基礎問題集
数学C 複素数平面「複素数平面(軌跡問題)」の問題24 解説
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解説
方針・初手
$f(1)$ と $f(i)$ がそれぞれ円板内を動くので、まず $f(1+i)$ を $f(1), f(i)$ の一次式で表す。すると、求める範囲は2つの円板の和集合、すなわち円板として処理できる。
解法1
$A=f(1), B=f(i), C=f(1+i)$ とおく。
条件は
$$ |A-3|\leqq 1,\qquad |B-1|\leqq 3
$$
である。
また、
$$ \begin{aligned} A&=f(1)=1+\alpha+\beta,\\ B&=f(i)=-1+i\alpha+\beta,\\ C&=f(1+i)=2i+(1+i)\alpha+\beta \end{aligned}
$$
である。
$C$ を $A,B$ で表す。$A=1+\alpha+\beta$ より $\alpha+\beta=A-1$、また $B=-1+i\alpha+\beta$ より $i\alpha+\beta=B+1$ である。
したがって
$$ C=2i+\alpha+i\alpha+\beta =2i+(\alpha+\beta)+i\alpha =2i+A-1+i\alpha
$$
である。
さらに
$$ (i-1)\alpha=(B+1)-(A-1)=B-A+2
$$
より
$$ \alpha=\frac{B-A+2}{i-1}
$$
である。よって
$$ \begin{aligned} C &=2i+A-1+\frac{i(B-A+2)}{i-1}\\ &=2i+A-1+\frac{1-i}{2}(B-A+2)\\ &=\frac{1+i}{2}A+\frac{1-i}{2}B+i. \end{aligned}
$$
ここで
$$ A=3+u,\qquad B=1+v
$$
とおくと、条件は
$$ |u|\leqq 1,\qquad |v|\leqq 3
$$
である。このとき
$$ \begin{aligned} C &=\frac{1+i}{2}(3+u)+\frac{1-i}{2}(1+v)+i\\ &=2+2i+\frac{1+i}{2}u+\frac{1-i}{2}v. \end{aligned}
$$
ここで
$$ \left|\frac{1+i}{2}u\right|\leqq \frac{\sqrt2}{2}, \qquad \left|\frac{1-i}{2}v\right|\leqq \frac{3\sqrt2}{2}
$$
であるから、三角不等式より
$$ |C-(2+2i)| \leqq \frac{\sqrt2}{2}+\frac{3\sqrt2}{2} =2\sqrt2.
$$
逆に、中心 $2+2i$、半径 $2\sqrt2$ の円板内の任意の点は、半径 $\dfrac{\sqrt2}{2}$ の円板と半径 $\dfrac{3\sqrt2}{2}$ の円板の和として表せる。したがって $C=f(1+i)$ の取りうる値の範囲は
$$ |C-(2+2i)|\leqq 2\sqrt2
$$
である。
よって、複素数平面上では、中心 $2+2i$、半径 $2\sqrt2$ の閉円板である。座標でいえば、中心は $(2,2)$、半径は $2\sqrt2$ である。
次に $C=0$ の場合を考える。
$C=0$ は
$$ 0=2+2i+\frac{1+i}{2}u+\frac{1-i}{2}v
$$
すなわち
$$ \frac{1+i}{2}u+\frac{1-i}{2}v=-(2+2i)
$$
を意味する。
左辺の2項の絶対値はそれぞれ高々
$$ \frac{\sqrt2}{2},\qquad \frac{3\sqrt2}{2}
$$
であり、その和は $2\sqrt2$ である。一方、
$$ |-(2+2i)|=2\sqrt2
$$
である。
したがって等号成立の場合であり、2つのベクトルはともに $-(2+2i)$ と同じ向きを向き、かつそれぞれ最大の長さをもつ。
よって
$$ \frac{1+i}{2}u=-\frac{1+i}{2}, \qquad \frac{1-i}{2}v=-\frac{3}{2}(1+i)
$$
である。
したがって
$$ u=-1
$$
であり、また
$$ v=-3\frac{1+i}{1-i}=-3i
$$
である。
よって
$$ A=3+u=2,\qquad B=1+v=1-3i
$$
である。
つまり
$$ f(1)=2,\qquad f(i)=1-3i
$$
である。これを用いて $\alpha,\beta$ を求める。
$$ \begin{aligned} f(1)=2 &\Longrightarrow 1+\alpha+\beta=2\\ &\Longrightarrow \alpha+\beta=1, \end{aligned}
$$
また
$$ \begin{aligned} f(i)=1-3i &\Longrightarrow -1+i\alpha+\beta=1-3i\\ &\Longrightarrow i\alpha+\beta=2-3i. \end{aligned}
$$
2式を引くと
$$ (i-1)\alpha=1-3i
$$
であるから
$$ \alpha=\frac{1-3i}{i-1}.
$$
分母を処理すると
$$ \alpha=\frac{(1-3i)(-1-i)}{2}=-2+i.
$$
したがって
$$ \beta=1-\alpha=3-i.
$$
解説
この問題の本質は、係数 $\alpha,\beta$ を直接追うのではなく、$f(1),f(i),f(1+i)$ の関係に置き換えることである。
$f(1)$ と $f(i)$ はそれぞれ円板内を動くので、$f(1+i)$ がそれらの一次結合で表せれば、範囲は円板の和として求まる。特に半径が
$$ \frac{\sqrt2}{2},\qquad \frac{3\sqrt2}{2}
$$
となるため、和の半径は $2\sqrt2$ になる。
また、$f(1+i)=0$ は得られた円板の境界点にあたる。境界で等号が成り立つためには、三角不等式の等号条件を使う必要がある。この点を見落とすと、$\alpha,\beta$ を一意に決められない。
答え
**(1)**
$$ |f(1+i)-(2+2i)|\leqq 2\sqrt2
$$
複素数平面上では、中心 $2+2i$、半径 $2\sqrt2$ の閉円板である。
**(2)**
$$ \alpha=-2+i,\qquad \beta=3-i
$$