって、
$$ \alpha=\frac{\overline{\alpha}}{A}, \qquad r=\frac{r}{|A|}
$$
が成り立つ。
$r>0$ であるから、半径の一致より
$$ |A|=1
$$
である。したがって
$$ A=1 \quad \text{または} \quad A=-1
$$
である。
また、中心の一致より
$$ A\alpha=\overline{\alpha}
$$
である。$\alpha=a+bi$ とおく。ただし $a,b$ は実数である。
**(i)**
$A=1$ のとき
$$ \alpha=\overline{\alpha}
$$
であるから、
$$ a+bi=a-bi
$$
となる。よって $b=0$ であり、$\alpha$ は実数である。すなわち、$\alpha$ は実軸上にある。
**(ii)**
$A=-1$ のとき
$$ -\alpha=\overline{\alpha}
$$
であるから、
$$ -a-bi=a-bi
$$
となる。よって $a=0$ であり、$\alpha$ は純虚数である。すなわち、$\alpha$ は虚軸上にある。
以上より、$C$ と $C'$ が一致するとき、$C$ の中心 $\alpha$ は実軸上または虚軸上にある。
解説
この問題の要点は、反転 $w=\dfrac{1}{z}$ による円の像を直接求めることである。円の条件 $|z-\alpha|=r$ に $z=\dfrac{1}{w}$ を代入し、絶対値を外して $w,\overline{w}$ の式に直すと、円の一般形が現れる。
特に重要なのは、$C$ が原点を通らないという条件である。この条件により $|\alpha|\neq r$、すなわち $|\alpha|^2-r^2\neq 0$ となるため、方程式を円の標準形に変形できる。
また、$w=\dfrac{1}{z}$ は複素数平面では単なる反転ではなく、共役が関わるため、像の中心に $\overline{\alpha}$ が現れる。ここを $\alpha$ と取り違えると誤答になる。
答え
**(1)**
$C'$ は円であり、その中心は
$$ \frac{\overline{\alpha}}{|\alpha|^2-r^2}
$$
半径は
$$ \frac{r}{\left||\alpha|^2-r^2\right|}
$$
である。
**(2)**
$C$ と $C'$ が一致するとき、$\alpha$ は実軸上または虚軸上にある。