基礎問題集
数学C 複素数平面「複素数平面(軌跡問題)」の問題28 解説
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解説
方針・初手
$z=x+yi$ とおき、$z+\dfrac{3}{z}$ が実数である条件を虚部が $0$ である条件として処理する。
そのうえで、得られた場合ごとに
$$ 3 \le z+\frac{3}{z} \le 4
$$
を満たす範囲を調べればよい。
解法1
$z=x+yi$ とおく。ただし、$\dfrac{3}{z}$ が定義されるため $z\ne 0$ である。
このとき
$$ \begin{aligned} \frac{3}{z} &= \frac{3}{x+yi}\\ &= \frac{3(x-yi)}{x^2+y^2}\\ &= \frac{3x}{x^2+y^2}-i\frac{3y}{x^2+y^2} \end{aligned} $$
であるから、
$$ z+\frac{3}{z} = \left(x+\frac{3x}{x^2+y^2}\right) +i\left(y-\frac{3y}{x^2+y^2}\right)
$$
となる。
これが実数であるための条件は虚部が $0$ であることなので、
$$ y-\frac{3y}{x^2+y^2}=0
$$
すなわち
$$ y\left(1-\frac{3}{x^2+y^2}\right)=0
$$
である。
したがって、次のいずれかが成り立つ。
$$ y=0
$$
または
$$ x^2+y^2=3
$$
である。
**(i) $y=0$ のとき**
このとき $z=x$ は実数であり、$x\ne 0$ である。
条件は
$$ 3 \le x+\frac{3}{x} \le 4
$$
となる。
$x<0$ のとき、$x+\dfrac{3}{x}<0$ であるから不適である。よって $x>0$ としてよい。
$x>0$ では、相加相乗平均より
$$ x+\frac{3}{x}\ge 2\sqrt{3}>3
$$
であるから、下側の不等式は常に成り立つ。
したがって
$$ x+\frac{3}{x}\le 4
$$
を解けばよい。$x>0$ より両辺に $x$ を掛けて、
$$ x^2+3\le 4x
$$
すなわち
$$ x^2-4x+3\le 0
$$
である。
因数分解すると
$$ (x-1)(x-3)\le 0
$$
であるから、
$$ 1\le x\le 3
$$
を得る。
よって、この場合の範囲は実軸上の線分
$$ 1\le x\le 3,\quad y=0
$$
である。
**(ii) $x^2+y^2=3$ のとき**
このとき
$$ \begin{aligned} z+\frac{3}{z} &= x+\frac{3x}{x^2+y^2}\\ &= x+\frac{3x}{3}\\ &= 2x \end{aligned} $$
である。
したがって条件は
$$ 3\le 2x\le 4
$$
すなわち
$$ \frac{3}{2}\le x\le 2
$$
である。
ただし、円 $x^2+y^2=3$ 上では $x\le \sqrt{3}$ であり、$\sqrt{3}<2$ であるから、実際には
$$ \frac{3}{2}\le x\le \sqrt{3}
$$
となる。
よって、この場合の範囲は円
$$ x^2+y^2=3
$$
のうち
$$ x\ge \frac{3}{2}
$$
を満たす部分である。
端点は
$$ x=\frac{3}{2}
$$
のとき
$$ y^2=3-\frac{9}{4}=\frac{3}{4}
$$
より
$$ y=\pm \frac{\sqrt{3}}{2}
$$
である。また、右端は
$$ (\sqrt{3},0)
$$
である。
したがって、円 $x^2+y^2=3$ 上の点
$$ \left(\frac{3}{2},\frac{\sqrt{3}}{2}\right), \quad (\sqrt{3},0), \quad \left(\frac{3}{2},-\frac{\sqrt{3}}{2}\right)
$$
を結ぶ右側の弧が該当する。
解説
$z+\dfrac{3}{z}$ が実数であるという条件は、複素数平面上でかなり強い制約を与える。実際に虚部を $0$ とすると、実軸 $y=0$ と円 $x^2+y^2=3$ の和集合に限られる。
その後の不等式は、それぞれの上で実数値として処理すればよい。実軸上では $x+\dfrac{3}{x}$、円上では $2x$ になるため、条件が大きく単純化される。
図示すると、求める範囲は次の $2$ つの部分の和集合である。
- 実軸上の線分 $1\le x\le 3$
- 円 $x^2+y^2=3$ のうち $x\ge \dfrac{3}{2}$ の部分
答え
求める $z=x+yi$ の範囲は
$$ \boxed{ {(x,y)\mid y=0,\ 1\le x\le 3} \cup \left\{(x,y)\mid x^2+y^2=3,\ x\ge \frac{3}{2}\right\} }
$$
である。
すなわち、複素数平面上では、実軸上の線分 $[1,3]$ と、円 $x^2+y^2=3$ のうち $x\ge \dfrac{3}{2}$ を満たす右側の弧を合わせた図形である。